| 2009.01.05 | ☆介護職員の退職9割「低賃金で」 京の市民団体、全国施設調査 2日、京都新聞→ 『介護施設を辞める職員が増える中、特別養護老人ホームなどの施設の9割近くがその理由を低賃金と考えていることが、京都市北区の市民団体「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」の調査で分かった。今年の介護保険制度見直しを前に、全国の約6900施設を対象にアンケートを実施した。 連絡会は京滋を含む全国90の特養やケアハウスなどでつくる。アンケートは特養を中心とする6911施設に郵送し、24%にあたる1712施設から回答を得た。 仕事を辞める介護職員が増えている原因を複数回答で尋ねたところ、「給与が低いから」と答えた施設が87%に上った。「仕事がきつくて体力に不安があるから」という回答が58%、「多くが非正規雇用だから」という答えも44%あった。 過去2度の介護保険制度見直しで施設に支払われる介護報酬が減ったことを受けて、経営が「大変厳しくなった」と答えたのは61%で、「何とかやりくりしている」も合わせると96%を占めた。昨年度の収支が赤字だった特養も24%あった。 自由記述欄には、栃木県の特養が「夢を持って介護職に就いた人が待遇の低さに志をくじかれる」と記した。熊本県の特養は「人材不足でケアが『流れ作業』になってしまっている」と書いた。 「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」の廣末利弥事務局長(62)は「職員の給与が増え、正規雇用化も進むように介護報酬を上げてほしい。人の命や安心を守るにはコストが必要だという前提に立ち、国は介護保険事業に投入する予算をもっと増やすべきで、それが本来の社会保障の姿だ」と話す。 。 ■厚労省が12月25日に開催した「福祉・介護人材確保関係主管課長会議(職種別きまって支給する現金給与額等)」の資料によると、 ◆福祉施設職員 男性(32.6歳)226,000円、女性(37.4歳)204,000円。年収換算で男性3,077、4000円、女性2,771,200円。 ◆ケアマネ 男性(38.6歳)285,000円、女性(45歳)262,000円。年収換算で男性3,996,500円、女性3,675,9000円。 ◆ホームヘルパー 男性(36.7歳)239,000円、女性(45.3歳)207,000円。年収換算で男性2,782,7000円、女性2,632,800円。 などとなっている。 . |
| 2009.01.05 | ☆「介護保険料基準額を年度ごとに算定」でパブコメ―厚労省 5日昼、キャリアブレイン→ 『厚生労働省は、2009年度介護報酬改定に伴う「介護保険法施行令の一部を改正する政令案」について、パブリックコメントを募集している。1月14日まで。 改正案は、基本的に3年に一度、保険者である市町村が基準額を算定することとなっている介護保険料について、市町村が独自の判断で、年度ごとに基準額を算定できるようにするもの。 介護保険料をめぐっては、昨年10月末に取りまとめられた「生活対策」で、来年度の介護報酬の3%プラス改定に伴う介護保険料の急激な上昇を抑えることとされた。これを受け、国は市町村に対し、09年度改定による保険料上昇分の全額と、10年度の保険料上昇分の半額に相当する額を交付し、保険料の軽減を図ることにしている。 厚労省では、「今回の特別対策の趣旨を踏まえ、保険者の判断で基準額を年度ごとに算定できるようにする必要がある」としている。 詳しくは、電子政府のホームページ。』 ■ここです。 . |
| 2008.01.04 | ☆介護保険料、県内の42団体「引き上げ」 長野 4日、信濃毎日新聞→ 『介護保険を運営する(長野)県内66団体(市町村・広域連合)の3分の2に当たる42団体が、2009年度から65歳以上(第1号被保険者)の介護保険料を引き上げる方向で検討していることが3日、信濃毎日新聞の調査で分かった。高齢者の増加や介護報酬の引き上げなどが理由。住民の負担増に直結するだけに、介護サービスの計画や財政見通しなどについて住民に分かりやすく示し、議論していく必要がある。 09年度は3年に一度の保険料見直し時期に当たる。調査は、今年3月末に下伊那郡阿智村に編入合併する同郡清内路村を除く63市町村と3広域連合を対象に、昨年12月時点で担当者に取材してまとめた。 引き上げる方向とした42団体のうち、標準的な保険料となる基準額の引き上げ幅を示したのは14団体。最も大きかったのは下水内郡栄村の1300円だった。同村の保険料は現在県内で最低の月額2400円だが、3700円程度に上がる見通しだ。 このほか下伊那郡売木村が現行の月額3213円から1000円程度、同郡天龍村も同3475円から600円程度の引き上げを見込む。 一方、調査では7団体が据え置く方向とし、7団体は引き下げる方向と回答。引き下げ幅を示したのは2団体で、北佐久郡御代田町は現行の月額4600円から150円、上水内郡飯綱町は同3700円から100円程度値下げする考えだ。 引き下げる方向の自治体は、介護給付費の急激な増加に備えて積み立てている基金を取り崩して財源に充てることなどを検討する。県によると、県内保険者の基金の合計額は、05年度末の約23億円から、07年度末には約53億円(速報値)に増加。ただ、基金が多い団体は介護サービスの利用が見込みより伸びなかったことが考えられ、背景について検証する必要もありそうだ。 県によると、県内の65歳以上の平均保険料(基準額)は2000年度の月額2346円から過去2回にわたり大幅に引き上げられ、現行は3882円。昨年11月時点の試算では、来年度からの平均保険料はさらに240円増え、月額4122円程度になるとしている。』 . |
| 2008.12.24 | ☆前年度3.6%増の1兆7110億円-来年度老健局予算案 24日夜、キャリアブレイン→ 『厚生労働省老健局は12月24日、来年度の老人保健福祉関係予算案をまとめた。老人保健福祉関係予算(保健局、社会保険庁も含む)は2兆972億円(今年度当初予算比2.8%増)で、このうち老健局の計上は1兆7110億円(同3.6%増)。 内訳は、▽地域における介護基盤の整備(407億円)▽介護保険制度の円滑な運営(2兆416億円)▽認知症対策の総合的な推進(34億円)▽在宅療養の充実(3.2億円)▽介護給付適正化対策の推進(9.5億円)▽地域における人材の確保(2.6億円)―などとなっている。 「地域における介護基盤の整備」では、地域密着型サービス拠点などの整備推進や先進的な取組みを対象に助成する「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(ハード交付金)」に387億円(今年度当初予算比6.1%減)、地域密着型サービス等の導入に必要な設備やシステムに要する経費などを助成する「地域介護・福祉空間整備推進交付金(ソフト交付金)」に20億円(同39.4%減)を計上している。 「 介護保険制度の円滑な運営」の内訳は、「介護給付費負担金」1兆2384億円(同4.5%増)、「調整交付金」3480億円(同4.6%増)、「地域支援事業の着実な実施」740億円(同0.1%減)などとなっている。このほか、新規事業として介護予防事業の効果などを検証する「介護予防実態調査分析支援事業」に3.6億円、「介護における事故予防推進(仮称)研修事業」に0.4億円が充てられている。 「認知症対策の総合的な推進」では、新規事業として、地域包括支援センターに認知症連携担当者を配置し、医療との連携や認知症についての援助を行う「認知症対策連携強化事業」に9億円、「若年性認知症対策総合推進事業」に1.5億円、認知症患者や家族への電話相談などを行う「認知症対策普及・相談・支援事業」に7億円―などを計上している。 「在宅医療の充実」では、新規事業の「訪問看護支援事業」に3.2億円が示された。また、「地域における人材の確保」においては、新規事業として、高齢者が地域で事業や活動を行う上で中心となって活動する人材を育成する「高齢者地域活動推進者養成支援事業」に0.9億円などを計上している。』 . |
| 2008.12.21 | ☆【ゆうゆうLife】介護 訪問介護事業所 生き残りをかけて(下) 18日、産経新聞→ 『■サービス多様化で収支好転 訪問介護だけでは経営が苦しくても、デイサービスを始めるなどでサービスを多様化すれば、収支が好転する場合もあるようです。地域で困っている人を助けようと、さまざまな福祉サービスを展開してきた結果、訪問介護主体だった小さなNPO法人が、年間4億7000万円を生む社会福祉法人にまで成長したところも。成功の秘訣(ひけつ)を探ります。(清水麻子) 「 『ゆいさん』にはずいぶん助けられていますよ」 横浜市南区の自宅で、全身の関節がこわばって痛む全身性エリテマトーデスという難病と闘いながら、ダウン症の長女(30)を育てる主婦、飯田津夜子さん(64)は笑顔を見せた・・・」 ■以下 はこちら ■このシリーズの(中) はこちら ■このシリーズの(上) はこちら |
| 2008.12.19 | ☆新予防給付で「1800億円の費用削減効果も」-介護予防継続評価検討会 19日昼、キャリアブレイン→ 『厚生労働省は12月18日、「第5回介護予防継続的評価分析等検討会」(座長=辻一郎・東北大大学院教授)を開催した。委員からは新予防給付の費用対効果について、「1800億円規模の費用削減効果も期待できる」という見方が示された。 厚労省の継続的評価分析支援事業は、2006年度から介護予防(新予防給付・特定高齢者施策)の効果について調査を開始。現在83の市町村を対象に調査を行っており、そのデータを基に、「介護予防サービスを受けた高齢者の心身の状態や活動状況の変化」「介護予防の費用に対する効果」を分析している。調査は来年1月末に終了し、今年度末には最終取りまとめを行う。 今回の検討会では、介護予防の施策導入に伴う「費用対効果」と「属性等による介護予防効果の違い」についての資料が示された。 介護予防導入による費用対効果についての分析では、介護予防給付サービスを受ける「要支援1」と「要支援2」の各1000人の高齢者について1年間の追跡調査を行った上で、新予防給付導入前(2004年1月-12月)のレセプトデータと、導入後(07年1月-12月)に行われた継続的評価分析支援事業のデータを比較した。 介護予防給付サービスを受けた「要支援1」の高齢者1000人のうち、1年後に要介護度が悪化したのは234人で、導入前の「悪化した」389人から155人減少したと報告した。 予防給付の導入効果として、少なくとも約1億200万円(1人1年当たり約10万2000円)の費用が減少すると試算している。 また、介護予防給付サービスを受けた「要支援2」の高齢者1000人のうち、1年後に要介護度が悪化したのは67人で、導入前の250人に比べ183人減少したという。 予防給付の導入効果として、少なくとも約4億3500万円(1人1年当たり約43万5000円)の費用が減少するという。 この調査をまとめた大久保一郎委員(筑波大大学院教授)は、大ざっぱな試算だと前置きした上で、「仮に、83市町村の結果を単純に(全国的に)広げると、『要支援1』で300億円、『要支援2』で1500億円(合計1800億円)くらいの削減効果があるのでは。介護保険全体の3%弱にあたる」と述べた。 検討会では、「属性等による介護予防効果の違い」についての分析も示された。「若年であるほど維持・改善しやすい」「女性の方が維持・改善しやすい」「独居者は維持・改善しやすい」「普段の生活で役割がある者は維持・改善しやすい」などの傾向を指摘。筋力増強訓練と耐久性訓練は、マシンを使用するしないにかかわらず、効果が見られるとしている。』 . |
| 2008.12.19 | ☆人不足、年末年始ピンチ 訪問介護 17日、東京新聞→ 『自宅で暮らす高齢者や家族には、介護保険制度の訪問介護は安心のよりどころ。その必要性は一年三百六十五日変わらないが、年末年始は介護現場の人材不足が大きく影響する。緊急時の対応など確認しておきたい。 (飯田克志) 年末年始、訪問介護事業者でも休業するところは少なくない。「今月三十一日から一月四日までは休み。でも、独り暮らしで食事やトイレが一人でできない八人は、私を含め四人がサービスに入る」。川崎市内で活動する事業者のサービス提供責任者の女性は、実情をこう説明する。 介護を受けなければ生命にかかわる高齢者に限定。それぞれが一日三、四回の訪問が必要なため、介護も必要最低限にして、時間を短縮して対応する。 通常は、利用者約九十人をヘルパーら三十七人(うち正社員四人)で訪問介護する。ただ、ヘルパーの多くが家庭を持つ女性のため、年末年始は休みを希望。介護保険制度にはない、年末年始の手当も独自に支給するが、この女性は「九月ぐらいから『今年はお願い』と声を掛けて、何とか確保している」と話す。 東京都渋谷区を中心に訪問介護を実施するコスモスヘルパーステーションの遠藤幹江社長(66)は「私たちも生身の人間、休みは必要。でも、命の番人だから、年末年始は行きませんとは言えない」と話す。正社員が大半の同社は今月三十日から一月三日までを休みとしているが、介護が欠かせない利用者だけでなく、要介護度の低い高齢者も回数を減らすなどして介護する。 大手のジャパンケアサービス(豊島区)やニチイ学館(千代田区)は、通常通りにサービス提供する予定で、特別手当も支給する。ジャパンケアサービスは「パートの人が休む傾向があり、正社員中心のシフトにする」(経営企画室)。 高齢者と事業者をつなぐケアマネジャーも年末年始の手配で、担い手不足をあらためて痛感している。神奈川県内で勤務するケアマネジャーの男性(39)は「十月からショートステイとか、あの手この手を考えていて、申し訳ないけれど介護ができる家族がいる方は家族に頑張ってもらう。人の手当てがつかないときは私が行く」と苦しい選択をしている。 同県内の事業所で働く女性ケアマネジャーは「圧倒的にヘルパーが少ない。地域で見守りができればいいけれど、実際は難しい」。同県内の別の事業者の男性ケアマネジャーは「利用者も状況を知っていて、『ヘルパーさんいないでしょう。年末年始はいいわよ』と、遠慮される方もいる」と明かす。 非常勤のケアマネジャーでもある淑徳大学の結城康博准教授(社会保障論)は「高齢者が増えニーズが増加しているのに人手は不足。それが年末年始に露骨に出てくる。これは制度上の問題」と、介護従事者の待遇など一層の制度改善が不可欠と指摘する。 その上で、年末年始の緊急時の対応で利用者側の心構えもある。結城准教授は「ケアマネジャーにまず相談して、緊急連絡できるよう連絡先も再確認してください。事業者や地域の相談窓口の地域包括支援センターに『何かあったらお願いします』と事前に相談しておくのも手。以前、緊急対応として病院に入院させたこともある」とアドバイスする。』 . |
| 2008.12.15 | ☆《介護・医療危機》「究極の利用者本位」うたう小規模多機能ホームの苦闘 15日夕、東洋経済オンライン(週刊東洋経済)→ 『国立社会保障・人口問題研究所によれば、2025年の日本では、75歳以上の高齢者の単独世帯および夫婦のみの世帯が743万世帯に達すると予測されている。団塊世代の高齢化により、05年の368万世帯から倍増する計算だ。 その際、介護度が重くなった高齢者を特別養護老人ホームなどの施設で受け入れようとすると、いくら施設を造っても足りない。それならば、住み慣れた地域社会で受け止めていくべき――。 そんな発想から、06年の介護保険法改正で生まれたのが「地域密着型サービス」。その代表例が「小規模多機能型居宅介護」だ。改造した一般の住宅などを拠点に、訪問介護、多機能ホームへの通い、ホームでの泊まりの3サービスで高齢者および家族を支える仕組みだ。政府の社会保障国民会議のシミュレーションでは、小規模多機能介護については現在の1日当たり1万〜2万人程度の利用を、25年には60万人に増加させる必要があると書かれている。いわば、超高齢社会を乗り切るための切り札的存在なのである。厚生労働省には、小規模多機能介護を40万人ともいわれる特養ホーム待機者や療養病床の退院患者の受け皿にする思惑もあるようだ。 小規模多機能ホームを開設したのが、埼玉県新座市のNPO法人「暮らしネット・えん」(小島美里代表理事)。07年2月に民家を改装してオープン。現在、18人の高齢者が利用し、1日の通いは最多で12人、泊まりは5人まで。お年寄りは住み慣れたわが家を離れることなく、必要な介護を受けることができるのが最大のメリットだ。 介護報酬は定額払い 職員に過大な負担も 小規模多機能介護は「居宅サービスの理想型」ともいえる。通常の居宅サービスは、訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)など縦割り型だが、小規模多機能介護はすべてを網羅している。そのため、「高齢者や家族の状況をしっかり把握できる。利用者や家族にとっては、サービスの柔軟性が最大のメリットだ」(小島氏)。グループホームと比べて、ひと月の利用費が少なくて済むのも魅力だ。 特筆されるのは、小規模多機能介護に関する介護報酬の仕組みだ。三つのサービスに関して、利用時間や回数に制限がない一方、介護報酬は要介護度に応じて一定額(包括払い)になっている。家族の帰宅が突発的に遅くなった場合に高齢者の帰宅時間を遅らせたり、家族の休日出勤や冠婚葬祭時にも緊急で預かってくれる。また、深夜に徘徊で自宅を飛び出した認知症の高齢者を、職員が家族と一緒に探し回ったりもする。 だが、利用計画に基づくので歯止めがあるとはいえ、定額報酬で利用頻度を問わない仕組みは職員に過大な負担を強いるおそれもある。高齢者は利用限度がないために在宅生活を送ることができる反面、職員の負担は重くなりがちだ。 基準の緩さも問題だ。小規模多機能介護では、ヘルパーは通常の訪問介護サービスと異なり、無資格でも可能だ。ほとんどの職員が非常勤でもいい。そのため、職員の質が低くなる懸念も持たれている。一方で、利用者が多い要介護2〜3に関しては、グループホームと比べて介護報酬が低く設定されている。そうした中、赤字のホームが続出。早々と撤退した事業者も少なからずある。創設から3年目の現在、小規模多機能介護は早くも存続の岐路に立たされている。』 . |
