
| 2008.12.25 | ☆大野の(介護)福祉施設:市の不指定処分を取り消し 原告の主張一部認定 地裁/福井 25日、毎日新聞(福井)→ 『(福井県)大野市の社会福祉法人「光明寺福祉会」が介護保険法で定める小規模多機能型福祉施設の許可指定を巡り、同市に対して不指定処分の取り消しと、市内のNPOにした指定の取り消しを求めた訴訟の判決が24日、福井地裁であった。坪井宣幸裁判長は「介護保険法では、国の基準を満たした施設を不指定にすることは定められていない」として、原告の主張を一部認め、同市に不指定処分の取り消しを命じた。 訴状によると、小規模多機能型福祉施設に指定されると、利用者が介護保険を使える施設になる。06年6月16日、大野市は光明寺福祉会が許可を求めた在宅の介護施設に関して不指定処分とした。一方で、NPOが運営する施設を指定した。大野市は「1施設を指定するという条件で募集をかけたので、一つを不指定にした。今後については議会と相談して決めたい」とコメントした。』 . |
| 2008.12.11 | ☆藤田医院:診療報酬過剰受給の医療法人、破産 資産回収優先地裁丸亀支部 /香川 10日、毎日新聞(香川)→ 『善通寺市の医療法人藤田医院(事実上廃業)が診療報酬を過剰に受け取っていた問題で、高松地裁丸亀支部は9日、同法人や藤田博茂理事長らの破産手続開始を決定した。約3億2000万円の返納を求めている県などが先月13日、強制的に破産させて資産を回収する「債権者破産」を申し立てていた。県税務課は「自治体が債務者を破産させて債権回収するのは異例」としている。 県によると、同病院は96〜01年に県と4市5町から総額約3億1000万円の診療報酬を過剰に受け取っていた。各自治体は病院と協議し、02〜12年度に遅延損害金も含めた総額約3億2000万円を返納させることを決めた。 同病院は06年度までは計画通りに返納していた。しかし、07年度の支払い分5000万円を「払えない」と滞納。行政側が何度も督促したが応じなかったため、破産申し立てに踏み切った。 病院側は「資産がなく払えなかった」としている。』 . |
| 2008.10.30 | ☆2審も看護師の過労死認定 大阪高裁、質的過重を評価 30日夜、共同通信→ 『くも膜下出血を起こし25歳で死亡した国立循環器病センター(大阪府吹田市)の看護師村上優子さんの両親=同市=が公務災害認定を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は30日、1審に続いて訴えを認め、国に遺族補償一時金など約1250万円の支払いを命じた。 判決理由で大谷正治裁判長は、勤務先の病棟は「恒常的に時間外勤務をせざるを得ない状況だった」と指摘。発症前の時間外労働は1カ月当たり50-60時間程度で、国の認定指針(80時間)に達していないが、1審同様、不規則な夜間交代制勤務など質的な過重性も併せて認定した。 両親の代理人松丸正弁護士は「質的過重性も評価する判断が高裁レベルで明確に示された意義は大きい。本来、国の指針でも認定は総合的に判断すべきはずだが、時間外労働時間の量を重視しているのが実情。見直しが求められる」としている。 判決によると、優子さんは1997年4月に採用され、脳神経外科病棟で勤務。2001年2月13日夜、帰宅後にくも膜下出血を発症し、3月10日に死亡した。』 . |
| 2008.10.22 | ☆医師自殺 過酷な勤務と認定 東京・中野の小児科医 22日夕、NHK→ 『9年前、東京の病院で小児科の医師が自殺したことについて、東京高等裁判所は、当直や長時間の勤務で心と体を壊し、うつ病になったのが原因だと指摘しました。病院の賠償については遺族の訴えを退けました。 東京・中野区の病院に勤めていた小児科の医師、中原利郎さん(当時44歳)は、9年前病院で自殺し、遺族が過酷な勤務が続いたためだとして病院に賠償を求めていました。1審は「ほかの病院に比べて勤務が特別過酷だったとは言えない」として、訴えを退けていました。22日の2審の判決で、東京高等裁判所の鈴木健太裁判長は「当直が月に8回に上ることもあったうえ、当直の翌日、そのまま勤務に入ることもあった。十分な睡眠が取れないことも多く、当直や長時間の勤務で心と体を壊し、うつ病になった」として、1審とは逆に、自殺の原因が過酷な勤務だったと認めました。 その一方で、病院の賠償については、中原さんの精神的な異変に気づくのは難しかったとして遺族の訴えを退けました。中原さんの自殺をめぐっては、当初、国が過労による労災と認めませんでしたが、去年、東京地裁が労災と認める判断を示し確定しています。』 . |