| 2008.12.15 | ☆介護保険料、4月から値下げ 名古屋市、月200円程度 15日、中日新聞(夕刊)→ 『名古屋市は、65歳以上の高齢者から徴収する介護保険料を来年4月から、月200円程度引き下げる。要介護認定者数の伸びが、市の推計より鈍化したため。過去2度の改定(3年に一度)は大幅に増額しており、引き下げは2000年度の制度開始以来、初めて。 15日の市議会財政福祉委員会で市が明らかにした。来年2月の定例会に条例案を提出し具体額を決める。現行保険料は月額4398円だが、4100-4300円程度になる見込みだ。 全国でこれまで引き下げた自治体はなく、京都市や広島県福山市も引き下げる方針を示している。 市内の高齢者は約45万人いるが、このうち要介護認定者は7万1000人で、推計より1割程度少ない。介護予防事業の参加者も見込みより大幅に少なく現状は年間で20億円、高齢者1人当たり4500円、徴収しすぎの計算になる。4月からの介護報酬の3%引き上げなどを考慮しても市は十分に引き下げられると判断した。 保険料は、開始当初の2876円から改定のたび1割、4割とアップしている。』 . |
| 2008.12.14 | ☆ニッポン密着:茨城に移された東京の生活保護者 頼る介護、幸せどこに 14日、毎日新聞→ 『東京都内の自治体から生活保護費を受けながら、都外の有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅(高専賃)などで生活している要介護・支援の高齢者がいる。その数は約500人とされ、大半は都内で行き場がない人たちだ。そのうちの一人で、茨城県に住む男性を知った。 「到着して初めて、茨城に来たって知ったんだよ。いきさつは分からないんだ」。小野茂さん(仮名)は首をかしげた。60代。要介護度2。都内の入院先から06年秋、県内の有料老人ホームに入り、数カ月後、現在の介護施設に移った。 小野さんは、旧帝大法学部の出身で大学での講師や不動産会社で教育係などを務めたという経歴を「今はこんなになってしまったが」と前置きしながらも誇らしげに語った。連絡を取っていない2人の子供や親類のこと、離婚、内妻との死別のことも。施設職員は「言っていることは、どこまで本当か分からないですよ」と教えてくれた。 手元には1枚の家族写真すらなく、過去を振り返るものはない。亡き妻の衣類などもタンスごとすべて入居前に処分したという。「必要ないですから」と繰り返していた彼が、小さく折り畳んだ1枚の書類だけは大切にしていた。1回目に生活保護費を受け取る際、区役所から渡された「保護決定通知書」だった。 「いくら自分に支払われているか証明できるものはこれしかない。心配だから時々、役所に電話するがね」。確かなのは、小野さん名義の通帳には月々10万円が振り込まれ、入居費用を抜いて8000円の小遣いが手渡されていることだ。 ■ 茨城県土浦市のホテルで07年5月、介護事業会社「いっしん」(茨城県かすみがうら市)が新社屋完成の記念式典を開いた。出席者によると、数十人の女性介護スタッフが色とりどりの振り袖姿で来賓を出迎えた。手土産は高級ブランド・ティファニーのペアグラス。「にぎやかだった。主賓は東京都の自治体関係者だった」。ある介護施設経営者は、いっしんと東京都の自治体との関係を実感したという。 この経営者の施設に、いっしんから生活保護者が移って来た際、区役所から「支度金」を受け取った。「いっしんさんの紹介ですから(特別に)内緒ですよ」。区役所の担当者から、いっしんが以前に提出した請求書を「ひな型」として渡され、入所金、家賃、布団代、家具・什器(じゅうき)代を請求するよう勧められた。受け取った金額は約20万円。実態のない請求もあり「こういう仕組みがあるのか」と驚いた。 別の区の担当者は「施設も病院も受け入れてくれない生活保護者を守る必要がある」と受け入れ先確保の重要性を強調する。それに応えて業績を伸ばしたのがいっしんだった。茨城を中心に展開する計17施設の入居者の7割以上を都内からの生活保護者が占めている。毎日新聞が報じた高専賃への入居者あっせん問題の背景もここにある。 「東京に生活保護者を受け入れる施設がありますか。ほぼないですよ。将来的には終末のみとりまでできる施設まで見据えたい」 そう語っていた川島正行社長の言葉通り、茨城町にある共同墓地の一角に「いっしん」と記された墓がある。いっしんの施設で亡くなった後、引き取り手のなかった8人が一緒に眠っているという。 ■ 小野さんが茨城に来て最初にいたのがいっしんの有料老人ホームだった。「私にはよくしてくれた」と言う。現在も3食ベッド付き。「今の待遇に何も言える立場ではないが、いつまでここにいられるか分からない。ここ(頭)がはっきりとしなくなったら、生きた証しとして2人の子供に知らせてほしい。そうじゃないと(死んだ時)無縁仏になっちゃう」 大きめの音量に設定された施設のテレビで流れていた「水戸黄門」の再放送が終わり、入居者らが個室に引き揚げた大広間で、少し大げさに笑って見せた小野さんを夕日が包む。 行政と業者がつくった仕組みのはざまにあって、終(つい)のすみかを意識しながら息を潜めるように暮らす小野さんに「幸せですか」と尋ねた。 「苦痛だ。楽しみはない。その質問が一番つらい。幸せという結論は出せないし、不幸せとも言えない」 返ってきた激しい言葉は、自分自身にも向けられているようにみえた。』 . |
| 2008.12.14 | ☆来年度、初の減額 神戸市の介護保険料基準額 13日、神戸新聞→ 『神戸市は十二日、来年度から二〇一一年度までの六十五歳以上の介護保険料について、基準額を月額四千六百円台とする試算結果を明らかにした。現行の四千六百九十四円を下回る見通し。保険料は三年ごとに見直されるが、減額は初めて。 市内の高齢者は、介護保険制度が始まった二〇〇〇年度は約二十五万人だったが、今年十月末には約三十三万人に達した。要介護者も増え、サービス提供にかかる給付費も増加。二〇〇〇-〇二年度は千四百四十九億円だったが、〇六-〇八年度は二千四百四十一億円を見込み、〇九-一一年度は三千億円程度に膨らむ見通し。六十五歳以上の保険料も当初の月額三千百三十七円から大幅にアップしている。 介護現場の人材不足の解消を狙い、国は事業者に支払われる介護報酬の3%アップを見込む一方、保険料の上昇を防ぐため、全国ベースで千二百億円程度の特例交付金を予定。市はさらに、これまで積み上げた介護給付費準備基金約四十七億六千万円のうち半分程度を取り崩し、保険料の引き下げを図るという。 来年二月上旬に最終的な保険料案をまとめ、大学教授らでつくる市民福祉調査委員会介護保険専門分科会で審議し、市会定例会に提案する。』 . |
| 2008.12.12 | ☆介護保険、剰余金400億円超 都内自治体の08年度末 12日、日本経済新聞→ 『東京都内の区市町村が集めた介護保険料のうち、使い切れずに余った剰余金「介護給付費準備基金」が2008年度末時点で総額400億円規模に達することが11日分かった。06年4月に導入された新サービスの利用が低調で、事業者への支払い額が計画を下回るため。来年4月から保険料が見直されることになっているが、都は区市町村が準備基金を取り崩せば、09―11年度の保険料は06―08年度と同水準になるとみている。 介護保険は1割の自己負担のほか、国・都道府県・区市町村の負担分、65歳以上の人の保険料、40―64歳の人の保険料が財源。65歳以上の人の保険料が使い切れなければ、各区市町村が準備基金に積み立てる仕組みだ。 都によると、06年度末の都内の準備基金総額は約235億円。07年度と08年度も100億円規模で積み上がる見込みで、08年度末の基金総額が400億円を超えるのが確実な見通し。』 . |
| 2008.12.11 | ☆高齢者住宅:生活保護者受け入れ施設「都内は飽和状態」 11日、毎日新聞→ 『入居者集めに苦労する地方の高齢者専用賃貸住宅(高専賃)に、生活保護者のお年寄りを金銭であっせんする「ビジネス」の存在が明らかになった。背景には、東京都内では受け入れ先のない要介護者をどうするかという深刻な問題がある。都内の自治体から生活保護を受けながら都外で生活する人は、都の1月の調査で約500人。あっせんを持ちかけた介護事業会社「いっしん」(茨城県かすみがうら市)の川島正行社長は、「相手が助けてくれと言うんですから」と、行政との太いパイプを強調した。 「入居者で困っているようですね。1人30万円でどうですか」。今夏、水戸市で介護施設を併設した高専賃を運営する「ソウジン」に、いっしんの営業担当者と関連コンサルタント会社「ケアスター」(同県土浦市)の社員が一緒に顔を出した。 ソウジン関係者は「偶然ではない」と思った。数カ月前、介護用エレベーター改修工事の見積もりで、大手ゼネコンの下請けとして川島建設が来訪していた。いっしんは川島建設の関連会社で、両社のトップを川島社長が務める。 3億円ともいわれる投資がされた高専賃(25室)は、需要予測を誤り、空室が埋まらず赤字続きだった。入居者のあっせん契約を結ぶと、いっしんの営業担当から都内で介護を必要とする生活保護者のリストがファクスで流れてきた。2カ月足らずでほぼ満室になり、現在は川島建設が持ち掛けた増築計画が進む。 送り出す側も重い問題を抱える。墨田区の担当者は「生活保護者を受け入れてくれる施設は都内では飽和状態。施設も病院も受け入れてくれない。人権を守るため、複数の業者にお願いして入ってもらっている」と言う。 川島社長は取材に「グループホームをやっている時から、生活保護者を受けられないかという相談が(行政側から)たくさんあった。23区の社会福祉事務所とか、さまざまなところと信頼関係ができている」と話した。 ◇費用回収確実な「ビジネス」 介護施設付きの高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の運用会社が、あっせん料を支払って要介護の生活保護者を受け入れる理由は、生活保護者にかかわる保護費と介護報酬で、施設の賃料や介護費用などを確実に回収できるからだ。生活保護費と介護報酬の合計額は、1人当たり月40万円を超すケースもある。そこに「ビジネス」が生まれる。 前田雅英・首都大学東京法科大学院教授(刑法)は「あっせん料を払ったしわ寄せが、待遇などにはね返ってくる可能性もあり指弾されるべきビジネスだが、刑事事件として問うには法律を拡大解釈しなければならず無理がある」と指摘。新たな法律など、対応の必要性を強調する。 また、東京の別の業者からあっせんを持ちかけられたという証言もあり、こうした「ビジネス」が広がっている可能性は否定できない。生活保護者が意思に反して入居を強いられていないか、入居後に不当な待遇を受けていないか、チェック体制の強化は、行政の最低限の責務といえる。』 . |
| 2008.12.11 | ☆要介護者2万人突破 保険料、さらに値上げも 姫路 10日、神戸新聞→ 『姫路市内で介護保険の認定を受けた要介護者が、初めて二万人を突破し、二〇〇〇年の保険導入以降、二・三倍に増えたことが分かった。保険料は当初の一・六倍に値上げされ、県内の市町では五番目の高額。保険料は来年度が改定期で、さらに値上げされる可能性もあるという。(直江 純) 市介護保険課によると、〇〇年度末で八千七百七人だった要介護者数は、〇四年度に一万五千人を突破後、今年五月には二万人を超え十月末現在で二万四百八十八人になった。六十五歳以上の高齢者も一・四倍に増え要介護者が占める割合は11%から18%になった。 これに伴い、市が拠出した給付費も〇〇年度の約百五億四千二百万円に対し、〇七年度は約二百四十二億七千七百万円と二・三倍に。本年度は初めて二百五十億円を突破する見込みという。 保険料は、第一号被保険者(六十五歳以上)の基準月額が当初の二千九百四十円から〇四年度に三千四百七十円、〇六年度には四千五百八十円と値上げが繰り返され、県内では稲美町や尼崎市などに次ぎ五番目に高くなったという。 一方、厚生労働省は介護職員の待遇改善のため、来年度から3%の介護報酬引き上げを決定。一部は国が負担するが、同課は「前回よりは小幅になるが、保険料引き上げは避けられそうもない」といい、来年の三月市会で提案する新保険料の算定を急いでいる。』 . |
| 2008.12.11 | ☆福山市、介護保険料減額へ 広島 10日、讀賣新聞(広島)→ 『福山市の羽田皓市長は9日の市議会代表質疑で、市が65歳以上の市民から徴収している介護保険料について、2009年度から減額する方針を明らかにした。介護保険制度が始まった00年度以降、市が保険料を引き下げるのは初めて。減額幅などは、市社会福祉審議会などの意見を踏まえて決め、来年の3月議会に介護保険条例の改正案を提案する方針。 65歳以上の第1号被保険者の保険料は、各市町が3か年の事業計画を策定して決めている。福山市の保険料(基準額)は、第1期(00〜02年度)は月3183円だったが、第3期(06〜08年度)は月4642円まで上昇している。同市の被保険者数(8月1日現在)は、約9万9000人。 市は、要介護認定者数の伸びが鈍化しており、今後も介護サービス事業者に支払う給付費が抑えられると予想し、引き下げが可能と判断した。財源として、市が05年度以降に積み立てた介護給付費準備基金など約15億円を充てる。市介護保険課は「出来るだけ高齢者の負担を減らせるよう、努力したい」としている。」 . |
| 2008.12.09 | ☆介護保険、3800億円の黒字 予想より利用少なく 9日、朝日新聞→ 『全国の市区町村が運営する介護保険で08年度末までに、全国で約3800億円の黒字が見込まれることが9日明らかになった。サービスの利用が当初の見通しよりも少なく、集めた保険料が余ったため。来年4月に介護保険料が改定されるが、黒字分を財源に繰り入れる自治体では、保険料の引き上げが抑えられることになる。 厚生労働省が、自民党社会保障制度調査会介護委員会に暫定推計値として示した。黒字のうち約6割が財源に繰り入れられる見通しだという。65歳以上の人が払う保険料では、1人当たり月額約200円を引き下げるのに相当する。 厚労省が11月末に公表した中間集計では、来春以降の65歳以上の保険料は、全国平均で現在より月額約180円アップし、約4270円になる見込み。黒字を繰り入れるかは、各自治体が判断する。 』 . |
| 2008.12.09 | ☆介護保険財政、過去最大の黒字-東京23区など 9日夜、キャリアブレイン→ 『2006年度の介護保険法「改正」でサービスの給付抑制が強まり、東京都の特別区(23区)と26市では、介護保険特別会計の収支が過去最高の216億円の黒字だったことが、東京民主医療機関連合会(東京民医連)の調べで明らかになった。23区と26市では、同特別会計が2000年度の制度発足以降、黒字で推移しており、東京民医連では「介護サービス給付費の伸び止まりとともに黒字傾向が顕著になっている。必要なサービスが抑制されている表れであり、来年の介護保険法『改正』で、保険料を引き上げる必要はない」と強調している。 介護保険は、一般会計(普通会計)とは別に特別会計で運営されており、東京民医連は、都の62自治体のうち23区と26市の介護保険特別会計を調べた。その結果、23区について06年度の介護サービス給付費の予算と決算を比較すると、予算に対する執行率は平均92.7%で、当初予算と決算との差額は276億円だった。 また、23区と26市を合わせた2000年度から06年度までの収支を調べたところ、毎年黒字で推移し、特に06年度は、前年度(109億円)の2倍近い216億円の黒字だったことが分かった。東京民医連では「06年度の『改正』で介護保険料が25%引き上げられたにもかかわらず、介護サービス給付費の前年度比伸び率は1%増にすぎず、介護保険の利用の伸びが頭打ちとなっている。黒字はサービスの給付抑制の結果であり、保険料を上げなくても介護サービスを充実させることが可能」と指摘している。 各自治体では、介護保険事業の費用に不足が生じた場合に備え、「介護保険給付費準備基金」を設けているが、同基金は06年度で、23区が176億円、26市が56億円の計232億円の残高があることも分かった。また、自治体の介護保険特別会計の財政が悪化したときに、都が交付したり貸し付けたりする目的で積み立てている「東京都介護保険財政安定化基金」については、2000年度の59億円から06年度には214億円に増え、08年度は233億円になると見込まれている。 こうした結果を踏まえ、東京民医連では「国は財政面から、利用者へのサービス給付を抑制し、費用負担を増やすなどの『改正』を進めてきた。国は『制度の持続困難』をその根拠としているが、介護保険財政はそれほど逼迫(ひっぱく)していない。社会問題化している“介護崩壊”を解決するためには、介護報酬を引き上げ、介護職員の給与を上げる。また、介護事業所への補助や基盤整備の拡充などが欠かせない。その財政的根拠はある」と訴えている。 東京民医連の調査の詳細は、パンフレット「よくわかる東京(区市版)介護保険財政」参照。問い合わせは、東京民医連03(5978)2741。 【介護サービス給付費】 訪問介護や通所介護、特別養護老人ホームへの入所、福祉用具の貸与など、介護保険のサービスを行った事業所に対し、自治体が支払った費用。介護保険では、サービスの1割を利用者が負担するため、9割が介護サービス給付費となる。』 . |