| 2008.10.02 | ☆給付費詐取で2人有罪 介護保険揺るがしかねない 2日、共同通信→ 『愛知県豊田市の認知症高齢者グループホーム「ひだまりとよた」をめぐる介護給付費詐取事件で、名古屋地裁岡崎支部は2日、詐欺罪などに問われた経営者小坂龍生被告(44)に懲役2年8月(求刑懲役4年)、施設経営会社の役員桜井裕子被告(50)に懲役2年、執行猶予5年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。 判決理由で久保豊裁判官は「介護保険制度を揺るがしかねない悪質な犯行」と指摘。「小坂被告は主導的に関与しており、責任は重大」と述べた。 判決によると、両被告は共謀し、2005年4月から11月にかけ、介護給付費を水増し請求して、豊田市と同県日進市から計約2800万円をだまし取った。』 . |
| 2008.09.30 | ☆介護職員の解雇は無効 高知地裁、労働審判で 29日深夜、産経新聞→ 『高知県南国市の社会福祉法人「ふるさと自然村」の元介護職員の男性(28)が、労働組合の活動を妨げるため不当に解雇されたとして地位確認などを求めた労働審判で、高知地裁は29日、解雇を無効とし、未払い賃金約69万円などの支払いを同法人に命じた。 男性を支援する労働組合「UIゼンセン同盟」や申立書によると、ふるさと自然村は昨年11月、訪問介護大手コムスンの高知県内の事業を受け継いだ。その後、通勤交通費が減額されるなど労働条件が切り下げられたため組合側は団体交渉を要求。男性は今年5月、就業規則違反を理由に解雇された。 ふるさと自然村は「到底承服できるものではなく異議を申し立てる」としている。』 ・ |
| 2008.09.06 | ☆身体拘束は「違法」、病院に賠償命令…名古屋高裁が逆転判 6日、讀賣新聞→ 『愛知県一宮市の病院に入院した女性(当時80歳)が、不必要な身体拘束で心身に苦痛を受けたとして、岐阜県大垣市などに住む遺族が病院を経営する医療法人に計600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が5日、名古屋高裁であった。 西島幸夫裁判長は「抑制は違法だった」として、請求を棄却した1審・名古屋地裁一宮支部判決を変更し、病院側に計70万円を支払うよう命じた。原告側代理人は「介護施設や医療機関での身体拘束を違法とする司法判断は、全国で初めてではないか」としている。』 ※5日午後、讀賣新聞では以下の報道 『愛知県一宮市の病院に入院した女性(当時80歳)が、不必要な身体拘束で心身に苦痛を受けたとして、岐阜県大垣市の遺族が病院を経営する医療法人に計600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が5日、名古屋高裁であった。 西島幸夫裁判長は「抑制には切迫性が認められず、緊急避難的に例外的に認められる場合にも当てはまらない。抑制は違法だった」として、請求を棄却した1審・名古屋地裁一宮支部判決を変更し、病院側に計70万円を支払うよう命じた。 1審判決などによると、女性は2003年8〜11月に、腰痛の治療やリハビリのため一宮西病院に入院。同年11月、ひも付きの手袋でベッドに拘束され、手首などに軽傷を負った。女性は06年9月に死亡した。 1審は、女性は当時、はいかいする状態で、転倒やベッドからの転落による生命や身体に対する切迫した危険性があったと指摘。その上で「抑制以外に危険を回避する手段は無く、緊急避難行為としての正当性もある」と判断していた。 遺族側は控訴審で、拘束は看護師の休憩中に行われており、病院の看護体制には余力があったと主張。「拘束は必要性が無く、著しく不当だった」などと主張していた。』 . |