| 2008.12.08 | ☆処遇改善と重要性訴え大会―日本介護支援専門員協会 8日午後、キャリアブレイン→ 『日本介護支援専門員協会は12月7日、東京都内で「第3回日本介護支援専門員協会全国大会in東京」を開いた。来年の介護報酬改定に向けた議論が大詰めを迎える中、介護支援専門員の処遇改善の必要性やケアマネジメントの重要性などを訴えることが目的。会場には300人以上の介護支援専門員が集った。 大会ではまず、同協会の木村隆次会長があいさつ。「今大会は、介護報酬改定に向けて結集し、自分たちの要望を伝える最後のチャンス。1単位でも多い報酬を勝ち取りたい」と意気込んだ。また会場には、今月3日設立された「日本ケアマネジメント推進議員連盟」の発起人である鴨下一郎参議院議員(自民党)のほか、社民党の福島みずほ党首らも駆け付け、祝辞を述べた。 続いて厚生労働省老健局の土生栄二振興課長が「介護報酬の行方」をテーマに講演。「居宅介護支援事業所が非常に厳しい経営状態にある」「特定事業所加算も取りにくい」などの問題点を指摘した上で、3日に開かれた介護給付費分科会で厚労省が出した「介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)」を紹介し、介護支援専門員にかかわる内容について解説。 ▽ケアマネ一人当たりの担当件数が40件以上となる場合、すべての件数に適用される現在の逓減制について、超過部分にのみ適用される仕組みに見直す▽特定事業所加算について、実態に即して段階的に評価する仕組みに見直す▽医療と介護の連携強化を図るため、入院時や退院・退所時に、病院などと利用者に関する情報共有などを行う際の評価を導入する▽ケアマネジメントを行う際、特に手間を要する認知症高齢者や独居高齢者に対する支援などについて報酬上での評価を行う―などの方向性を説明した。 シンポジウムでは、「安心な暮らしを支えるケアマネジメントの確立のために―介護支援専門員にかかる評価の行方」をテーマに、木村会長、全国老人保健施設協会の川合秀治会長、全国老人クラブ連合会事務局長の齊藤秀樹常任理事など5人が発言した。 川合会長は、「介護支援専門員は利用者の話を『聴く』ことが大切」と強調。「ケアプランは聴いたことの結果に過ぎない。利用者の話をすべてきちんと聴き、利用者のニーズを的確に把握したら、提供するサービスはみんな違ってくるはずだ。画一的なサービスにならないようにしてほしい」と述べた。齋藤常任理事も、「『危ない橋を渡らないように』と意識すると、サービスがパッケージ型になりかねない。苦しいことかもしれないが、介護支援専門員には、専門性を駆使して利用者本位のサービス提供を目指してほしい」と述べた。 さらに、介護支援専門員に求められる「独立性」を指摘する意見も出た。川合会長は参加者に対し、「事業所の母体となる施設に利用者を回していないか」と問いかけ、「利用者のサポートは、施設完結、法人完結ではなく、地域完結にならないといけない」と指摘。また齋藤常任理事は、「ケアマネが中立的な活動をするには、『独立』することが大切」とした上で、「この独立性が、今回の介護報酬改定で完全に担保されるとは思わないが、たとえ半歩でも、あるべき姿には近づいた」と語った。 木村会長は、「ケアマネには薬剤師出身、看護師出身、介護職出身などいろいろあるが、『元職(もとしょく)』にこだわって派閥を作っていては話にならない。介護支援専門員という、ケアマネジメントのプロの職能集団として認めてもらえるよう、一枚岩になっていくことが重要」と指摘。さらに、「現状では、介護支援専門員一人一人が、きちんと施設の経営者などに対し、処遇改善やケアマネジメントのプロとしての評価、適切な人員配置などを求めていくことができているとは言えない」として、「現状を変えるには、現場からの発信が必要」と訴えた。』 . |
| 2008.12.08 | ☆介護保険制度「改善」求め集会 安曇野で600人参加/長野 8日、信濃毎日新聞→ 『介護保険制度の改善を求める「県民集会」が7日、安曇野市内で開かれた。県医労連などでつくる実行委員会が主催し、(長野)県内の介護福祉関係者、サービス利用者ら約600人が参加。パネル討論などがあり、ヘルパーやケアマネジャーが厳しい運営や労働の実態を報告した。 パネリストを務めた伊那市の春日晋治さんは、中立の立場でケアマネジャーの仕事をしようと他のサービス事業所から独立し、2003年に介護支援センターを設立。スタッフ7人のうちパートが6人を占めている現状を説明し、「そうしないと単独の支援事業所は経営が難しい」と指摘した。 諏訪郡下諏訪町でヘルパーをしている百瀬夏美さんは現場の慢性的な人員不足に触れ、「快適で安心、安全なサービスを提供できているか不安だ」と訴えた。 集会では、09年度に介護報酬を3%引き上げるとしている政府方針について、過去2回連続で引き下げたことを念頭に、5%以上の引き上げを求めるアピール文も採択した。』 . |
| 2008.12.03 | ☆認知症の治療拠点、整備進まず 今年度指定、目標のわずか8% 2日、日本経済新聞→ 『厚生労働省が認知症治療の拠点として今年度中に150カ所の整備を目指す「認知症疾患医療センター」の指定が13カ所にとどまる見通しであることが1日、同省の調査で分かった。人材確保難や財政難のほか、同省が昨年度に前身となる事業の補助金を打ち切ったことも一因で、目標達成は事実上不可能な状態になっている。 同センターは認知症を早期に確定診断し、適切な専門医療を提供するほか、普及啓発や相談事業も担う。専門医、精神保健福祉士の配置や検査体制の整備などの指定要件があり、都道府県と政令市が指定する。』 . |
| 2008.11.26 | ☆介護施設で老いを考えた:/18 老人病院/2 /宮崎 26日、毎日新聞(宮崎)→ 『◇日常生活と、月々にかかる費用 老人病院の日常をのぞいて見よう。 183床ある宮崎市高岡町の辰元病院では、医師が5人、看護職員約60人、介護職員約60人が働く。 病室は重症患者向けの個室のほか、4人、3人部屋がある。うち3人部屋が最も多い。 食事時間は午前8時、正午、午後6時で、隣接する特別養護老人ホーム(特養)と同じだ。車いすに乗れる元気な患者は食堂で会食する。寝たきりの患者たちは自室で電動ベッドを起こして食べる。患者のそしゃく力によって普通食からペースト食までの段階がある点も特養と同じである。 ただし体力維持に必要な栄養量摂取を重視する特養と違って、食べられない患者への対応はゆるやかなようだ。病院は「患者の死」まで想定したうえで運営している。食べられなければ衰弱は進むが、特養と比べると食事を強くは勧めていない、という印象を受けた。渡辺静(しずか)・介護課長(62)はこう語る。 「もちろん極力食べてもらうよう工夫はしますが、無理に食べさせると後がこわい。皮膚の疾患や発熱など、体調の悪化という形で現れてきます。体調をみながら勧める、という感じですね」 特養と同様、ここでも入院者にとっては3回の食事が一日の最大のイベントだ。介護職員たちは「これは朝食ですよ」などと患者に声をかけながら配ぜんしていく。食事は患者と心を通わせる絶好の機会である。リハビリやレクリエーションに力を入れる介護施設と比べると、入院生活は単調になりがちだ。 寝たきりになると、今が朝なのか、夕方なのか、区別がつきにくくなってしまう。だから「声かけ」で入院者の脳を刺激する。外界からのどんな刺激にも、何の反応も示さない患者も多い。それでも職員たちは欠かさず声かけをしていく。 フロは、特養と同じく職員の介助によって最低でも週2回は入れる。中には自力で入れる患者もおり、毎日入るフロ好きの患者もいる。 入院費用は、医療保険で入る医療型病床と、介護保険で入る介護型病床とで異なる。介護型病床は、治療費を含む生活費が最低でも月5万円程度になる。他の介護施設と比較すると、最も重い要介護度5の人の場合、特養より月7000円程度高い。病院はほかに洗濯代が月5000円必要なため特養より月に計12000円程度高くなる。 介護型病床に長期入院するか、特養に入所するか、その線引きはどうなっているのか--。 一般論としては、治療が必要な高齢者は病院へ、そうでない高齢者は特養へ振り分けられる。 ただ、特養は人気が高く、ベッドが空くのを待たされることが多い。まず老人病院へ入院し、特養の空床を待つケースも少なくない。』 . |
| 2008.11.26 | ☆【ゆうゆうLife】介護 特養で看取るには(中)「いつでも呼んで」に安心感 25日、産経新聞→ 『特別養護老人ホーム(特養)で入居者を看取るには、医師がいつでも診察に応じる態勢が必要。しかし、現実には、“特養の医師”である嘱託医が緊急時に対応できなかったり、嘱託医でない医師が診療しても、見合う報酬が期待できないなど、難しいのが現状です。嘱託医との関係を新たに模索する特養も出ています。(佐久間修志) 「この診療所で嘱託医を引き受けてほしい」。平成18年。日差しが強まる初夏の昼、栃木県都賀町にある特養「ひまわり」の佐々木剛施設長は、栃木市の在宅医、太田秀樹医師を訪ね、切り出した。 「分かりました」。太田医師は即答した。「本気で看取りをやりたいんですね。できる限り、協力します」 ホームは15年に一時期、看取りを進めた経験があるが、「看護師や介護職の頑張りに支えられた不安定な看取りだった」(佐々木施設長)。夜間・休日は嘱託医を呼べず、医務室長の看護師が何度も夜間に出動した。 その看護師が過労で退職すると、看取りはできなくなった。以後、胃ろうなど医療措置が必要な入所希望者は断っていた。「スタッフの負担は減ったが、地域の期待に応えられない施設でいいのか」。葛藤(かっとう)は続いた。 転機は18年の介護保険制度改正。特養の役割に「重度化への対応」が掲げられた。「やはり、特養は介護で困った住民の要望に応じられる“駆け込み寺”でなくては」。夜間の態勢を整えるべく、これまでの嘱託医と契約を打ち切り、後任として在宅医療に定評のある太田医師の在宅療養支援診療所に白羽の矢を立てた。 それから2年。ホームでの看取りを希望した人は全員、ホームで最期を迎えた。昨年10月にホームで父親を看取った地元の男性(53)は「父の状態の変化に対し、常に処置を考えてくれた。最期は看護師も一晩中付き添ってくれた」と感謝を口にする。 がんで痛みのケアなどが必要なケースはまだない。ただ、「嘱託医を引き受けてもらった太田先生からは、必要ならいつでも呼んでくださいと言ってもらえる」(佐々木施設長)のが強み。「ここで看取られたいという家族の要望に、今は自信を持って『任せてください』と言えます」。スタッフは胸を張って答えた。 嘱託医以外の診療にカベ 特養では原則、嘱託医が診療する。嘱託医へは、介護報酬の一部が、施設から定額で支払われ、額は「年間約数百万円」ともいわれる。 だが、「嘱託医は高齢の医師が多く、呼び出されることに消極的」(都内の在宅医)。施設側も「地域の名士ともいえる嘱託医に、24時間対応をお願いしづらい」と及び腰だ。 しかし、施設が嘱託医以外の医師に診察などを頼もうとすると、対価がハードルになる。厚生労働省が「(外部の医師は)緊急の場合または、患者の疾病が嘱託医の専門外であるため、特に診察を必要とする場合を除き、みだりに診療を行ってはならない」としているからだ。 「緊急」や「特に診療が必要」な場合は往診料を取れる。しかし、その際も、末期がん患者については一部認められるものの、各種の指導・管理料は算定できない。「本来、嘱託医が行うべき仕事」とみなされるからだ。 医療経営コンサルタントの秋元聡氏は「診療報酬は、診察の手技料などより、指導・管理料のウエートが高い。ここを制限されると、医師の利益は少ない。加えて、看取り期に往診しても、できる医療的措置は限られる。(外部の)医師は割に合わないと感じるのでは」と話す。 施設にすれば、結果、夜間や休日に入所者の容体が急変すると、呼べる医師はおらず、入所者を病院に搬送することになる。 三菱総合研究所の調査では、「夜間でも嘱託医に訪問してもらえる」特養は29%。夜間・急変時に「(嘱託医ではない)協力病院に連絡する」は6割に上った(複数回答)。 しかし、筑波大学の飯島節教授は「将来的に特養での看取りは増やさざるを得ない」と予測する。入所者の要介護度は上がっている。看取りを行う特養は増えてきており、厚労省は18年、施設への「看取り介護加算」を新設した。施設が看護職員と連携し、本人や家族の同意を得て計画的に看取りまで介護した場合、30日を上限に介護報酬を上乗せする。現在、特養の約3割が算定している。 ただ、飯島教授は「看取りは過大な現場の負担に支えられている。報酬ではなく、特養の施設基準や嘱託医のあり方など、抜本的な見直しが必要だ」と話している。』 . |
| 2008.11.24 | ☆記者の眼 『東京は豊か』は本当か 介護の現場 24日、東京新聞→ 『人・物・金が集中する東京。だが、都内で高齢者介護の現場を取材すると、暗たんたる気持ちになる。東京って本当に豊かなのだろうか? ■介護の世界の逆格差 「東京のお年寄りは、かわいそうですよ」 東京都墨田区にある特別養護老人ホームの施設長が訴える。事業主の社会福祉法人は静岡県や長野県でも特養を運営しているが、同じグループ内でも食事の質はまったく違うのだという。「地方ではデザートに新鮮なフルーツを出しているのに、うちは缶詰の果物。おかずも冷凍食品が中心です」 なぜ、そんな差が出るのか。施設長が説明する。「東京は調理師の人件費や食材の価格が高いのに、介護保険で定められた食費の基準額は全国一律。人件費を削れないので、食材の質を落とすしかないんです」 東京のお年寄りは、行き場だって限られている。 例えば、認知症の高齢者が少人数で共同生活するグループホーム。都内には二百七十二カ所あるが、定員数は六十五歳以上の人口一千人当たり一・五九人という“狭き門”だ。全国平均は五・一七人。青森県や長崎県は十三人を超え、人件費や地価の高さが壁となり整備が進まない東京とは大きな開きがある。 介護の現場が、地方よりも東京の方がひどい状況にあるのは、今や常識になりつつある。東京の業界では「逆格差」と呼ばれている。 ■一極集中の固定観念 「われわれは数年前から、逆格差の実態を訴え続けていた。だが、東京はなんでも豊かなはずだという固定観念があるせいか、マスコミも政治家もほとんど関心を持ってくれなかった」そう語るのは、東京都世田谷区にある特養「博水の郷」の田中雅英施設長。 介護施設の人件費や事業費の原資は、国が額を定める介護報酬。その報酬額の改定に向けた論議が、厚生労働省の審議会で進んでいる。田中施設長は「最近になって、ようやくマスコミがこの問題に目を向けるようになってきた。国も、われわれの主張を無視できなくなっている」と言う。 ■足元に目線を スコミの情報が東京発に偏る現状を指して、「報道の一極集中」と指摘する声は強い。だが、永田町や霞が関、大企業などが情報源の全国ニュースが大半で、地域に根ざしたローカルニュースは意外に少ない。情報が錯綜(さくそう)し集中する首都で取材をしていると、つい全国ニュースに目を奪われがちになる。だが、上への目線ばかりでニュースを追っていると、足元で起きている出来事を見過ごすことにもなりかねない。』 . |
| 2008.11.21 | ☆京都市:介護保険料、来年4月から3年間引き下げ 改正案提出へ--市長表明 /京都 21日、毎日新聞(京都)→ 『京都市の門川大作市長は20日、介護保険料(65歳以上)を来年4月から3年間引き下げることを明らかにした。市によると、引き下げは00年度の制度導入以来初めて。同日の11月市議会一般質問で、寺田一博議員(自民)の質問に答えた。 市によると、06〜08年度の保険給付の見込みが当初予測を下回り、市が積み立てていた介護給付費準備基金約32億円を活用するため。基準額(第4段階)の場合、現行の月額4760円から約4500円になる。来年2月市議会に「市介護保険条例」の改正案を提出するという。 門川市長は「経済状況の悪化や物価上昇が生じている中では、介護保険料の増加は避けるべきだ」と答弁した。』 . |
| 2008.11.20 | ☆フリーターを介護職員に 厚労省、雇用事業者に助成金 20日、日本経済新聞→ 『厚生労働省は2009年度にも年長のフリーターを介護職員として雇用した介護事業者への助成制度を始める。25歳以上40歳未満のフリーターが対象で、1人当たり年100万円を1回助成する。就職環境の厳しい年長のフリーターを人材の不足する介護分野に誘導する狙い。19日午前に開かれた自民党の雇用・生活調査会で報告した。 助成金は採用6カ月後に50万円、その6カ月後に50万円を支給する。介護事業者ごとに最大3人までを助成対象とする。 厚労省は12月から、介護事業者が介護業務の経験のない人を採用した場合に年50万円を支給する制度を始める計画。この制度とは別に、年長のフリーターを対象にした助成策を設けることにした。』 . |