| 2008.08.20 | ☆産科医 【遺族の感情を優先して考える風潮を戒める判決が20日、福島地裁から出た・・・】 20日夜、共同通信→ 『47コラム 遺族の感情を優先して考える風潮を戒める判決が20日、福島地裁から出た。4年前、帝王切開で出産した女性が手術中に死亡し、それから1年以上たって担当した医師が業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕された事件。判決は無罪だった。 医師不足に悩む地域医療。それに追い討ちをかけたのが、この福島の出来事だった。産科医たちの間に「こんな目にあうんじゃ、もうやってられない」と事なかれ主義を呼び起こした。産婦人科医を希望する医学生が減ってしまった。「産婦人科」の看板から「産」を削除し「婦人科」専門のクリニックに転進するドクターも増えた。この判決が、行き過ぎた医療ミス弾劾の流れを考え直すきっかけになればいいと思う。 確かに遺族の落胆はある。法廷では、亡くなった女性の父親が、無罪と聞いて肩を落としハンカチで・・・ [続き]』 . |
| 2008.07.22 | ☆障害者から年金横領、奈良・広陵町の元社長らに有罪判決 22日昼、讀賣新聞→ 『奈良県広陵町の家具製造販売会社「大橋製作所」(破産)で働く知的障害者の従業員の障害基礎年金を横領したなどとして、労働基準法違反罪と業務上横領罪に問われた元社長の大橋浩三(43)、業務上横領罪に問われた姉で元監査役の吉本恭子(44)両被告の判決公判が22日、奈良地裁であった。 松井修裁判官は「生活安定のため、年金を繰り返し着服し、管理を任せた被害者の信頼を裏切った」と、大橋被告に懲役2年と罰金20万円(求刑・懲役3年6月、罰金20万円)、吉本被告に同2年(同3年6月)を言い渡した。 判決によると、大橋被告らは2004年8月〜07年4月に延べ89回、知的障害者の元従業員11人の預貯金口座から無断で年金など計約1100万円を引き出した。大橋被告は06年12月〜07年4月、元従業員8人に賃金計約19万円を支払わなかった。』 . |
| 2008.06.26 | ☆生活保護 老齢加算廃止は「合憲」 東京地裁 26日、讀賣新聞(夕刊)→ 『請求棄却 生存権侵害認めず 生活保護を受けている70歳以上の高齢者に上乗せ支給されていた「老齢加算」を廃止したのは、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利(生存権)を侵害するとして、東京都内の受給者12人が居住地の7区3市を相手取り、加算廃止決定の取り消しを求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。 大門匡裁判長(岩井伸晃裁判長代読)は「老齢加算を廃止しても、現実の生活条件を無視し、著しく低い基準を設定したとは言えない」と述べ、請求を棄却した。 老齢加算の廃止を巡っては、全国8地裁で同様の訴訟が起こされているが、判決は今回が初めて。 訴えていたのは、足立区や青梅市などに住む73〜84歳の男女各6人。原告らは生活保護の本体部分となる基準生活費(月額約7万5000円)に加え、月額約1万8000円の老齢加算を受け取っていたが、厚生労働省は2004年以降、老齢加算を段階的に減額し、06年4月に全廃した。 訴訟では、老齢加算がなくなっても憲法が定める「最低限度の生活」ができるかどうかが争点となった。原告側は「加算がなければ最低水準は維持できない。国は十分な検証もせずに制度を廃止しており、裁量権を逸脱している」と主張したが、判決は、厚労相の裁量の範囲内と判断した。』 . |
| 2008.06.09 | ☆寝たきり妻殺害の夫に猶予刑 「老老殺人」 千葉 11日夜、NHK→ 『今年3月、千葉県鴨川市の住宅で、88歳の夫が、介護をしていた82歳の妻の首を絞めて殺害したとして、殺人の罪に問われた裁判で、千葉地方裁判所は、「刑事責任は重いが、被告は妻を献身的に介護し続けていた」として、執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました。 判決を受けたのは、鴨川市京田の無職、岩波武被告(88)です。岩波被告は、ことし3月、鴨川市の自宅で、寝たきりだった妻のゆうさん(当時82)の首をひもで絞めて殺害したとして、殺人の罪に問われていました。 11日の判決で、千葉地方裁判所の彦坂孝孔裁判長は「被害者の命が奪われた結果は重大で、刑事責任は重い」と指摘しました。 その上で彦坂裁判長は「被告は12年以上にわたり、献身的に被害者を介護してきたうえ、犯行も家族の将来を憂慮した面がある」と述べ、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。』 . |