| 2008.11.20 | ☆介護・福祉に抜本的な対策を 施設長アンケート 20日午前、キャリアブレイン→ 『安心して豊かな老後を過ごせる福祉社会に向け、公的な「介護保障制度」を発展させてほしい-。全国の老人ホーム施設長の95%超が「経営状況が厳しい」と答えた「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会(略称「21・老福連」)」の「全国老人ホーム施設長アンケート」。1712人の施設長からは、「このままでは施設が崩壊する」「介護・福祉を支えるために抜本的な対策を」など、介護保険制度をめぐる多様な意見が寄せられた。 アンケートでは、「経営が大変厳しい」と「厳しいが何とかやっている」が全体の95%超に上った。具体的には、「2003年と06年の2回の介護報酬マイナス改定で、施設は疲弊した。今年度は収支がぎりぎりのため、『昇給凍結措置』を取っている」(新潟県)、「働く人が誇りを持てない介護現場で、良いケアを提供することはできない。来年度の改定では、これからの高齢者介護の在り方を踏まえ、真剣に検討してほしい」(北海道)、「このままでは、何年か先の施設閉鎖が目に見えている」(愛知県)など、経営困難を訴える声が相次いだ。 また、介護報酬については、「賃金が低く、特に男性は経験を積んでも家族を養えないと辞めてしまう」(熊本県)、「利用者の尊厳を守るには、安心して働ける処遇が必要で、それに見合う介護報酬であるべき」(北海道)、「介護報酬が現場の実態に合わず、職員の犠牲で運営している。自転車操業の状態」(新潟県)など、職員の生活を保障できる介護報酬を求める意見が多数に上った。 さらに、職員の離職率が高く人手不足が深刻になっていることについては、「情熱と希望を持って飛び込んできた世界なのに、ある者は『燃え尽き』、ある者は『不安を抱えて』去っていく。さまざまな方法で募集しているが、応募はなく、残った職員の負担が大きくなるばかり。最終的な被害者はホームの利用者となる」(東京都)、「応募がなく、職員は月6-7回の夜勤に入り、疲労がピークになりつつある。自分の施設だけではなく、全体で若い人が意欲を持てる待遇などを保障できる制度にしなければならない」(兵庫県)など、職員が働き続けられる労働条件の整備が不可欠との声が多かった。 このほか、自由意見では、「制度は本来、家族介護の負担を軽減する『介護の社会化』を目指したものでありながら、理念からずれており、怒りを感じる。発足以来、極端な『市場原理』と、形だけの介護予防を導入した制度の改定は、国の“失策”だ」(山形県)、「考えるのも嫌になってしまうほど国民や高齢者を無視した制度。業界は明日の夢を描くことをあきらめなくてはならないのか。国の意見のみに振り回されるのは、もういや」(東京都)など、厳しい指摘が目立っている。』 . |
| ☆老人ホーム“経営困難”が95%超 施設長アンケート 20日午前、キャリアブレイン→ 『介護保険制度が2000年に発足して以降、二度にわたる介護報酬のマイナス改定で、全国の老人ホーム施設長の95%超が“経営困難”を訴えていることが、「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会(略称「21・老福連」)」が実施した「全国老人ホーム施設長アンケート」で明らかになった。「21・老福連」では、「このままでは何年か先に経営が立ち行かなくなる、という施設が急増している。同制度の発足以降、三度目となる介護報酬改定を来年に控えた今の時期に、日本の高齢者福祉の今後について真剣な国民的議論が必要だ」と、同制度の在り方を根本から問い直すことを求めている。 アンケートは、全国の特別養護老人ホームと養護老人ホームの施設長を対象に行い、1712人から回答があった。 介護報酬が03年改定でマイナス2.3%、06年改定でマイナス2.4%と、連続してマイナス改定となったことについて、「経営が大変厳しいと感じている」が1049人(61.3%)、「厳しいが何とかやっている」が590人(34.5%)と、95%超の施設長が経営状況を厳しいと感じていることが明らかになった。「21・老福連」では、「『何とかやっている』としても、人件費の削減や抑制、正職員の非常勤化でしのいでいるのではないか。先が見えない施設経営に不安を募らせる施設長が多い」と危惧している。 介護報酬の改定については、「職員にまともな給与・賃金を保障できるよう介護報酬を引き上げること」について、1622人(94.7%)が「賛成」しており、「21・老福連」では、「職員に『未来がない』『人生設計に展望を持てない』と語らせる介護報酬を是正しなければならない。“官製ワーキングプア”をつくっているとしか言いようがない現状を早急に打開すべき」と指摘している。 また、利用負担に関しては、「介護給付引き上げを利用者及び保険料負担の増としない対策を講じるべきか」との問いに、1230人(71.8%)が「賛成」と答えた。現行の制度では、介護給付が増えると保険料に跳ね返る“仕組み”になっていることから、「21・老福連」では、「同制度への移行で国と自治体の負担率が半減した。これを元に戻せば、保険料をかなり下げることができる」として、介護給付の引き上げが利用者の負担増にならないようにすることを求めている。 離職者が相次ぎ、人手不足が深刻になっている理由として、「給与・賃金が低い」との回答が1494人(87.3%)に上った。「職員確保の現状と今後の見通し」では、「今は何とか職員を確保できているが、大変不安が大きい」が1171人(68.4%)のほか、「既に職員不足のため、減算や定員の一部閉鎖(ショートを含む)を余儀なくされている」が53人(3.1%)、「このままでは、2-3年の間に減算や定員の一部閉鎖が危惧される」が220人(12.9%)だった。「特に問題はない」は15人(0.9%)にすぎなかった。 これらの結果を踏まえ、「21・老福連」では、「改定の度に大きく変わる制度、重くなるばかりの利用者負担と厳しい経営に、施設長の戸惑いや怒りが広がっており、誰もが安心して老いることができる老人福祉が求められている。老人福祉を再生し、『公的介護保障制度』を確立すべき」などと訴えている。』 . |
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| 2008.11.18 | ☆老人ホームの緊急点検を指示 仙台の事件を受け総務省消防庁 18日、NHK→ 『今月13日、仙台市の老人ホームで入所していたお年寄りなど33人が重軽傷を負った火災で、総務省消防庁は、避難経路に煙が流れ込んだために多くのけが人が出たとみて全国の消防に同じような施設の緊急点検を行い、防火対策を徹底するよう指示しました。 今月13日、仙台市若林区の老人ホームの部屋から火が出て、入所者や従業員あわせて33人が煙を吸うなどして重軽傷を負いました。この火災では焼損面積の大きさの割に多くのけが人が出ており、総務省消防庁は、避難に使う通路や階段に火元の部屋から煙が流れ込んだことが原因とみています。 このため、総務省消防庁は、全国の消防に同じような老人福祉施設で火災が起きた際に煙がほかの区域に流れ出さないよう、防火扉や排煙設備がきちんと作動するかどうかなどを緊急に点検するよう指示しました。また、夜間に火災が起きた際にスムーズに避難誘導ができるよう、施設の関係者に対して訓練を徹底するよう指導を強めていくことにしています。』 . |
| 2008.11.18 | ☆介護保険の赤字出ず、基金積み立てを中止 兵庫県 18日、神戸新聞→ 『市町の介護保険会計の赤字を補てんするため、兵庫県が設けている「財政安定化基金」について、市町への貸し付け、交付の実績が二〇〇六年度以降ないため、県は新年度から三年間、基金への積み立てはしないことを決めた。基金残高は本年度末に百二十四億円余りに達する見込み。(森本尚樹) 同基金は、兵庫だけでなく、全国の都道府県が設置、運営。国、都道府県、市町村が三分の一ずつ負担している。兵庫と同様の「超過積み立て」が全国で起きており、厚生労働省は超過分を市町などに返還できるように、制度改正の検討を進めている。 同基金は、三年の事業計画期ごとに国の「標準拠出率」に基づいて積立額を決めている。 兵庫では第一期(二〇〇〇-〇二年度)で毎年二十七億八千五百万円、第二期(〇三-〇五年度)で同六億六千三百万円、第三期(〇六-〇八年度)で同八億千百万円を積み立ててきた。 一方で、交付、貸し付けは第一期で六億五千万円、第二期は三十四億三千九百万円に上ったが、第三期は皆無。県高齢社会課は「見込んでいたほどサービス利用が増えなかったため、各市町とも赤字を免れているのではないか」とみている。 貸し付けが低調なまま残高が増え続ける傾向は全国でみられ、会計検査院は今年五月、厚生労働省に自治体の裁量で基金の規模を縮小できるように、制度改善を求めた。 同省は八月、都道府県の担当者に十分な残高があれば新たな積み立てをしなくてもよい旨を伝える一方、需要を超えた積み立てについて、都道府県の判断で国、県、市町に返還できるよう検討。 当面の積み立て中止で、市町の負担分はわずかながら保険料軽減につながるほか、県の負担分もほかの事業に回せる。ただ、基金を返還できるようになった場合も、同課は「赤字に備える基金なので、(実際に返還するかどうかは)慎重に判断したい」としている。』 . |
| 2008.11.17 | ☆介護保険料の剰余金32億円に 京都市 06-08年度見通し 17日、京都新聞→ 『京都市が65歳以上の高齢者から徴収する介護保険料の剰余金が、2006年度から本年度まで3年間で32億円に達する見通しであることが16日、分かった。サービス利用が当初見込みを大幅に下回ったためだ。保険料は来年度に改定期を迎えるが、市は現行の月額4760円と同額程度に据え置くことを含め検討していく。 介護保険制度が始まった00年度から3年ごとの改定期別にみると、02年度までの第1期と05年度までの第2期の収支はいずれも赤字だった。 しかし、今期(06-08年度)は、実績に応じて事業者に支払った介護給付費が計画の2508億円を165億円も下回り、国や市などの公費や64歳以下の保険料を差し引いた剰余金が32億円に上った。 剰余金が生じた理由について、市は「介護サービスの利用実績が計画を下回ったため」と説明している。 サービス利用が低調だった背景には、国による給付費の抑制策がある。05年10月から介護施設の食費や居住費を全額自己負担とし、06年度から要介護度の低い人の家事援助の利用を制限した。 市は「過徴収」となった32億円を市の介護給付費準備基金に積み立てる方針だが、保険料負担の軽減のために基金を取り崩すかどうかは未定という。 ただ、政府与党は介護職員の待遇改善を図るため、来年度から介護報酬を引き上げる方針を固めている。給付費の増加も予想され、市でも今後保険料アップが議論される可能性がある。 市保険料は全国平均より月額約700円高く、介護サービスを受けている中京区の男性(71)が「保険料が高すぎる。少しでも抑えられるのなら抑えてほしい」と訴えるように、剰余金を使った保険料負担の軽減を求める声も出ている。』 . |
| 2008.11.16 | ☆介護事業所:半数がパート職員 収入低い、要員不足も--四日市、調査結果 /三重 14日、毎日新聞(三重)→ 『四日市市議会は、市内にある81介護サービス事業所の実態調査を行い、13日開催の教育民生委員会で結果を公表した。従事者の半数余りがパートで、低賃金で休日もあまり取れない厳しい実態が浮き彫りになった。 調査は、介護従事者の約半数515人と事業者81人を対象に、今年10月28日〜11月10日までアンケート形式で行った。回収率は従事者47・8%、事業者55・6%だった。 回答した45事業所は、正職員が48・7%で、半数余りを常勤・非常勤パートが占めた。月額賃金は15万〜20万円が最も多く、41・5%を占め、最も多い希望賃金25万〜30万円(30・1%)より10万円低かった。仕事上の悩みや不満などの設問(複数回答)では、「給与等収入が低い」が69・1%とトップで、「有給休暇を取りにくい」が50%で続いた。 07年度中の離職者数は197人を数えた。要員不足を訴える事業者は84・5%を占めた。事業者が困っていること(複数回答)は、「報酬が低い」(84%)が最も高く、「マンパワー不足」「(事業に)規制が多い」「経費がかかりすぎる」が半数を超えた。 委員会は今後調査をさらに分析し、必要な支援策や国への制度改革を意見書にまとめる方針。』 . |
| 2008.11.13 | ☆介護士候補生に40万円融資 入学時と卒業時、無利子で 13日、共同通信→ 『厚生労働省は、高齢者や障害者を介護する国家資格の介護福祉士を目指す学生が、大学や専修学校などへの入学時と、卒業後に福祉施設で働く際に、それぞれ準備金として20万円、計40万円を無利子で貸し付けるなどの支援策に乗り出す。 2009年度から11年度の入学者までが対象。都道府県が行う「介護福祉士等修学資金貸付制度」に原資を国が全額交付する仕組みで、準備金とは別に、在学中は月5万円を限度に無利子融資の取り組みも行う。 返還について卒業後、資金を貸した都道府県内の福祉施設で5年間働くことを条件に、返還を全額免除する方向で検討している。 同省によると、貸し付け事業規模は300億円程度を見込んでいるという。 こうした支援策は、現在は神奈川県など15都道県でも国の財政支援を受けて(1)月3万6000円を限度に無利子融資(2)7年間働くことを条件に返済免除-といった内容で実施している。今後、これらの都道県は、国の新たな支援策に沿って学生への援助を続けることができる。 介護福祉士は、離職者が相次ぐなど人材難に直面。全国の専修学校などの定員に占める入学者の割合は、08年度に45・8%と半分を下回り、定員割れが深刻化。学生の負担を減らして学びやすい環境を整え、人材確保につなげる狙い。 貸し付け事業は、日常生活を営むのに支障がある高齢者や障害者らの相談や援助などを行う国家資格である社会福祉士を目指す学生についても同様に行う。』 . |
| 2008.11.13 | ☆介護施設で老いを考えた:/15 特養ホーム/6 /宮崎 13日、毎日新聞(宮崎)→ 『◇認知症と寝たきり、どちらがましか 「もし神様から『長生きさせてやる代わりに、寝たきりか認知症のどちらかを選べ』と言われたらどちらを選びますか」 これまで取材で出会った介護職員に私はこんな質問を繰り返してきた。 この問いは、介護現場について多くの著作のある三好春樹氏の本に登場する。そして大多数の介護職員は「私は認知症の方がいい」と答える。 宮崎市高岡町の特別養護老人ホーム「裕生園」の甲斐ミツ子介護主任(61)も同じだった。「認知症の方が本人の苦しみは少ないように思えるんです。不安から取り乱したり、異常な行動もあります。しかし子供のように純粋な面もある。笑顔もすばらしい。周囲の対応次第で気持ちを楽にしてあげられる可能性があるんです」。介護職員の努力次第で苦痛が軽減できるから「認知症の方がいい」と言うのである。 ところが寝たきりは事情が違う。介護職員の努力で本人の苦痛を軽減させることは難しい。「体が動かせないため、あちこちが凝ったり痛んだりする。床ずれは防止できても、胎児のように手足を縮める格好に体が固まっていく『拘縮(こうしゅく)』は止められない。寝たきりの苦痛に対する介護の無力さを痛感します。少しでも心地よく過ごしてもらうよう気持ちを慰めるしかありません」 しかし三好春樹氏のこの設問には意外なオチがある。認知症と寝たきりのどちらを選んでも、3年後には結局もう一方の症状が出てきて同じ結果になると言うのだ。 認知症を選んだ場合を考えてみる。認知症老人が、徘徊(はいかい)を始めれば、家族や施設はそれを防ごうとする。施設の外に出られなくなれば次第に足腰は弱る。転倒して大たい骨を折れば筋肉も衰弱し、次第に寝たきりに近づく。アルツハイマー性の認知症の場合、脳の変性によって筋肉への命令ができなくなり、結局は寝たきりになる。 逆に寝たきりを選んだ場合はどうか。終日ベッドから出られないから、じっと天井を見て過ごすしかない。何の変化もない画一的な時間が延々と続くと、脳は刺激を求めて幻覚を見せるようになる。「今」がいつなのか次第に分からなくなってくる。話し相手がいないと、人は独り言を言い始める。こうして結局、寝たきりのまま認知症が進んでいく。 介護現場での職員の努力は、この二つがセットになるのをなるべく遅らせることを目指している。しかし、人が老い、衰えるのは自然の流れだ。いずれにせよ逃げ場はない。』 . |
| 2008.11.13 | ☆“行き場”のない利用者(介護現場の「9つの困難」下) 13日、キャリアブレイン→ 『介護保険制度を改善する目的で、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が行った「介護の“困難事例”」調査では、費用負担に耐えられない利用断念や「予防給付」などによる給付抑制のほか、“行き場”を失う利用者も増えていることが明らかになっている。 (7)医学的管理を要する場合の施設入所や在宅生活が困難になっている 全日本民医連では、「在院日数の短縮化や療養病床の縮小・廃止の影響で、胃ろう、経管栄養、インスリン自己注射など医学的管理を要する場合、介護保険施設での受け入れが難しく、重度の高齢者の在宅が増えている。療養・生活の場の確保に困難を来す事例が多数報告されている」と指摘している。 全介助状態にある要介護5の79歳の男性は、胃ろうを造設しているほか、肺気腫のため、夜間に喀痰(かくたん)吸引を要することも多い。このため、ショートステイを希望しても、胃ろうの管理や夜間の喀痰吸引を理由に施設の利用を制限されることがあり、必要な時にサービスを受けられなくなっている。また、脳梗塞の後遺症で寝たきりになっている要介護5の81歳の男性は、経管栄養などを行っている。医療型の療養病床に入院していたが、医療依存度が低いとして退院を迫られた。しかし、経管栄養管理を要するため、老人保健施設の受け入れが困難になっている。 (8)独居世帯または「老々世帯」では、在宅での介護や生活にさまざまな困難を抱えている 要介護3の83歳の独居男性は、認知症の上、脳梗塞の後遺症で左半身に麻痺がある。つえをつくと歩けるものの、付き添いがないと転倒する可能性がある。加えて、胸部大動脈瘤を抱えており、ヘルパーを毎日朝と夕方に利用しているものの、夜間に急変する恐れがあるという。また、独り暮らしに不安を感じ、施設への入所を希望しながら、保証人が見つからず、訪問介護などを利用して在宅で生活していた要介護1の90歳の独居女性が、自宅の火災で亡くなるという痛ましい事例もあった。 「老々世帯」では、訪問看護などを利用して要介護3の妻の世話をしている夫が、高血圧で通院しており、今後、健康状態が悪くなった場合の在宅生活を不安視する報告などが寄せられている。 「独居の場合、生活への不安から介護保険制度の拡充や施設への入所を望む人が少なくない。また、『老々世帯』では、夫婦共に要介護認定を受け、在宅生活に支障を来している事例や、夫や妻の世話をしている介護者が病気などで介護を行えなくなり、“共倒れ”を懸念する事例が多数報告されている」(全日本民医連)。 (9)在宅での重度認知症の生活や介護が深刻化している 重度の認知症と難聴のため、コミュニケーションが難しい要介護4の88歳の女性は、対応が困難としてショートステイの利用が制限されている。また、経済的に余裕がないため、施設への入所が難しく、娘が介護に限界を感じながら懸命に世話をしている。しかし、精神的ストレスも強く、「母の首を絞めそうになる時がある」と涙ながらに訴える事例などが報告されている。 全日本民医連では、「認知症の高齢者を介護する家族は、心身ともに大きな負担を背負っている。グループホームは施設数が少なく、利用料も特別養護老人ホームなどに比べて高いため、入所に至らないケースも多い。なかなか受け入れ先がない現状で、厳しい在宅介護を余儀なくされている」と指摘している。』 . |
| 2008.11.12 | ☆相次ぐ給付抑制(介護現場の「9つの困難」中) 12日夜、キャリアブレイン→ 『全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が発表した介護現場を取り巻く「9つの困難」-。介護保険料の引き上げや税制改正による負担増などで生活が厳しくなり、必要なサービスを受けられなくなってきていることに加え、同居家族がいる場合の生活援助の打ち切りなどの「給付抑制」も深刻になっている。 (4)現行の「支給限度額」の範囲では十分なサービスを受けられず、限度額を超えるサービス利用で、多額の自己負担が発生している 介護保険は、介護度によって「支給限度額(保険給付の上限額)」が決められている。例えば、「要介護5」の支給限度額は月35万8300円(自己負担は1割の3万5830円)だが、この額では、朝・昼・夕に1時間ずつの身体介護を毎日利用すると、ほぼ一か月間の上限に達するという。このため、全日本民医連では、「限度額の範囲内では十分なサービスを利用できず、自己負担や家族の介護負担が増大している」と指摘している。 寝たきりの状態で要介護5の認定を受けている90歳の女性のケースでは、夫も高齢で体調を崩したことから、夫の負担の軽減などを図るため、介護サービスを増やした。しかし、必要とするサービスの利用で支給限度額を上回り、その分の自己負担を強いられている。また、要介護認定の更新で要介護4から2に変わった90歳の女性は、糖尿病をコントロールするインスリン注射を要するが、認知症のため、自己注射ができない。訪問看護などを利用していたが、介護度が下がったため、従来のサービスを受けると支給限度額を超えることになった。しかし、その負担が困難でサービスを利用できなくなっている。 (5)家族との同居を理由に生活援助を機械的に打ち切るなど「(自治体による)ローカルルール」の適用で、利用にさまざまな制約が生じている 要介護2の83歳の独居男性は、脳出血の後遺症による下肢の機能障害などで、室内を這(は)って移動している状態だが、半径500b以内に住んでいる長男夫婦が「同居家族」とみなされ、生活援助を受けられなくなっている。また、息子と2人暮らしの要介護2の77歳の女性は、息子が仕事のため、日中は「独居状態」になっている。複数の疾患を抱えているが、生活援助を利用できず、家事に支障を来している。 大阪府では、独自に「Q&A」を作成し、買い物の介助や散歩などの外出支援を厳しく制約している。要介護2の91歳の女性は、寝たきりにならないよう自分で少しでも歩くようにと、買い物やリハビリを兼ねた外出支援を要望しているが、「Q&A」で不適切とされているため、自費での利用を強制されている。 全日本民医連では、「同居家族がいる場合、家族の介護力の強弱や利用者が日中は独居状態になるなどの個別の事情を考慮せず、生活援助を機械的に打ち切る事態が広がっている。厚生労働省は昨年12月と今年8月の2回、是正を求める通知を出しているが、徹底は不十分で、『ローカルルール』による利用制約が横行している」と批判している。 (6)重度化が進むが施設入所がままならず、家族介護と介護費用の“二重の負担”が増大する中、在宅生活の維持や療養の場の確保に困難を来している 要介護4の82歳の男性は、脳卒中の後遺症で左半身麻痺や「高次脳機能障害」があり、「廃用症候群」に進行しつつある。状態が悪化してきている中、介護者の妻も腰や膝が悪く、やっと動いている状態で介護が困難になっている。一年前に特別養護老人ホームへの入所を申し込んだが、入所はもっと先になると言われており、妻と共に共倒れになる危険性がある。また、要介護2の88歳の男性は、サービスの利用と家族介護で在宅療養しているが、施設への入所を検討している。しかし、待機者が100-200人いたり、有料老人ホームでは入居金に100万円を要するため、今後の療養に不安を感じている。 「在宅生活の継続に困難を抱えている事例が多数に上っているほか、病院から退院を迫られながら、受け入れ先が見つからないケースなどを含め、要介護高齢者の『行き場所』や『居場所』の問題が深刻化している」(全日本民医連)(下につづく)』 . |
| 2008.11.12 | ☆【ゆうゆうLife】介護 効率と魅力は両立するか(中) ある社会福祉事業団の取り組み 12日、産経新聞→ 『■委託と配置転換で改善 限られた収入で介護職員の待遇改善を図るには、運営の効率化が欠かせません。介護報酬が平成18年度に全体で2・4%減になったのを機に、練馬区社会福祉事業団は自前で提供していた食事を外部委託にして経営を効率化しました。そこまでには、どんなプロセスがあったのでしょうか。(清水麻子) 「介護報酬が下がるので、1年後に食事を外の業者に委託する方針が出ました。辛いでしょうが、介護職への転向をお願いできませんか」 平成17年夏。練馬区社会福祉事業団の五十嵐一治・事務局長(当時総務課長)は正規職の調理員十数人に個別面談を続けた。 「結局、首を切られるということですか」。法人内の配置転換は解雇ではないが、職員の反応はさまざまだった。「中には同期で入職した方もいて辛かった。でも、限られた収入でやるには、理解してもらうしかなかった」と五十嵐事務局長は振り返る。 事業団が食事の外部委託を具体化した背景には、介護報酬減で法人収入が特養とショートステイで7000万円減になる見通しだったことがある。 それまでもIT化して事務を省力化したり、3人体制を2人体制にするなど、効率化には手を尽くした。もう削るところはない-。そんななかで浮上したのが食事の外部委託だった。 委託業者が提示した食事管理費は、これまでの7割で、報酬減の大半がまかなえる試算。そこで労働組合と話し合い、調理員に(1)今までの給与を保障し、ヘルパー2級の資格取得費を助成し、介護職へ転換してもらう(2)仕事内容を変えたくない人には、委託予定業者への転職を促す-などの道を示して理解を求めた。 結局、パートを含む約80人の調理員の大半は退職。結果的に約3000万円の人件費が浮いた。さらに、特養やデイサービスの稼働率をアップさせ、介護報酬は下がったが、平成19年度には収支差益8・4%を実現した。 介護士として残った職員は3人。その1人、井上一也さん(31)=仮名=は「委託業者への転職では、同じ給与が得られそうになかった。事業団に残れば、職は変わるが正社員で、給与も変わらない。これから家庭を持っていくことを考えると、堅実な選択をしたかった」という。「認知症の棟を任され、夜勤もあって仕事は大変になったが、人に直接、何かをして喜ばれることに新たな喜びを感じていますよ」と、井上さんは話している。 ■品質向上につなげる戦略も 全国社会福祉施設経営者協議会の調査(平成19年)によると、食事を外部委託する法人は約4割にのぼる。 小室豊允(とよちか)・姫路獨協大学名誉学長は「社会福祉法人の清掃や食事、警備業務などの外部委託は、介護保険制度で収入減が避けられなくなって広がった」と指摘する。 外部委託するにあたり、練馬区事業団は業者選定で独自の仕組みを作った。味付けなど12項目の評価尺度を作り、現場の栄養士らが構成する「食事業者選定委員会」が採点。さらに、利用者の自己負担(デイサービスで1食600円)に見合う適正価格を考えて委託業者を選定した。それまでは採算を考えずにやっていた面があったからだ。 導入後の外部評価では「利用者の食事形態に合わせた工夫がされている」とされたものの、4つある特養の1カ所については「利用者満足度は6割にとどまる」と改善を指摘された。 食事の外部委託には「質が落ちる」など、賛否もある。しかし、福祉施設などのコンサルタント業務を行う日本化薬メディカルケアの宮野茂・代表取締役は、一般論としたうえで、「介護保険導入で、介護は運営から経営へ仕組みが変わったのに、コスト感覚がない事業所もある。人件費や食費は大きな支出だが、勤務年数が長いというだけで過大な給与を支払ったり、食材を特定の業者から高い値段で仕入れているようなところは削減の余地が大きい」と指摘する。 質の維持については「委託業者は入札時にはおいしいものを作るが、2、3カ月で味が落ちる傾向がある。おいしさを継続させるには、法人が食事の質を厳しくチェックし続けるしかない」と指摘する。 外部委託をサービスアップにつなげた施設もある。山形県鶴岡市の社会福祉法人「一幸会」は、委託業者選定の際、選定委員会に高齢者も入ってもらった。利用者の味覚に合わせようとの意図だ。「外部委託で経営上は人件費が0・6%下がったのに、『食事がおいしい』とデイサービスやショートステイを利用する人が増えた」(佐藤佐保子・池幸園園長)という。 小室名誉学長は「食事を外部委託すれば、質が後退するイメージがあるが、必ずしもそうではない。委託を逆手に取り、質を上げていくことも経営戦略の一つだ」と話している。』 . |
| 2008.11.12 | ☆要介護認定5人に1人 島根 12日、中國新聞→ 『介護保険制度の要介護認定を受ける島根県内の高齢者は2011年度に4万2000人を超え、65歳以上の高齢者の5人に一人に達する見通しであることが県のまとめで分かった。同制度が始まった2000年度は8人に一人で、高齢化が急速に進む県内の現状を反映している。 介護保険を運営する市町村からの報告を県がとりまとめた。11日、松江市内であった09年度から3年間の県の介護保険事業支援計画を策定する委員会で公表した。 県高齢者福祉課によると、11年度に見込まれる認定者数は4万2263人で認定率は19.9%。75歳以上の後期高齢者の増加や制度の浸透などで、本年度の3万8981人から年平均1000人程度ずつ増える計算。圏域別でも出雲を除いて上昇する見通しで、邑智、隠岐では4人に一人となる。』 . |
| 2008.11.12 | ☆介護施設で老いを考えた:/14 特養ホーム/5 /宮崎 12日、毎日新聞(宮崎)→ 『◇なぜ家族による介護は難しいのか 大便にまみれながらの入浴介助、食べようとしない老人への食事介助など、特別養護老人ホームで展開されるプロの介護の現場を見てきた。 では家族に介護が必要になった時、自宅なら家族はどこまで介助ができるのだろうか--。 宮崎市高岡町の特養「裕生園」の介護主任、甲斐ミツ子さん(61)は、同居していた夫の両親をそれぞれ特養に預けた。甲斐さんは、プロの介護職員であるという自負もあり、義母が要介護度3になるまでは自宅で介護していた。しかし職務に加えた自宅介護は過酷な肉体労働だった。 特養の仕事を終え、くたくたになって自宅へ帰ると、ここでも義母の介護が待っている。フロに入れ、排せつの世話をする。午前1時に床に就き、午前5時には朝の介護のために起きなければならなかった。自身の心の方が不安定になり、精神安定剤に頼った。 結局、家族が共倒れになる恐れから、特養に頼ることになった。プロでさえ家族による介護は難しいのだ。なぜ自宅介護より施設に預ける方が主流になりつつあるのか。その理由を山井和則、斉藤弥生著「日本の高齢者福祉」(岩波新書)は4つにまとめている。 (1)狭くて高齢者の部屋がない、車いすが使えないという住宅の壁がある(2)共働きによる介護者の不在、介護者の過労など介護力不足の壁がある(3)嫁と姑(しゅうとめ)の問題、みて当たり前という世間の目、介護の日々がいつまで続くのか、など精神的な壁がある(4)共働きをやめて在宅で介護するより、入所させた方が安いという経済的な壁がある--。 甲斐さんは語る。「認知症が進むと元の性格が凝縮してきます。疑い深い人はさらに人を信じなくなり、頑固な人はもっと頑固になる。悪態をついたり暴れたりする認知症患者が自分の親だったら、それを冷静に見ていられるかどうか。体力低下を防ぐためとはいえ、食事を嫌がる親の口に食物を無理に入れられるかどうか。介護職員は『仕事だ』と割り切れるからやれる面が多いのです」 仕事とはいえ、職員たちは入所者を一日も休まず懸命に介護している。一方、親を預ける家族にもさまざまな事情がある。その両者の気持ちがズレを生むこともある。 遠方に住む家族が、久しぶりに施設を訪れて「親がこんなに衰えてしまったのはなぜなのか」と職員に冷たい視線を浴びせることがある。「親を思う家族の気持ちが分かるだけに正直つらい。しかし人が衰えていくのは止めようがない。私たちにできることは、入所者の状態の推移を家族に丁寧に説明することだけです」。甲斐さんは寂しそうに言った。』 . |
| 2008.11.11 | ☆「介護の日」 支援を呼びかけ 11日夜、NHK→ 『11月11日は厚生労働省がことし新たに定めた「介護の日」です。介護を必要とする人やその家族、それに介護職として働く人への支援を呼びかける催しが各地で開かれました。 厚生労働省は、介護への理解を深めてもらおうと、11月11日を「いい日、いい日」にかけてことし新たに「介護の日」と定めました。これにあわせて各地で催しが開かれ、東京・墨田区では老人ホームなどで働く介護福祉士18人が街頭に出て、介護の仕事のイメージなどを尋ねるアンケート調査を行いました。 アンケートに「世の中になくてはならない仕事だと思う」と答えた女子中学生は「給料が安くてきつい仕事だと思うので、自分ではやりたくない」と話していました。また、70代の男性は「介護職の待遇を改善し、わたしたちが安心して介護サービスを受けられるようにしてほしい」と話していました。調査をした介護福祉士の品川裕一さんは「介護の仕事はやりがいがあるということをもっと多くの人に知ってもらいたい」と話していました。 一方、東京・霞が関の厚生労働省の前では、介護の現場で働く人たちでつくる労働組合が集会を開きました。集会にはおよそ30人が参加し、介護職の待遇を改善し、人手不足を解消するためには、介護保険からサービスを提供した事業者に払われる介護報酬を大幅に引き上げる必要があると訴えました。東京都内の施設で働く介護福祉士の女性は「この仕事を始めて8年目ですが、手取りの給料は月14万円で、今後も続けていくことができるか不安です。やりがいを感じながらも辞めざるをえない現状をどうにかしてほしい」と話していました。』 . |