| 2008.06.04 | ☆障害者自立支援法:14人、集団提訴へ 「障害者1割負担は違憲」 4日、毎日新聞→ 『障害者自立支援法に基づき福祉サービス利用料に原則1割の自己負担を課すのは、障害者差別で憲法の「法の下の平等」に反するとして、埼玉県に住む知的障害の女性が3日、居住する市に負担の全額免除を申請した。今月中に大阪、滋賀、広島の1府2県に住む身体・知的・精神障害の男女(20~60代)少なくとも計13人が同様の免除申請を行う。14人は今秋にも同法の廃止を求めて集団提訴に踏み切る方針だ。 同法を巡る負担免除申請は、06年10月の全面施行後初めて。弁護士や、国内外で活動する障害者団体「日本障害者協議会」、「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」が、訴訟に向け申請者たちをサポートしている。免除申請をする14人は、いずれも入所施設や生活介護のサービスを利用し、自己負担額は最大で月約2万5000円に上る。 申請者たちは「障害者が生きるため不可欠な支援に、当事者責任で負担を課すのは、障害のない人に『吸った酸素の代金を払え』と言うのと同じ。不平等な制度自体が問題で、軽減策では解決できない」と同法の廃止を訴えている。』 . |
| 2008.05.28 | ☆介護削減の市提訴へ 和歌山の重度障害者 「行政の都合、生活できない」 28日、讀賣新聞(和歌山)→ 『終日介護が必要にもかかわらず、訪問介護サービスの利用時間を行政の都合で大幅に削減されたのは妥当性を欠くとして、脳性まひなど重度の障害を持つ和歌山市黒田、石田雅俊さん(39)が、市に利用時間削減の取り消しを求め、30日、地裁に提訴する。石田さんは「これ以上に削減されると、自立した生活ができなくなる」と訴えている。 訴状などによると、石田さんは、施設を出て一人暮らしを始めた2004年4月、1か月に計535時間の介護サービスを市から認められた。しかし、24時間介護が必要で、NPO法人「自立生活応援センターわかやま」などが介護を提供していた。 市は05年8月、自宅浴室にリフトが設置されたことなどを理由に、利用時間を1か月478時間に削減。この結果、昼間に介護ヘルパーがいない空白時間帯が生じた。その後、障害者自立支援法の施行で見直され、石田さんは従来通りの介護サービスの提供を訴えたものの、市は07年10月に377時間に削減する決定をしたとしている。 石田さんは、首から下を動かせず、30分〜1時間ごとにトイレに行く必要がある。くしゃみをした反動で、車いすの背もたれから上半身がずり落ちることもあり、ヘルパーの助けを借りないと元の状態に戻ることができないという。 訴状では、市の決定は障害者の生活や尊厳よりも行政の財源や効率が優先されていると言わざるを得ないとして、市に対して、削減の決定を取り消し、利用時間を1か月744時間にするように求めている。石田さんは「当たり前に生活できる環境を整えてほしい。訴訟を通じて、介護の現状を知ってもらいたい」と話す。 今回の訴えに対して、市障害福祉課は「全身に障害があり、市の基準で不足がある場合は、専門家による認定審査会で意見を聞いたうえで、特別に時間数を決めている。市としては、法令、条例、基準にもとづいて、適正に事務を行っていると考えている」と話している。』 . |
| 2008.05.22 | ☆嘱託殺人77歳猶予判決 地裁「夫の分も生きて」/茨城 22日、讀賣新聞(茨城)→ 『寝たきりの夫(当時77歳)に頼まれて包丁で夫を刺殺したとして、嘱託殺人罪に問われた筑西市蓮沼、無職横田チヨ被告(77)の判決公判が21日、水戸地裁であった。小野裕信裁判官は「犯行は短絡的だが、自らの足腰の痛みや心労を押して、昼夜にわたる献身的な介護を続けてきた」などとして懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)を言い渡した。小野裁判官は「後追いをしたくなってもやったらいけない。菩提(ぼだい)を弔い、夫の分まで生きてほしい」と語りかけた。 判決によると、横田被告は夫の安雄さんに頼まれ2月24日午前1時半ごろ、自宅寝室で夫の首を包丁で刺して殺害。自分の首も包丁で刺して自殺を試みたが、一命を取り留めた。 小野裁判官は「介護による精神的、肉体的負担などが重なり、犯行に及んだ経緯など、酌むべき事情も認められる」などと執行猶予の理由を述べた。初公判で横田被告が「夫と一緒に逝けなかったのが残念」と漏らしていたこともあり、小野裁判官は「自殺したら子どもが残される。お孫さんもおばあちゃんまでいなくなったら、さみしいもの」と励ました。車いすに乗った横田被告はお辞儀をして退廷した。 傍聴した横田被告の二男(47)は「裁判官も人間。思いを分かってくれた」と話した。 事件は、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」の厳しさを改めて浮き彫りにした。安雄さんは事件の1年前には寝たきり状態になり、食事や排せつが自力でできなくなった。ホームヘルパーも頼んでいたが、1時間程度しかいられないため、横田被告がほぼひとりで世話をしていた。 近くに住む男性(74)は「昨秋ごろ、(横田被告に)夫を介護してたいしたもんだ、って言ったら、『これが仕事だから』と答えていた。明るくて面倒見がよく、とても人を殺せる人じゃない」と話す。 日本福祉大の加藤悦子准教授(司法福祉論)の調査によると、60歳以上の人が介護が原因となって被害に遭った「介護殺人」は、昨年までの10年間に全国で350件起き、うち加害者と被害者がともに60歳以上の「老老介護」は全体の約6割に上る。 筑西市の場合、地区の民生委員などに介護の悩み相談が寄せられると、市に伝わる仕組みだが、市の担当者は「本人が悩みを抱え込むケースでは状況を正確に把握するのは難しい」と打ち明け、「介護者と一番接点のある、介護事業者らが行政に連絡する体制を充実させなければ」と話す。 加藤准教授によると、周囲が感心するほどかいがいしく介護する人が、加害者になる例がよくみられるといい、「行政や介護の専門家はそういう人を見たら、『危ない』と思ってほしい」と指摘する。』 . |
| 2008.05.16 | ☆介護疲れ殺人 5年求刑 93歳夫、起訴事実認める 地裁川崎支部 15日、讀賣新聞(神奈川)→ 『川崎市川崎区で昨年9月、介護に疲れ、自宅で無理心中を図って認知症の妻(当時87歳)を絞殺したとして、殺人罪に問われた無職新井吾一被告(93)の初公判が14日、横浜地裁川崎支部(加登屋健治裁判長)であった。罪状認否で新井被告は「間違いありません」と起訴事実を全面的に認め、検察側は論告で「介護する人が、介護される人を殺害する悲惨な犯行が後を絶たない。介護の負担をいかに軽減するか、社会的議論の余地はある」としながらも「介護される人の命が一方的に奪われてはならない」と懲役5年を求刑した。 求刑に先立ち、検察側は冒頭陳述で、新井被告宅の介護状況を説明。新井被告の妻、マスエさんに認知症の症状が出たのは2004年夏で、2年後、自宅で転倒して頭を打ったため、完全介護が必要になったとした。 さらに07年6月には、マスエさんがショートステイの際に騒ぐなどしてトラブルになり、これを理由に利用を断られて、以後、夜間は自宅で介護せざるを得なくなったという。 このため、4人暮らしだった新井被告は「一緒に暮らしている三女と孫に迷惑がかかる。妻を殺して自分も死のう」と考え、同年9月14日未明、就寝中のマスエさんの首を両手で絞めて殺害。自らも睡眠薬を飲んで自殺を試みたが死ねず、朝、起きた三女が発見して通報したという。 一方、弁護側は冒頭陳述で、新井被告が06年10月ごろ、不整脈で入院するなど体調が悪かった上に介護が重なり、「睡眠を妨げられ、疲れがたまっていた」と主張。最終弁論で寛大な判決を求めた。』 . |
| 2008.04.26 | ☆ニセ眼科医に懲役6年求刑 「医師の信用失墜」/岐阜 25日、岐阜新聞→ 『医師免許を持たずに医療行為を繰り返したとして、医師法違反罪などに問われた、瑞穂市野白新田、無職河口哲也被告(32)の論告求刑公判が24日、岐阜地裁(田邊三保子裁判長)で開かれ、検察側は「医師に対する信用を失墜させ、社会に与えた影響は大きい」として、懲役6年を求刑した。 検察側は論告で「医師として約2億5000万円得て、約1億円を消費した」と実質的な被害額を指摘。「高収入を得続けたい利欲的な動機に同情の余地はない」などと求刑理由を述べた。 論告によると、河口被告は2005(平成17)年11月、偽造した医師免許証のコピーを各務原市の岐阜地域保健所に提出し、本巣郡北方町に眼科診療所「アイクリニック北方」を開設。05年12月から07年7月までの間、同診療所で患者約7500人を約1万2500回診察し、県社会保険診療報酬支払基金(岐阜市)と、県国民健康保険団体連合会(同)から診療報酬など立件分だけで約3700万円をだまし取った。』 . |