| 2008.11.11 | ☆重い費用負担(介護現場の「9つの困難」上) 11日、キャリアブレイン→ 『事業所や利用者、その家族は、介護や生活面で、「9つの困難」に直面している-。全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が11月10日、記者発表した「介護の“困難事例”調査」。29都道府県の334事業所から寄せられた“困難事例”は728事例に上り、全日本民医連が分析した結果、介護現場では、費用負担やサービスの給付抑制、“行き場を失う”利用者の問題など「9つの困難」が起きているという。 その主な内容について、きょうから3回に分けて配信する。 (1)重い費用負担のため、利用を断念したり、手控えざるを得ない事態が広がっている 99歳の女性は要介護4で、日常生活全般に介助が必要なため、デイサービスやヘルパーなどのサービスを勧めた。しかし、月3万円の年金と貯金を取り崩す生活で、「利用料が高いため、利用できない」と、必要最低限の福祉用具だけを利用している。また、「在宅酸素療法」を行う要介護1の91歳は、国民年金で額が少ない中、「後期高齢者医療制度」の保険料負担(年金天引き)によって年金が2000円減り、介護サービスを削ることで悩んでいるという。 さらに、娘夫婦と同居している要介護3の84歳の女性は、介護サービスと共に娘の世話で在宅生活をしていたが、本人の認知症の進行と、娘の病気が悪化し、在宅が困難になった。このため、入所できる施設を探したが、年金は月10万円弱で、すぐに入れる施設がなくて困っている。このほか、要介護4の76歳の女性は、脳梗塞の後遺症と認知症があり、訪問看護や訪問介護を受けていたが、年金額が生活保護よりも低く、経済的に負担できないため、サービスの回数を減らした。病態が悪化しているほか、夫の介護疲労も強まっている。 全日本民医連では、「介護保険料の引き上げや物価高騰、『後期高齢者医療制度』の保険料などで、高齢者の生活が悪化する中、利用料を支払えないため、必要なサービスでも利用を減らしたり、止めたりするケースが後を絶たない。その結果、本人の心身の機能低下や悪化のほか、家族の介護負担も強まっている」と危惧(きぐ)している。 (2)介護認定の結果と本人の状態が著しく乖離(かいり)する傾向が強まり、サービスの利用に制約が生じている パーキンソン病と糖尿病を患う79歳の男性は、パーキンソン病が悪化し、トイレに行くにもやっとの状態だが、要支援2と判定。病気が進行しているにもかかわらず低い判定で、訪問介護の利用の必要性が高まっていながら、増やせない状態になっている。また、83歳の男性は、複数の病気を抱えている上に視覚障害で、日常動作のほとんどで妻の援助を必要としながら、要支援2と判定。妻も高齢で介護力が低下している。さらに、70歳の男性は、全国に約2000人しかいない進行性の難病「球脊髄性筋萎縮症」で、ADL(日常生活動作)が低下しているが、認定更新で介護度が要介護3から要介護2に下がった。次回の更新に本人が大きな不安を持っているという。 「2006年の『介護保険法』改定以降、認定制度の矛盾が、『要支援判定』という形で拡大・深化している。状態に変化がない場合だけでなく、状態が悪化しているにもかかわらず、認定更新の際に軽度に判定されるケースが多数報告されている」(全日本民医連) (3)「予防給付」への移行や軽度者に対する福祉用具の利用制限などで、状態の悪化や生活上の支障が生じている 介護保険は、2000年の制度発足時には、「要支援」と「要介護1」から「要介護5」の6段階だったが、06年の改定で、それまでは「要支援」だった人を「要支援1」に、「要介護1」のうち改善の可能性が高い人を「要支援2」として、「予防給付」の対象にした。 「予防給付」では、支給限度額が大幅に下がるため、全日本民医連では、「サービスの継続が困難になるなどのケースが多数報告されている。福祉用具についても、電動ベッド(特殊寝台)など5つが要介護1以下では原則、利用不可となり、本人の状態の悪化や生活上の支障を来している」と指摘している。 68歳の男性のケースでは、要介護1のときには、月曜から土曜まで連日、ヘルパーを利用できたが、認定更新で要支援1になり、利用が週2回にまで減った。しかし、疾病のため、ヘルパーの支援が欠かせず、週2回を超える分は、月4万5000円を自己負担している。また、要介護1から要支援1になった80歳の独居女性は、通所リハの利用が半分に減り、社会との交流機会も減る中、精神的ストレスを強めているという。さらに、がんで膀胱を全摘し、「尿管皮膚瘻造設術」を行っている66歳の男性は、要支援1になり、電動ベッドを利用できなくなった。経済的に厳しく、自費でベッドをレンタルすることは困難で、布団で寝ているが、排尿のため、夜間に2、3回起きなくてはならず、体力が徐々に落ちている。』(「中」に続く) . |
| 2008.11.10 | ☆介護保険の「夜間介護」利用伸びず 自治体施策と重複 10日、朝日新聞→ 『介護保険で定められたサービスの一つで、夜間自宅で急に介護が必要になった時にヘルパーらを呼べる「夜間対応型訪問介護」(夜間介護)の利用が、国の見込みを大幅に下回っている。厚生労働省は1事業所あたりの利用者を300人と想定したが、全国平均は18人程度にとどまる。 夜間介護は06年4月に介護保険に導入された。厚労省によると、提供する事業所は全国123カ所、利用者数は今年4月時点で計2200人。 夜間介護の事業者でつくる「24時間在宅ケア研究会」(事務局・東京都新宿区)は理由について、自治体の「緊急通報サービス」との重複を指摘する。高齢者が急病などの時、自宅に設置された通報装置を押せば、自治体から委託を受けた警備会社員などが様子を見に来る――といった仕組みだ。利用者負担がほとんどない自治体もあり、介護保険の要介護認定を受けていない人でも使える。 緊急通報サービスは、基本的に介護はしないが、利用者にとって「困ったときに助けを求める」という点で夜間介護と似ている。多くの高齢者が慣れや使いやすさから緊急通報サービスを選んでいるとみられる。 夜間介護を始める事業者には国から最大3500万円の補助金が出ており、ケア研究会は「行政の無駄」と話す。厚労省も内容の重複は認め、「いずれ整理が必要になる」としている。』 . |
| 2008.11.09 | ☆介護保険剰余金132億円 06年度 道内サービス利用伸びず 9日、北海道新聞→ 『道内の市町村や広域連合が運営する介護保険事業の剰余金が、二〇〇六年度末で計百三十二億千八百万円に上っていることが、道の調べで分かった。集めた保険料に比べ、お年寄りのサービス利用が少なかったことが原因。ただ、多くの市町村は、今後の介護報酬引き上げなどに備え、保険料の引き下げは行わない見通しだ。 介護保険制度では、三年を一期として収支が均衡するよう、保険料を設定している。介護保険を運営する市町村や広域連合は道内に百七十二団体あるが、いずれも単年度の赤字を補てんできるよう、基金を設け剰余金を積み立てている。 剰余金が発生したのは介護サービス利用が伸びていないためで、〇六年度は全道で計十七万八千人の利用が見込まれたのに対し、実際は十五万七千人(利用率88%)にとどまった。国の方針で介護型療養病床が削減されたことや、筋力トレーニングなど介護予防サービスの利用者が伸び悩んだことが挙げられる。介護保険に詳しい道医療大の石川秀也教授は「魅力的なサービスがないのも一因。市町村はサービス内容を工夫すべきだ」と指摘する。 道内三十四市の一人当たりの剰余金額は、根室市が四万一千五百円と最も多く、登別市二万五千六百円、紋別市二万五千二百円の順。ただ、各市町村は高齢者人口の増加や介護報酬引き上げへの対応を迫られているため、来年四月の保険料改定期に「引き下げも検討する」(登別市)というところは少ない。むしろ、保険料値上げを検討している市町村も多く、道高齢者保健福祉課は「剰余金を使って値上げ幅を抑制するのが精いっぱいではないか」と話している。』 . |
| 2008.11.07 | ☆介護施設で老いを考えた:/11 特養ホーム/2 /宮崎 6日、毎日新聞(宮崎)→ 『◇とても重労働な入浴介助 「本当は入所者の入浴回数をもっと増やしてあげたい。しかし今の陣容では1人週2回が限界です」 宮崎市高岡町の特別養護老人ホーム「裕生園」(定員70人)の介護主任、甲斐ミツ子さん(61)は言う。 「入浴は週2回」と聞いて「少ない」と思う読者もいるだろう。 ただ、職員にとって入浴介助は大変な重労働でもあるのだ。入浴介助は、広い浴室で高齢者の体を洗い、バスタブに入れる「中介助」と、脱衣所で衣服の着脱やツメ切りなどをする「外介助」の2班に分かれて行う。 つらいのは中介助だ。入浴介助用のイスに座ってもらい、高齢者の体を洗っていく。職員はTシャツに半ズボン姿で、大きなエプロンをつけて介助する。入浴中でも大便が止まらない入所者もおり、便が足元に落ちてくる。蒸し風呂のような暑さと悪臭で、頭がくらくらしてくるという。甲斐さん自身、途中で気分が悪くなり、洗面所に走った経験もある。 職員の足もとはゴム長靴だが、この中に湯がジャブジャブ入り込んで気持ちが悪い。そこで今年7月からゴムぞうりにはきかえた。甲斐さんが以前働いていた別の特養でもゴムぞうりだった。 蒸れる長靴よりゴムぞうりの方が快適だが、欠点もある。足がむきだしだから浴場で足をけがする恐れがあるのだ。甲斐さんも入所者の水虫を素足にうつされたことがある。入所者の中には肝炎などの患者もいる。潜血の混じった大便が職員の素足についた時、傷から感染する恐れもある。職員が媒体となって他の入所者に感染が広がることだけは何としても防がなければならない。 入浴用のイスに座れる人の介助はまだいい。体がまったく動かせない入所者もいる。職員が2人がかりで体を持ち上げ、特殊な浴槽を使う。巨大なバスタブの中央部に平らな寝台があり、その寝台の支柱が機械で上下に動く。寝台に人体を横たえると、支柱が下がり始め、寝台ごとバスタブの湯につかる仕組みだ。 全職員が交代で、この作業を毎日2時間近く続けている。その結果としての「週2回の入浴」である。入浴を極度に嫌がる入所者もいるが、何とか説得して全員を入浴させる。これも、不潔な入所者からの「施設内感染」を防ぐためだ。 重労働ではあるが「入所者の『気持ち良かったよ』という笑顔一つで職員の疲れは吹っ飛ぶものです。単純だと思われるでしょうが、介護職員にはそんな人たちが多い」と甲斐さんは語るのだ。』 . |
| 2008.11.06 | ☆介護施設で老いを考えた:/10 特養ホーム/1 /宮崎 5日、毎日新聞(宮崎)→ 『◇要介護度が重い人の施設 衆院選報道などで中断していた介護施設の企画を再開したい。 前回の「グループホーム」に続き、今回は「特別養護老人ホーム(特養)」を訪ねた。 特養は、要介護度が最も重い人たちが入る施設である。 宮崎市高岡町にある辰元グループの特養「裕生園」は定員70人の高齢者を介護職員34人、看護師4人で介護している。 要介護度5や4の重い人が中心だが、要介護度1の人もいる。 介護度が軽い人たちは主に00年の介護保険の発足以前からの入所者だ。介護保険以降、すべての高齢者は要介護度で分類されるようになった。それは、特養の入所者も例外ではなかった。特養にいるのに、実際に審査してみると、軽い介護度の人もいた。しかし、すでに入所していて、ほかに行き場のない入所者に今さら「他の施設へ移って」と迫るわけにはいかなかったのである。 入所者70人は、数人を除き、ほぼ全員が認知症だ。介護度別に4グループに分けて介護している。最も症状の重いグループは、寝たきりで食事や排せつに全面的な介助が必要だ。一方、最も軽いグループの中には一人で歩ける人もいる。 入所費は各種の介護施設の中で最も安い。介護保険や行政の支援が手厚いからだ。条件によって異なるが、最低だと月に約4万円ですむ。 ただし最も重症の高齢者が入る施設だけに、元気になってここから退所する人は例外である。入所者のほぼ全員が、死を迎える直前まで入所している。「直前」という意味は、危篤状態になれば隣接する老人病院などへ搬送されるからだ。だから、この老人病院との連携は欠かせない。毎日、入所者一人一人の体調をチェックし、病院へ報告する態勢を取る。 高齢者が寝たきりになるには、いくつかの原因がある。一つは脳卒中などの脳血管障害による。これは半身不随などの症状が出る。発症直後にリハビリなどで回復を図るが、約4カ月で症状は固定化する。この時点では車いすなどを使えても、その後に病状が悪化すれば寝たきりに近づく。 もう一つはアルツハイマー病などの認知症による。脳組織の変性が進み、認知症の進行と並行して、体の筋肉への命令もできなくなってくる。やがて寝たきりになり、最後は物を飲み込む運動神経もマヒしてしまう。 このほか、足の骨折などが引き金になって足の筋肉が弱り、寝たきりになるケースもある。 寝たきりの入所者たちは4人相部屋のベッドの上で一日を過ごす。車いすなどで動ける入所者たちは、昼間は特養の広いホールで、談笑したり、ボール遊びをして過ごしている。夜は3〜4人の相部屋で眠る(一部には個室もある)。 平穏に見える中で、実は生きるための格闘が日々展開されている。特養の日常へ分け入ってみよう。』 . |
| 2008.11.04 | ☆高齢の母と 虐待息子 被害75%が女性 加害4割占める/埼玉 4日、讀賣新聞(埼玉)→ 『(埼玉)県内の2007年度の高齢者虐待件数が589件と、前年度に比べて39%も増えたことが県の調査でわかった。家庭内虐待では、被害者の75%を女性が占め、加害者の40%は息子だった。件数は毎年増えており、県は「加害者には虐待の意識がない場合も多い。虐待の早期発見や防止に努めたい」としている。 ■県内4割増589件 家族や親族らによる家庭内の虐待は584件あった。主な種別(複数回答)は、暴力を振るう「身体的虐待」61%、暴言を吐く「心理的虐待」35%、「介護放棄」29%、財産を奪う「経済的虐待」24%。07年11月には、春日部市の男(47)が同居する母親(当時74歳)を屋外に放置して死亡させた例があった。 1件で被害者が複数のケースもあり、実際に虐待を受けた高齢者は622人に上った。うち75%を女性が占めた。約6割は認知症などの要介護認定者だった。 加害者は690人おり、息子がうち40%と最も多く、以下、娘15%、被害者の夫13%、息子の妻10%の順。県と市町村は、虐待をやめるよう指導や助言をしたり、虐待された高齢者を施設に入れたりした。 一方、介護施設での虐待は、前年度比3件増の5件。「認知症の入所者を静かにさせようとかみついた」、「愛情表現などとして顔中にキスし、口紅だらけにした」「廊下で寝かせた」などのケースがあった。 県は06年度から、市町村職員らに研修を行い、「高齢者虐待対応専門員」を養成、07年度末で計300人になった。同時に、民生委員や電気、ガス、新聞など高齢者と接する機会の多い事業者にも協力を求め、援護が必要な高齢者を見つけたら市町村などに連絡してもらう体制をとっている。 ■「夕方までスーパーに」息子夫婦命令 県南部に住む軽度の認知症がある90歳代の女性は、同居している60歳代の息子夫婦から虐待を受けていた。息子は毎日のように女性をどなり、時には暴力も。女性は週3回デイサービスに通っていたが、他の日は、近所のスーパーなどで朝から夕方まで過ごすよう、息子から命じられていた。近所の人が見かねて通報し、市職員が息子夫婦を指導。デイサービスなどを増やすと、虐待が収まった。 また、県南部に住む70歳代の女性の場合、同居する10代の孫娘から日常的に暴行を受けていた。顔や手にあざができたが、息子夫婦は仕事で不在がちな上、無関心だった。訪問した市職員に孫娘は「祖母が言うことを聞かないからたたいた」と話したという。女性は緊急保護措置としてケアハウスに一時入所したが、孫娘や息子夫婦の態度に改善の兆しが見られなかったため、正式に入所した。』 . |
| 2008.10.29 | ☆介護保険ホットライン:電話相談まとめ出版 29日、毎日新聞→ 『介護者支援のNPO法人など4市民団体が、電話相談「介護保険ホットライン」に寄せられた内容を報告書にまとめ、出版した。 相談は今年6月の3日間に101件寄せられ、60歳以上が過半数を占め、うち3割は70歳以上だった。同居家族がいて生活援助が使えないといったサービスの利用制限の相談が多く、要介護認定の手続きに時間がかかるといった不満もあった。1部1000円。名前▽希望部数▽送り先を明記し介護保険ホットライン企画委員会までファクス(03・3303・4739)で。』 . |
| 2008.10.28 | ☆高齢者向け食品・食材市場1.6兆円 28日夜、キャリアブレイン→ 『富士経済(東京都中央区)はこのほど、2008年の高齢者向け食品・食材市場、介護食品市場の調査結果を発表した。「高齢者施設向けの食材市場」「病者・介護食市場」「宅配・配食サービス市場」の合計を1兆5902億円(前年比1.5%増)と見込んでいる。 富士経済では、拡大が期待できる市場として、「ソフト・ムース食」「水分・栄養補給型食」「有料老人ホーム向け食品・食材」を挙げている。 ソフト・ムース食は、咀嚼困難者などでも、食べやすく食欲が増す食事を提供できるほか、嚥下障害防止のためにも施設を中心に利用が増え、05年以降は冷凍食品メーカーが参入して、市場が拡大しているという。 介護現場では水分補給と栄養補給が重視され、効率的に水分・栄養補給ができる加工食品の需要が高まっているという。また、在宅介護での潜在需要も高いとみられ、嚥下開始食としてゼリータイプの需要が拡大していくと予想されている。 施設数が急速に伸びる有料老人ホームでは、食事を“売り”にしている施設もある一方で、セントラルキッチンなどを使って施設内厨房での作業を簡易調理にとどめ、食費を抑える施設も増えているという。 病院や高齢者施設向けの食材市場は、病院給食の外部委託、院外調理の増加、病床数の減少などにより、病院・診療所向け市場は縮小しているが、施設数が拡大する高齢者専用賃貸住宅(高専賃)では、弁当配食サービスを利用する場合も多く、食事サービス付きの施設が増加していることから、配食・給食サービス業者にとって有望市場だという。 病者・介護食市場は、商品の多様化や品質の向上、需要の広がりなどにより年々拡大しており、特に在宅介護に注目が集まっている。 宅配・配食サービスでは、食材宅配は前期高齢者の利用が多く、完成食宅配は後期高齢者の利用が多くなっている。完成食宅配は、低価格で急拡大している事業者も見られることから、低価格化が重要な要素となるほか、メニューや配送形態、サービス内容などを個別にアレンジする仕組みをつくることで、アクティブシルバーを含む広い範囲の高齢者の利用可能性があるという。』 . |