| 2008.04.22 | ☆保険医取り消しは違法 神戸地裁「処分は過酷」 、68万円の「不適切請求」眼科医 22日夜、共同通信→ 『不適切な診療報酬請求を理由に、兵庫社会保険事務局から保険医登録を取り消された神戸市東灘区の細見雅美医師(45)が不服を訴えた訴訟の判決で、神戸地裁は22日、処分を違法として取り消した。 厚生労働省によると、過去に手続きの間違いを理由に処分を取り消されたケースが1件あるが、処分の判断を違法とする判決は初めてという。 判決理由で佐藤明裁判長は「さほど悪質でない原告の不正行為に対し、登録取り消しは過酷。裁量権の逸脱と乱用があり違法」と指摘した。 判決によると、細見医師は2001年「ほそみ眼科」=休業中=を神戸市内で開業。04年1-3月に請求した診療報酬計約68万円について同事務局は不適切な請求と認定し、04年11月、保険医療機関指定と保険医登録を取り消した。取り消し後は原則5年間、再登録されない。』 . |
| 2008.04.01 | ☆看護師はなぜ、老母の首絞めたのか
孤独の淵で「殺して」 1日、朝日新聞→ 『それは、母親が介護施設に入る前の日のことだった。 リンゴ畑に面する白い2階建ての一軒家の寝室で、カミソリの刃を自分の手首と首にあてた。ベッドには母親の遺体が横たわっていた。 心中、のつもりだった。意識が薄れた後は覚えていない。 今年1月、青森県弘前市で、介護する82歳の母親の首を絞めたのは北野原陽子被告(58)。看護師で、介護老人保健施設の療養部長だった。「介護のプロがなぜ」。当時の新聞に、そんな問いかけが並んだ。 その理由を探りたくて、雪の中、勾留(こうりゅう)先を訪ねた。面会して便箋(びんせん)と封筒を託すと、まもなく手紙が記者の元に届き始めた。 <どうして私1人が生き残ったんだろう> 乱れ気味の文字。母親との長かった時間を駆け足でたどるように、書き急いだ跡がみられた。 30年ほど前に離婚して、実家に2人の子を連れて帰った。昼間は病院に勤め、夜は正看護師になるための学校に通った。子どもの世話は母親に頼んだ。途中で老人介護の道に転じ、専門家として看護の学校で非常勤で教えたこともある。 <母がいたから、私も仕事と学校、そして母親とできたと思う> 父親は病死。子どもは大人になって独立した。だから、母親と2人暮らしだった。 2人になってから、母親の下半身のマヒが進み始めた。母親は昼夜なく痛みを訴える。食事や下の世話、入浴介助の世話を1人で背負ううち、疲労からくるめまいや発熱に悩まされるようになった。仕事との両立は難しくなり、2年ほど前、訪問介護を頼んだ。 楽になる、はずだった。ところが、訪問介護とデイサービスで続けて問題が起きた。 昨年8月、母親が胸の痛みを訴えた。頼んだはずのヘルパーが来ていなかった。自力で動いてしまい、どこかにぶつけたのだろうと考えた。 11月にはデイサービスに行った翌朝、母親が左足を骨折していた。夜に便所に行こうとしてベッドから落ちたという。尿を外に出すための管にストッパーがついたままだった。施設側が外し忘れたのだと推測した。 <どうして、どうしてこんなに続くの> 専門家だから、「ミス」との心証は堅かった。責任を追及して介護業者と話し合いがもつれると袋小路に入った。県や市にも相談の電話を繰り返した。 手紙の文面が決まって険しくなるのは、県や市の話に触れた時だ。当時の対応を知るため、市役所を訪ねた。 「何とかしてほしい思いはあったかもしれないが、業者への監督権限がない」と担当課長。県の福祉事務所を訪ねると、介護業者側も「原因がかみ合わず、話が一致に向かわない」と相談していた。だが、県も「仲裁機関ではない。当事者間の円満な解決を期待するに尽きる」と説明するだけだった。 被告によると、骨折で入院した母親は涙ながらに痛みを訴えたという。認知症の症状も現れた。12月21日の退院後は、寝たきりになった。被告も仕事を休まなければならなくなった。 「死にたい」「母に危害を加えるかも」。退院の日、県担当者はそんな電話を受けていた。 肉親が苦痛にもだえている。業者に任せたのにトラブルに見舞われた。自治体は動かない。介護保険で主体が民間サービスに移ったとはいえ、在宅介護の旗を振ったのは行政ではないか――。電話は、やり場のない怒りと絶望の淵(ふち)にたった、最後の叫びだったのか。 結局、母親は自分の勤める施設に入ることになり、今年1月4日、入所と復職の手続きで施設を訪ねた。そこで上司から、ほかの介護業者とのトラブルが施設の信用問題になりかねないと責められた。居場所を失うのでは、と受け止めた。 同6日。翌日の入所を切り出すと、母親が嫌がった。 