| 2008.10.22 | ☆ (下)夜間訪問介護 在宅療養支える 22日、讀賣新聞→ 『一人暮らしで転倒 ヘルパー呼び出す 日本では2000年に介護保険がスタートしたが、単身者や老老介護では、在宅での療養は難しい。24時間、医療・介護で高齢者を支える取り組みも緒に就いたばかりだ。(阿部文彦、写真も) 安心支えるコールボタン 東京・世田谷区のマンションの一室で一人暮らしをする伊藤彩乃さん(75)(仮名)は要介護3で、足が不自由だ。ベッドを離れると、伝い歩きをしている最中に尻餅をついて、起きあがれないことがある。親族やヘルパーがいるときは、すぐに介助してもらえるが、問題は介護者がいない時だ。親族に連絡が取れず、救急車を呼んだこともあった。 今年に入り、起きあがれないトラブルが頻発したため、ケアマネジャーの勧めで、4月、区内にある訪問介護事業所「ジャパンケアサービス ハッピーセンター東京西」の夜間対応型訪問介護を利用するようになった。首からぶら下げた緊急コールボタンを押すと、オペレーターに通じる。必要に応じて、夜間でも10分ほどでヘルパーが飛んでくる。 トイレに行こうとして、廊下に倒れ込んだ時は、ボタンでヘルパーを呼び出し、起こしてもらった。「一人でいるときは、倒れ込むとどうしようもない。いつでも対応してもらえるので安心」と伊藤さんは話す。 夜間対応型訪問介護は、2006年度に、介護保険サービスとして設けられた。それまでは、あらかじめ計画された時間にヘルパーを派遣するサービスしかなく、「夜間などが不安」といった声が強かったためだ。 同事業所では、看護師などのオペレーターと、2人のヘルパーが事務所に常駐し、緊急コールを受け付ける。さらに、必要に応じて随時、訪問介護に赴く。 制度創設と同時にサービスを始めた。昼夜を問わずに不安を抱える要介護者が少なくないため、昨年10月から、従来の夜間に加え、昼間も含む24時間体制で随時サービスを実施している。夜間のみ、介護保険の対象となり、昼間は全額自己負担だ。 現在の利用者は約230人。1か月約500回のコールがあり、排せつや転倒後の介助など、必要な場合にヘルパーが駆けつける。事業所を運営する介護大手「ジャパンケアサービス」の瀬戸口信也取締役は、「中重度の要介護者が在宅で暮らすためには、随時サービスを夜間だけでなく、24時間実践すべきだ」と話す。 世田谷区内の、特別養護老人ホームへの入居希望者は約2200人に上る。「すべての人がホームへの入居を希望しているわけではない。夜間対応型訪問介護で、在宅での療養生活ができる体制を整えれば、こうした待機者を減らすことが出来る」と、同区保健福祉部の秋山由美子部長は、夜間対応型の意義を強調する。 不十分な介護保険 しかし、こうした夜間対応型訪問介護の事業所は全国で約120か所しかなく、利用者も約2000人と伸び悩んでいる。事業所当たりの利用者が少なく、採算性も低い。 24時間体制の訪問介護・看護を掲げるデンマークなどでは、定期訪問だけでなく、随時訪問も受けることができる。充実した在宅ケアが、安心感を与え、最期まで自宅などで暮らすことを可能にしている。一方、日本の介護保険制度では、日中に随時、ヘルパーを派遣するサービスは保険外。しかも日中の訪問介護さえ、土日祝日は営業しない事業所が多い。 渡辺裕美・東洋大教授(社会福祉学)は「社会的入院や施設偏重の介護を改めるには、夜間対応型を含め、国全体で24時間在宅ケアの定着に力を入れる必要がある」と話している。』 . |
| 2008.10.22 | ☆介護サービス費、道内自治体8割黒字か 昨年10月の利用状況(続報) 22日、北海道新聞→ 『二〇〇七年十月の一カ月間に利用された介護サービス費について、道内八割の自治体で六十五歳以上の高齢者が納める介護保険料を使い切れず、黒字になるとみられることが二十一日、東京のNPO法人の分析で分かった。第三期介護保険事業計画(〇六-〇八年度)の中間に当たり、第三期全体でも道内の過半数の自治体で黒字が見込まれる。来春の保険料改定で値上げ抑制が焦点となりそうだ。 NPO法人地域ケア政策ネットワーク(代表理事・大森弥東大名誉教授)が全国の全自治体(市区町村、広域連合)の〇七年十月の介護給付費などを調べ、サービスに対し必要だった保険料を算出。実際に徴収している保険料と比較した。 道内は、八割に当たる百四十三市町村で実際の保険料の方が多かった。必要な保険料より10%以上多かったのは九十九市町村で五割を超え、20%以上多かったのが四十三市町村で二割を超えた。全国も同様の傾向だった。 保険料が余った理由について、調査に当たった池田省三龍谷大教授は、国が削減方針を示した療養病床減少に伴う介護給付減や、サービスが魅力的でないなどの点を挙げ、「サービスの質を、見直す必要がある」と指摘する。 第三期全体では、中間期に実際の保険料が必要な保険料より5%以上多い自治体は、黒字になるとみられ、道内は七割、百二十六市町村が当てはまる。保険料は来年四月に改定予定で、黒字の自治体では引き下げや据え置きも想定される。 池田教授は、将来のサービス量の増加や来年度から予定されている六十五歳以上の負担率アップを踏まえ「中間期で実際の保険料が7、8%以上多ければ、値上げせずに済むかもしれない」という。ただ、介護職員の待遇改善に向け、事業所に支払う介護報酬の引き上げも検討課題となっているため、その負担を含めて各自治体の判断が注目される。』 . |
| 2008.10.19 | ☆介護保険料、自治体の6割「余剰」 利用見込み下回る 17日午後、朝日新聞→ 『65歳以上の高齢者が市区町村などに納めている介護保険料は、約6割の自治体で使い切れずに黒字となる見通しであることがNPO法人・地域ケア政策ネットワーク(代表理事、大森弥・東大名誉教授)の分析でわかった。サービスの利用が自治体の見込み通り進んでいないためとみられ、来年4月の保険料改定に向けた課題となりそうだ。 同NPOメンバーの学識者と自治体職員が、介護保険を運営する市区町村や、その広域連合すべて(1669自治体、07年10月時点)のデータを分析した。 高齢者の介護保険料は、自治体が予測した3年間の保険給付の見込み額に基づき、その一定割合をまかなうように決めている。そこで同NPOは、実際の給付額から本当に必要だった高齢者1人あたりの保険料(必要額)を算出し、徴収している保険料と比べてみた。 その結果、必要額より保険料の方が5%以上多い自治体が1025あり、全体の約6割を占めた。うち717自治体では保険料が必要額より10%以上多く、20%以上多いところも229あった。 介護保険のサービスは各自治体が3年ごとに見直し、併せて高齢者の保険料を改定する。現行期間は06年度から今年度末までで「中間期の07年10月時点で保険料が必要額より5%以上多ければ、全体を通じ財政は黒字基調といえる」と、分析した池田省三・龍谷大学教授は指摘している。 余った保険料は「準備基金」として各自治体に積み立てられ、09年度以降の財源に繰り入れることもできる。 保険料が余る背景として池田教授は▽提供されているサービスが利用者にとって魅力的でない▽ケアマネジャーの介護計画に十分なサービスが盛り込まれていない――などの実情があるとし、「黒字の自治体は、09年度の保険料改定にあたってサービスの利用が進まない理由を分析する必要がある」としている。』 . |
| 2008.10.16 | ☆有料ホームの入居者10万人超 07年厚労省調査 16日夜、時事通信→ 『主に民間が運営する有料老人ホームの入居者数が2007年は11万4573人と、前年に比べ25・2%増え、初めて10万人を突破したことが16日、厚生労働省の社会福祉施設等調査結果の概況で分かった。 施設数は703施設増えて前年比35・7%増の2671施設。厚労省は、特別養護老人ホームなどに入居を希望しても入れない待機者の解消が進まない中、受け皿施設として需要が高まっていることが増加の背景にあるとみている。 有料老人ホームは都道府県の施設の指定を受けると、介護保険の給付対象となることができる。 06年4月から都道府県の介護事業計画により指定を見合わせることができる総量規制が導入されたが、介護給付を受けない有料老人ホームの開設が抑制されず、増加数は介護保険制度が導入された2000年度以降最も多くなった。』 . |
| 2008.10.15 | ☆【’08知事選】介護の人材不足深刻/新潟 15日、朝日新聞【新潟】→ 『2日午前8時、新潟市西区の特別養護老人ホーム「穂波の里」。介護福祉士の滝沢かおるさん(32)は「温かいうちに食べてみませんか」と、入所者の女性に声をかけた。朝食のトレーを前に、女性は頭を垂れて眠り始めていた。30秒後、別のテーブルへ向かった。 滝沢さんはほかの2人の職員と入所者約20人の食事をみている。食事前の身支度や食事後の口腔(こうくう)ケアも含めると、1回の食事を済ますのに3時間はかかる。「お茶でも飲みながら、話し相手になりたい。でも、この人数では無理。職員みんながジレンマを抱えている」と滝沢さんは話す。 特に夜間の人手不足は深刻だ。午後5時から翌朝9時半まで、計80人の入所者を4人でみる。入所者のおむつを替え、床ずれを防ぐために何度も体の向きをかえて回る。滝沢さんは「やりがいはあるが、オーバーワーク気味。この状況に拍車がかかれば、続けられないかも」。 穂波の里ではここ数年、新卒の応募者が減っている。同施設を運営する社会福祉法人坂井輪会の上杉あさ子事務局長は「職員を補充できなければ、今いる職員の夜勤の回数や業務量が増える」と嘆く。 財団法人介護労働安定センターの06年度の調べでは、県内の介護事業者の59・4%が「従業員不足」を訴えた。また、同センターによると、介護職員と訪問介護員の県内の離職率も、16・3%(1年間の離職者総数を、調査開始時の在籍者で割って算出)で、他業種の平均14%より高い。 別の施設で働いている男性(29)は現在、給与の低さを理由に転職を検討している。1年目の月収は手取りで約13万円。その後の昇給も年4千円ほどで、結婚を機に辞める同僚も少なくないという。 県内の介護福祉士養成校11校の07年度入試では、合計690人の定員に対し、応募者は定員より少ない651人。実際に入学したのは508人だった。ある養成校は「コムスンの報道などを通じて『きつくて給料が安い』というイメージが広まった。本人が希望しても、進路指導の教諭や家族に止められる例もある」と嘆く。 人材不足が続けば、1万6千人超が入所を待っているにもかかわらず、特別養護老人ホームの新設は難しくなる。今後、団塊の世代が高齢化すれば、介護が必要となる人たちは激増する。 県老人福祉施設協議会の近藤和義会長は「職員の『社会貢献したい』という気持ちをもっと保障してあげられる施策が必要だ。働きがいのある仕事だということを学生らにもっと知ってもらう必要もある」と訴えている。(長富由希子) ◆ ●山崎栄三候補のマニフェストから 福祉・教育、予算の主役に 県の民生費は06年度決算で全国47位と、福祉が後回し。医療・福祉、教育を「予算の主役」にする。介護・福祉職場の深刻な人材不足などを改善するため、国に介護報酬の改善などを求める。特養ホームを増設し、在宅支援の拠点づくりも進める。 ◇ ●泉田裕彦候補のマニフェストから 「産業は福祉の糧」になる 特別養護老人ホームなどの施設入所に加えて、地域ぐるみで高齢者介護に取り組む仕組みをつくる。北欧諸国は高福祉、高負担でも力強い経済成長を続けている。これは多くの税金を納めてくれる企業が育っているためで、「産業は福祉の糧」になる。』 . |
| 2008.10.15 | ☆【私説・論説室から】 老健の役割が変わった 15日、東京新聞→ 『老人保健施設(老健)は、介護保険の中の施設サービスの一つである。老人福祉施設(特別養護老人ホーム=特養)、介護療養型医療施設(療養型病床群)と並ぶ重要な施設だ。 特養は寝たきり、療養型病床群は病状が安定しているが長期療養が必要な高齢者を対象としている。 老健は病状が安定している高齢者が在宅復帰を前提にリハビリや介護などを受ける“中間施設”ということになっている。 この区別はもともと曖昧(あいまい)だったが、最近はさらに区別がつかなくなった。 その一例が老健で行われる終末期の看取(みと)りが年々増えていることだ。先に京都市で開かれた全国老健施設大会では、老健での看取りに関する演題がこれまでになく多く発表された。 老健施設協会によると、老健を「ついのすみか」と考え、そこで最期を迎える入所者は五分の一を超す。 大会参加者が強調していたのは、老健の役割変化に対応した介護報酬の見直しだ。看取りは療養型病床群では医療行為の一環であり、特養では介護報酬が加算されるが、既存の老健は在宅復帰が建前なので介護報酬の加算が認められていないからだ。看取りを行うほど赤字が増えるという。 老健で最期を迎える高齢者は今後、さらに増える。 来年の介護報酬改定時には、老健での看取り機能を積極的に認め、介護報酬で正当に評価すべきだろう。(日比野守男)』 . |
| 2008.10.14 | ☆介護保険料誤徴収160件に=15日の年金天引きで-厚労省 14日夜、時事通信→ 『厚生労働省は14日、年金から15日に天引きされる介護保険料の特別徴収10月分について、全国で160件の誤徴収が生じると発表した。同省は、誤徴収となることが判明した市町村に対し、該当者に謝罪した上で返金するよう要請した。 同省によると、介護保険料を年金から天引きする特別徴収は、例えば、被保険者が転居した場合、転居先で再開されるまでに事務手続き上、半年程度の時間がかかる。このため、この間は被保険者本人が口座振り込みなどで保険料を納付する普通徴収に切り替える必要がある。 しかし、普通徴収への切り替えが必要だった17万件のうち、市町村が社会保険庁に提出するデータ131件に被保険者氏名の入力ミスなどがあった。一方、社保庁では、年金記録漏れ問題の対応として年金支給額の変更処理中であったために、被保険者の住所変更などの処理がシステム上できず、転居前の住所のまま介護保険料の年金天引きが行われるなどのケースが29件判明した。』 . |
| 2008.10.13 | ☆“お年寄り虐待”増加傾向に 昨年度13,000件余 13日朝、NHK→ 『介護が必要なお年寄りが家族や施設の職員などから虐待を受けたケースは、昨年度1年間に全国で1万3000件余りで、増える傾向にあることが厚生労働省の調査でわかりました。 厚生労働省は、お年寄りへの虐待が疑われるとして自治体に寄せられた通報のうち、実際に虐待があったと判断された件数をまとめました。それによりますと、介護を必要とするお年寄りが家族や親族から虐待されていたケースは昨年度1年間に1万3273件に上り、前の年度より5.6%増えました。 虐待の内容では、▽殴る・けるなどの「身体的な虐待」を受けていたケースが64%、▽暴言や侮辱することばによる「心理的な虐待」が38%、▽「介護の放棄」が28%でした。また、虐待をしたのは▽息子が40%と最も多く▽夫が16%、▽娘が15%などとなっています。一方、介護サービスを受けていたお年寄りが老人ホームの職員などから虐待されたケースは、全国で62件あり、前の年度より8件増えました。 高齢者虐待防止法では、虐待が疑われる際には自治体に調査を義務づけ、調査を妨げた場合には罰則が科せられます。ことし1月には、東京・西東京市で父親への虐待の疑いが持たれた43歳の娘が、立ち入り調査を妨害したとして逮捕されています。厚生労働省は「まだ表に出ていないケースもあるとみられる。通報へのすばやい対応や調査の徹底をさらに進めていきたい」と話しています。 調査結果についてNPO法人・日本高齢者虐待防止センターの田中荘司理事長は「数字はあくまでも氷山の一角にすぎず、国や自治体は相談や通報をしやすい環境づくりにいっそう取り組む必要がある。虐待した家族の側も介護のストレスで追い込まれていたケースが多いとみられ、家族を孤立させないよう支援を強化するべきだ」と話しています。』 . |