「行くくらいなら殺して」 前に入所した時、公私混同などと言われ居づらさがあった。希望した別の施設は、満員状態が続いていた。 ただ、自宅に残りたいといわれても無理な事情があった。経済的な事情もあり、家は人手に渡ることになっていたのだ。 <すべてに嫌気がさした> 数分後に、提案した。 「一緒に死のうか」 被告が母親と最後まで過ごした家のまわりはもう、雪が解け、春の気配が漂い始めた。 この間の手紙は便箋41枚。「介護のプロ」だけに、憤りも人一倍だったろう。ただ、介護の現場で悩む親子はほかにも多数いるのに、選択肢は「心中」しかなかったのか。たとえ解決をみなくても、誰かが真摯(しん・し)に向き合ってくれたと感じられたなら、結果は違ったのでないか。 <あの時、ひと呼吸おいて違う視点から考えていたら、と思うと悔いのみが残る> 被告は異変に気づいた親族に助けられて一命を取り留めた。今は殺人罪で起訴されて、裁判の始まりを待つ。 』 . |
| 2008.03.09 | ☆がん85歳の苦悩と孤独…認知症の妻絞殺、12日判決 8日、讀賣新聞(関西)→ 『兵庫県尼崎市のマンションで昨年11月、85歳の夫が認知症を患う80歳の妻を絞殺する事件があった。一人息子を7歳の時に交通事故で亡くしてから、ふさぎ込むことが多くなった妻を夫は長年支えてきた。事件の10日前、夫はがんの疑いを指摘され、「自分が死んだら誰が面倒をみるんや」と思い詰めたことが引き金だった。夫の公判では、悩みを一人で抱え込みがちな男性介護者の孤独が浮き彫りになっている。 「妻の首を絞めた」 夫の橋本幸夫被告が警察に電話をかけたのは、昨年11月11日午前3時20分ごろだった。尼崎南署員が駆け付けると、布団に横になった状態で息を引き取っていた妻の房恵さんの傍らで涙を流していた。「妻は認知症で、自分はがん。妻だけが残ると不憫(ふびん)やから……」 房恵さんの殺害を認めた橋本被告は緊急逮捕され、殺人罪で起訴された。 同署や検察側の論告によると、橋本被告は事件の10日前、自宅近くの医院で「大腸がんの可能性がある」と告げられた。犯行前日の夕方、激しい腹痛に見舞われ、「もう長くない」と思い込み、電灯のひもで寝ていた妻の首を絞めた。 二人は1951年に結婚した。2年後に授かった長男は、7歳の時に交通事故で亡くなった。「私が一人で外出させたせい」と、房恵さんは自分を責め、体調を崩した。以来、二人暮らしが続いた。会社勤めだった橋本被告は仕事が終わると真っすぐ家に帰り、休日はいつも房恵さんと一緒に過ごすようになった。 房恵さんが認知症を発症したのは2001年ごろだった。症状は徐々に進み、05年ごろからは橋本被告に「あんた誰?」「息子の所に行きたい」と言うようになった。橋本被告は二人で写った古い写真を示して「あんたの夫や」と説明することもあった。 事件当時は年金で生計を立てていた。家事や介護は橋本被告が一人でこなしていた。房恵さんが認知症を患っていることは、知人や近所の人は知らなかった。 なぜ、誰にも相談しなかったのか。公判で弁護人から問われた時、橋本被告は「息子が亡くなった時にひどく落ち込んだ妻の姿を見てから、『自分が一生妻を守り続ける』と決めていた」「人に迷惑をかけたくなかった」と答え、続けた。「介護がつらいとは一度も思わなかった。妻がいてくれるだけでよかった」 ◆「同情の余地ある」懲役5年求刑◆ 橋本被告は逮捕直後、大腸がんが確認され、手術を受けた。現在、保釈中。検察側は「短絡的だが、同情の余地がある」と懲役5年を求刑した。判決は神戸地裁尼崎支部で、12日午前10時から言い渡される。 ◆介護殺人・心中 8年で260件◆ 日本福祉大の加藤悦子准教授(司法福祉論)の調査によると、60歳以上の人が介護を原因に被害に遭った殺人、心中事件は1998年からの8年間で約260件を数える。加害者の約7割は男性で、地域社会から孤立しがちな人が目立つ、という。 尼崎市福祉課によると、橋本被告のケースでは介護保険制度を利用し、ヘルパーを付けることなどができた。担当者は「何らかの対処ができたと思う。相談がなかったのが悔やまれる」と話した。』 . |
| 2008.02.28 | ☆妻殺害の89歳に猶予判決 老老介護の嘱託殺人/旭川 28日、中國新聞→ 『北海道旭川市の介護施設で昨年10月、81歳の妻に頼まれ絞殺したとして、嘱託殺人罪に問われた豊瀬透被告(89)に、旭川地裁は28日、懲役3年、執行猶予3年(求刑懲役3年6月)の判決を言い渡した。 施設で同居しながらの“老老介護”。判決理由で河村俊哉裁判長は「家族や施設職員に相談や援助を求めておらず短絡的な犯行だ」とした上で「妻から毎日『死にたい』と言われ、睡眠も取れず過度のストレスで心神耗弱状態だった。妻をふびんに思って心中を図っており、心情や境遇に同情すべき点がある」と述べた。 判決によると、豊瀬被告は昨年10月29日夜、旭川市東旭川町のグループホーム「プランタン」の夫婦の部屋で、妻光子さんに頼まれ、首をひもで絞めて窒息死させた。』 . |
| 2008.02.24 | ☆診療報酬不正請求、「健命堂」事件で社長に実刑判決 23日、朝日新聞→ 『東京・巣鴨の漢方薬局「健命堂」をめぐる診療報酬不正請求事件で東京地裁(園原敏彦裁判官)は22日、詐欺罪などに問われた社長の森田喜代重被告(57)に懲役2年6カ月(求刑懲役4年)の実刑判決を言い渡した。 判決によると、森田被告は薬剤師の資格がないのに調剤して報酬を受け取ったほか、東京都内で診療所を実質経営していた元弁護士の林田学被告(52)=同罪で実刑判決を受け控訴中=に薬局の顧客データを渡すなどして、診療報酬の不正請求に協力。06年までの2年間で東京都社会保険事務局などから約420万円をだまし取った。』 . |
| 2008.02.08 | ☆情状酌み求刑懲役5年 尼崎・老老介護殺人 7日、神戸新聞→ 『昨年十一月、自宅で介護していた認知症の妻=当時(80)=を絞殺したとして、殺人罪に問われた尼崎市西本町北通四、無職橋本幸夫被告(85)の初公判が六日、神戸地裁尼崎支部(渡辺壮裁判長)であった。 検察側は論告で、高齢化社会の福祉・介護制度の在り方を遠因に挙げた上で、同様の事件が起きる可能性にも触れ「社会全体で取り組んでいかなければならない問題を内在している」と指摘。「犯行は重大だが、同情の余地がないとは言い切れない」などとして懲役五年を求刑した。 公判はこの日で結審、判決は三月十二日に言い渡される。 起訴状などによると、橋本被告は医師から大腸がんの疑いがあると診断され「自分が死んだら誰が面倒を見るのか」と、介護を約六年間続けた妻房恵さんの将来を悲観し、殺害を決意。昨年十一月十一日未明、当時住んでいた同市大庄川田町の自宅で、房恵さんに精神安定剤を飲ませ寝かせた上、ひもで首を絞め窒息死させた、とされる。 罪状認否で起訴事実を認めた橋本被告は「もうおしまいだと思い、殺すこと以外考えられなくなっていた。親族に早く打ち明けていれば、と妻に申し訳なく、後悔している」と涙ぐんだ。 弁護側は、房恵さんの妹ら親族六人の嘆願書を裁判長に提出。法廷ではおいが「介護を任せきりにし、(橋本被告の)話を聞いてあげられなかった」などと証言、執行猶予付きの判決を求めた。 橋本被告は逮捕後、体調を崩したため、拘置が一時停止され入院。がんの摘出手術を受けた。現在は保釈中。』 . |
| 2008.01.20 | ☆元院長に懲役1年求刑 リタリン処方の医師法違反/東京・江戸川 21日夜、共同通信→ 『医師資格のない事務員らに向精神薬「リタリン」の処方など医療行為をさせたとして、医師法違反の罪に問われた元「京成江戸川クリニック」院長の医師小倉暢夫被告(67)の初公判が21日、東京地裁(小池勝雅裁判官)であり、検察側は「無資格の医療行為は約1カ月間、延べ800人近い患者に行われ、カルテにも虚偽を記載した」と、懲役1年を求刑した。 これに先立ち、小倉被告は起訴事実を認め「医師としての基本をおろそかにした」と謝罪。弁護側は罰金刑とするよう求め、結審した。判決は2月4日。 検察側は論告で、被告は、自分が肝臓病で入院し不在だったのに、収入確保のため、事務員らに薬の処方や注射などをさせたと指摘。「患者の求めに応じ、リタリンを一度に数百錠から1000錠も処方するなど極めてずさん。覚せい剤のように幻覚症状を起こすリタリン乱用の問題を認識しながら、安易に大量投与を続けた」と述べた。』 . |
| 2008.01.13 | ☆奈良・ワゴン車衝突:送迎車死亡事故、介護士に有罪 地裁判決/奈良 12日、毎日新聞(奈良)→ 『特別養護老人ホームの送迎用ワゴン車を運転中の06年11月に奈良市内で大型バスと衝突し、1人を死亡させ、7人にけがを負わせたとして業務上過失致死傷罪に問われた生駒市萩の台1、介護士、矢尾伸明被告(35)の判決公判が11日、奈良地裁であった。松井修裁判官は「高齢者を乗せながら前方を注視せず過失は大きい。ただ深く反省している」と述べ、禁固1年6月、執行猶予3年(求刑禁固1年6月)の有罪判決を言い渡した』 。 |