| 2008.10.08 | ☆家族らの高齢者虐待 07年度584件 深刻 介護ストレス 8日、東京新聞(埼玉)→ 『二〇〇七年度に県内で家族らによる高齢者への虐待が前年度比百六十三件増の五百八十四件発生し、被害者が同百九十六人増の六百二十二人に上ることが、(埼玉)県高齢者福祉課の調査で分かった。また介護施設での職員による虐待も、同三件増の五件あった。介護へのストレスが家族らによる虐待につながったケースが多いとみられ、同課は「家族へのきめ細かい支援を行い、虐待の抑止に努めたい」としている。 (鷲野史彦) 県によると、家族らによる高齢者虐待に関する昨年度の相談・通報は各市町村に同百七十二件増の八百六十六件あり、調査で五百八十四件の虐待が確認された。 虐待の種類(複数回答)は身体的虐待三百五十八件、心理的虐待二百二件、介護・世話の放棄(ネグレクト)百七十一件、経済的虐待百三十七件。被害者の75・2%の四百六十八人は女性で、年齢では七十五歳-七十九歳が百五十二人と最多。被害者の86・3%が加害者と同居していた。 また加害者総数は六百九十人に上り、息子40・1%(二百七十七人)、娘14・9%(百三人)、夫13・0%(九十人)だった。 市町村の対応としては、施設や医療機関への一時入院などで、被害者と加害者の分離を図ったのが二百五件、分離はせず家族への指導や介護保険のサービス内容を見直したなどのケースが三百四十件あった。 介護施設での虐待は職員が入所者ら十人に暴力や威圧的言動をしたり、性的な虐待をしており、市町村が改善計画書を提出させるなどの対応をした。 〇六年四月の高齢者虐待防止法の施行で市町村には虐待を受けた高齢者の保護が義務付けられており、県内では市町村などに虐待に対応する専門員が約三百人いるほか、民生委員や事業者と連携した虐待の連絡システムが構築されている。県は「潜在的な虐待の把握を進める一方、介護への悩みを抱える家族らの相談を進めたい」としている。』 . |
| 2008.10.08 | ☆介護施設80代虐待 おむつ巡り立腹職員が殴る 7日、讀賣新聞(静岡)→ 『(静岡)県内で2007年度に確認された高齢者への虐待は456件で、前年度より38件(7・7%)減ったことが6日、県が発表した調査でわかった。うち1件は介護施設での職員による虐待だった。同日発表された全国調査では、全国的には虐待確認件数は2006年度に比べ5・6%増加している。県内で高齢者虐待が減少したことについて、県は「虐待についての啓発が進んだのが一因ではないか」としている。 県長寿政策室の発表によると、高齢者虐待防止法に基づく調査の結果、07年度に県内の市町が高齢者への虐待として相談、通報を受けた件数は719件。前年度の756件から37件減った。 このうち、市町が実際に虐待を確認したり可能性が高いと判断したりしたのは、家族など養護者によるものが455件、介護施設従事者によるものが1件だった。 この1件は、県西部の介護療養型医療施設で起きた。最も重い要介護度5と認定された80歳代の入所者の女性が、50歳代の女性職員から手やタオルで顔などを殴られる身体的虐待を3回にわたって受けたという。 女性は目の周囲にあざができた。おむつ交換の際、言うことを聞かなかったことに女性職員が腹を立てて手を出したという。他の職員が施設の所在する市に通報して発覚し、県は介護保険法に基づく改善指導を行った。 加害養護者息子4割 養護者と虐待被害者の続柄で最も多いのは、養護者が息子の場合で、220人(41・8%)。以下、娘82人(15・6%)、夫68人(12・9%)、息子の配偶者66人(12・6%)と続いた。 虐待被害者の男女別では、女性が77・5%を占めた。虐待の種類では、暴力を振るう「身体的虐待」が44・1%を占め、以下、言葉で傷つける「心理的虐待」が21・8%、「介護や世話の放棄」が20・7%、年金を本人に渡さないなどの「経済的虐待」が13・4%――の順だった。 高齢者虐待の対応窓口は全市町が設置しているほか、虐待相談を含めた総合的な窓口となる地域包括支援センターが現在、県内112か所にある。県長寿政策室は、「通報者の個人情報を聞くことはないので、虐待が疑われたら積極的に通報してほしい」としている。』 . |
| 2008.10.02 | ☆特養の収支、大幅悪化利益率10ポイント減、賃上げ原因か(続報) 2日、讀賣新聞→ 『介護サービス事業所の経営状況について、特別養護老人ホーム(特養)など施設を中心に収支が悪化していることが、1日に厚生労働省が公表した介護事業経営実態調査でわかった。 人材確保のために職員給与を引き上げたことなどが原因と見られ、都市部での低迷が目立っている。同省は、調査結果を基に、来年度からの介護報酬を引き上げる方針。 調査は3年ごとに実施。15種類の介護サービスを提供する約2万4300施設・事業所に今年3月の経営状況を聞き、7195施設・事業所から回答を得た。 収入に占める利益の割合(利益率)は、特養は10・2ポイント減の3・4%、老人保健施設は5ポイント減の7・3%、通所リハビリは14・4ポイント減の4・5%だった。』 . |
| 2008.10.02 | ☆介護保険の事業所、利益率最大14.4ポイント悪化(続報) 2日、朝日新聞→ 『介護保険のサービスを提供する事業所の利益率が、3年前と比べて最大で14.4ポイント悪化していることが1日、厚生労働省の調べで明らかになった。来春の介護報酬改定に向けて、事業所側は人材確保のため報酬引き上げを求めているが、今回の調査結果は、その後押しになりそうだ。 厚労省は、3年ごとの報酬改定の基礎資料として、介護事業経営実態を調査。全国2万4300施設に、事業所の3月時点の収支状況を尋ねた。ケアマネジャー事業は全体的に収入に占める人件費の割合が増加しており、利益率はマイナス17%。同省は人件費の伸びが経営を厳しくしているとみる。訪問介護事業は、収支は改善したものの、収入自体が減っていた。 利益率を前回調査の3年前と比べると、デイケアではマイナス14.4ポイント。特別養護老人ホーム(マイナス10.2ポイント)や老人保健施設(同5ポイント)、訪問看護ステーション(同3.1ポイント)、ケアマネジャー(同2.6ポイント)も軒並み悪化した。 経営悪化の背景には深刻な人材不足がある。有効求人倍率をみると、07年度平均で、介護関連職種は2.1倍で、全職業の0.97倍を大きく上回り、人材確保が難しい状況になっている。 』 . |
| 2008.10.02 | ☆【連載】支えたいのに 介護現場は今 読者の声 利用者不安、家族も複雑 現場の熱意に応える環境を 1日、西日本新聞→ 『折り紙をつくる手には、人生の喜怒哀楽が刻まれているようだった。豊かなラストステージを送るために、介護保険制度のあり方を問い直したい(撮影・納富猛、場所・第2宅老所よりあい) 先月21日から5回にわたり掲載した連載「支えたいのに-介護現場は今」に、多くの反響が寄せられた。日本は2005年、高齢化率が20%を超え世界で最も高齢化が進んだ国となった。その日本で介護人材が不足しているという現状に、私たちはどう向き合えばいいのか。意見や体験談の一部を紹介する。 ◇ ◇ 佐賀県鳥栖市の要介護4の男性(87)は「毎日が戦々恐々」という。自分は寝たきり。妻は脳こうそくで2回倒れ、要介護1。1日3回ホームヘルパーが来るが「ヘルパーがどんどん辞め、ケアマネジャーが新たな事業所を探すのが大変。朝晩と昼では異なる事業所のヘルパーが来る」と不安な日々を送る。「ケアマネジャーも市役所もヘルパー探しに奔走している。このままでは認定を受けても利用できない“介護浪人”になるのでは」 利用者だけでなく、家族の思いも複雑だ。「家族でみるのがベストだと思っていた」という読者は、「精神的負担が重く、父を怒ってしまう自分が悲しい」と90歳の父親をショートステイに預けている。父は施設で足を打ったようで、車いす生活になった。人手不足で確かに目が行き届かない。「施設を責めるのは簡単だが、お互いに父が安らかに過ごせるようにできればと願っている」 ◇ ◇ 「ここへ来ると落ち着くんですよねぇ」介護現場で働く人たちからは労働環境の改善を求める声が相次いだ。 介護福祉士としてさまざまな職場で働いてきた福岡県筑後市の主婦(34)は今、介護の仕事をしていない。育児との両立の難しさ、職業病ともいえる腰痛、体力と神経をすり減らしても少ない給料…。「介護への思いをしっかりもっている人が、やりがいと余裕をもち働ける社会になってほしい」 6年間介護職として働く女性は同僚が何10人も辞めていった。「現場は限界。改善しない限り人材は他業種へ流れ、そのうち介護者がいなくなる」と訴える。 一方、希望に燃えて介護の現場を目指す若者たちもいる。大分県内の女性(47)の長女は今春、老人保健施設で働き始めた。女性が心配して「身体的にきついならケアマネジャーの資格を取ったら」と助言すると、娘は「お年寄りとふれあう今の仕事が好き」と語った。妹も姉と同じ道を目指している。2人の娘を誇らしく思うと同時に、「低賃金などで若い人材が介護現場を離れることのないような制度にしてほしい」と願う。 長崎県在住の高校3年生(18)は姉が介護現場で働いており、自分は医療現場で働くことを目指す。「私を必要としてくれる人のために、時代にほんろうされない心を持ち続けて頑張りたい」 ◇ ◇ 具体的な対策についても意見が寄せられた。 介護関連の有限会社を設立した読者は、社会福祉法人と同じように一部非課税を求める。「有限会社も社会福祉法人と同じ扱いになれば職員に一定の給料は出せるだろうし、補助金があれば職員を研修にやれる」 福岡県大野城市の女性(65)は「官庁や企業の新人はヘルパー研修を受けて資格を取り、1、2年介護施設で体験研修を兼ねて働いてはどうか」と提案する。まずは官庁が給与を払い公務員から始めれば、介護現場はわずかでも人手不足が緩和され、公務員も実態を踏まえた思考ができる、というわけだ。「ただ手をこまねいて悲観的に考えても何も生まれない。社会全体からアイデアを集約するシステムが必要だ」と指摘している。』 . |
| 2008.10.01 | ☆介護サービス事業、利益率低下=08年経営実態調査-厚労省 1日夜、時事通信→ 『厚生労働省は1日、2009年度介護報酬改定の基礎資料となる08年介護事業経営実態調査の結果をまとめ、自民党の社会保障制度調査会介護委員会で報告した。特別養護老人ホームの利益率は3.4%(前回調査の05年13.6%)と黒字を確保しつつも、人件費の伸びなどで大幅に減少。居宅介護支援はマイナス17.0%(同マイナス14.4%)と赤字が拡大した。 介護労働者の離職率は07年度で21.6%と全産業の15.4%を上回り、原因として賃金が低いことなどが指摘され、事業者は人材確保のため十分な賃金を払えないことを運営上の問題としている。』 . |
| 2008.09.28 | ☆【連載】支えたいのに 介護現場は今<5完>価値 一人一人どう向き合う 26日、西日本新聞→ 『お年寄りと職員たちは、手を携えて散歩に出かけた。明るい日差しが彼らを照らした(撮影・納富猛) 連載を通じて掲載した第2宅老所よりあい(福岡市南区)の写真。皆さんはどうご覧になっただろうか。 よりあいでは眠たくなるほど緩やかな時間が流れている。懐かしく、居心地が良い。なぜなのだろうか。施設長の村瀬孝生さん(43)は「本来、介護で流れる時間と社会で流れる時間は違う」という。村瀬さんには、いま私たちが生きる社会は、自分たちの時間に介護の時間を無理やり乗せようとしているように見えてならない。 経営は厳しい。寄付金や住民からの借り入れ、バザーの売上金、講演料などで何とか賄おうとしている。介護保険導入後、国は「市場論理」「企業努力」と口にするが、介護報酬の上限があるのにどう企業努力するのか。人が人として働けていない現実に「労働そのものが壊れている」と思う。介護の世界だけでなく、今の日本の社会全体がそう見える。 ◇ ◇ 読者の方々から多くの意見をいただいた。 現場で働く人たちからは、つらいのは低賃金だけでなく、施設の労務管理に対する意識の低さや、効率重視の方針についていけないなど、さまざまな背景が寄せられた。お年寄りを当然のように施設に任せっぱなしにして、介護サービスを“消費”するような家族への違和感や無力感も吐露された。 一方、家族からは「施設は慢性的に目が行き届かない状況で、何度もけがをした」「どこも満床で行き場がない」など、介護者不足がもたらす不安も広がっている。 「職員に配分されるべき金が経営者の懐に入っているのではないか」との意見もあった。これに対し、ある施設経営者は「介護保険導入後は立派な施設などで差別化を図る事業者も目立つが、建設費などの借入金を介護報酬から返済しようと、人件費を抑えるケースも多いのではないか」とみる。二度にわたる介護報酬のマイナス改定で目算が狂い、経営が成り立たずに閉鎖に追い込まれる施設も出ている。「一番迷惑を被るのは利用者であるお年寄りだ」という。 ◇ ◇ 利用者の家族からは、「世の中にはほかにも大変な仕事がある。マスコミがあおりたてるから介護現場に人がいなくなる」との指摘もあった。この連載を始めるにあたり、そのことは考えた。それでも多くの人に介護現場に目を向けてほしい、同時に、連載4回目で紹介したように、介護という仕事の素晴らしさを知ってほしい、と考えた。 2000年に導入された介護保険は「お年寄りを社会でみる制度」として期待され、家族に負担がかかっていた悲惨な状況を変えた。だが、制度は過渡期にある。来年度は介護報酬改定の時期に当たる。国も動きを見せる。昨年8月には福祉人材確保指針を見直し、「キャリアと能力に見合う給与体系の構築」「教育機関などによるボランティア体験の機会の提供」など対策を掲げた。 問題は財源だ。だれがどれだけ負担するのか。保険料を上げるのか、税金をつぎ込むのか。いずれにしても私たち国民の決断にかかっている。 取材を通じて、介護とは人と人が向き合う仕事であり、1人の人間が人生を最後まで豊かに貫くことを支える仕事である、と痛感した。介護労働に価値を置くということは、つまり、一人一人の生き方にどれだけ価値を置ける社会なのかということではないか。多くの人に考えてほしい。 =おわり (この連載は酒匂純子が担当しました) ◇ ◇ 読者から寄せられたご意見、体験談は10月1日に掲載します。 × × 福祉人材確保指針 国は少子高齢化の下、福祉人材を確保しようと1993年に制定。2007年には「福祉・介護ニーズがさらに増大し、質的にも多様化・高度化している」として見直した。労働時間短縮など労働環境整備のほか、キャリアアップの仕組みの構築、福祉・介護サービスの周知や理解、潜在的有資格者や多様な人材の参入促進などがポイント。経営者や関係団体、国、地方自治体が連携し、それぞれの役割を果たすことで実現していくとしている。』 . |
| 2008.09.25 | ☆【連載】支えたいのに 介護現場は今<4>誇り 人生にかかわれる幸せ 25日、西日本新聞→ 『幸一(24)がご飯を食べさせようとすると、90代の女性はいきなり幸一の顔面にガツンと“空手チョップ”をした。「はよ、はよ」。食べさせる速度が遅いらしい。 女性の手のひらは硬化していて、かなり痛い。それでもこの認知症の女性が自分の意思を表現してくれたことがうれしい。幸一は「ごめん、ごめん」とほほ笑んで女性の口にご飯を運んだ。女性は満足そうな表情になった。90年分の人生が作り上げた、手のひらの硬さ。顔面の痛みは、ふわっと心に染みた。 認知症の人たちが暮らす福岡県内の病院(療養病床)で働いて3年半になる。幸一は認知症の人たちが好きだ。自分たちは感情を抑えながら生活しているけれど、認知症の人たちは感情に素直に一生懸命生きているように見える。お年寄りと毎日語り合いながら「自分もそんな風に一生懸命生きたい」との思いが募る。 ◇ ◇ 小さいころから自閉症やダウン症、パニック障害など、いろんな友人が周りにいた。だから「障害者」という表現がピンとこなかった。けんかもした。遠慮はしなかった。お年寄りだって「認知症だから仕方がない」と決め付ける言い方には、違和感がある。 ある日の病院。入所者たちがくつろいでいるとき、ある女性が別の女性の足をけった。この場合、病院では2人の距離を離すよう指導されている。でも、それぞれの気持ちはどうなるのか。 幸一はそれぞれに話をした。「なんでけったん? 自分がされたらいややろうもん」「痛かったね、大丈夫?」。するとけった女性は「ごめんね、もうせんけん」と小声で謝った。しばらくすると2人はそのこと自体を忘れてしまった。だが、その瞬間だけでも人と人として接するべきじゃないんだろうか。 病院には病院の考え方がある。専門性と効率性を求め、「だれがかかわっても一定のケアを」とマニュアルを重視する。それも重要だろう。しかし幸一には「幸せに生きてもらいたいという目標は同じでも、人間と人間なんだからかかわり方は異なってもいい」と思えて仕方がない。そんな自分は職場で「甘っちょろい」と言われている。 ◇ ◇ これまでいろんなお年寄りに出会ってきた。 実習で訪れた施設では、認知症の女性が大事そうに抱えていたものをのぞき込もうとしたとき、女性が転倒した。手に入っていた便が幸一の顔に。女性は申し訳なさそうにしながらも、こらえ切れずに笑いだした。幸一も何だかおかしくなって笑ってしまった。女性が施設の人に怒られないように、2人でこっそり洗いにいった。 病院では、わがままばかりで煙たがられていた男性がいた。夜に電気を消すと暴れる。話を聞くと、戦時中、戦地で人が人を襲う現場に遭遇したという。計り知れない人生の重みに、幸一は介護の奥深さを知った。 出会ったお年寄りたちは死んでいく。その男性も、息を引き取った。でも幸一は、涙をこらえる。「本当の家族と同じようにしちゃいかん」と思うからだ。自分は「疑似家族」にはなれても、本当の家族にはなり得ない。いい人生だったと、家族に思ってほしい。自分はそれぞれの人生にかかわれたことを誇りにして生きていきたい。 いま月給は15万円。結婚して子どもができたら生活 |