2008.12.31 ☆障害者雇用で官民格差 山口
  31日、中國新聞→

  『山口県内の障害者雇用について、民間企業と公的機関の格差が広がっている。民間の実雇用率が前年比0.05ポイント上昇し2.22%と2年連続で最高を更新した。一方、県と県警、県教委などは前年割れ。特に県教委は、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率を15年連続で下回り、山口労働局が改善を指導した。

  労働局が、6月1日時点での雇用状況を調査。障害の重さや勤務時間で、雇用者数を0.5―2人に換算して算出した。県教委が雇用する障害者は117人で、57人が不足。実雇用率は法定を0.66ポイント下回る1.34%で、前年より0.02ポイント下がった。

  県教委教育政策課によると、障害者雇用の内訳は教員88人、事務職員29人。同課は「母数の大きな教員での採用が少ない。教員免許を持つ障害者がそもそも少ない可能性がある」とみる。2005年から教員採用試験に定員1人程度の身体障害者枠を設けたが、応募は計13人で合格者は2人。県教委は枠を継続しながら、事務職員も積極的に受け入れ、雇用率向上を目指す。

  県の実雇用率は前年比0.07ポイント減の2.24%▽県警は0.54ポイント減の2.40%▽県立大は0.34ポイント減の3.41%。いずれも法定雇用率2.1%は超えたが、前年を下回った。民間企業は、法定雇用率1.8%が適用される従業員56人以上の691社を調査。総数12万9491人中、2880人が障害者と、高い雇用率だった。』
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2008.12.28 ☆無認可作業所5割、補助金打ち切りも…東京23区・政令市
  28日、讀賣新聞→

「法定」移行に壁
  障害者の就労施設として全国で5万人以上が利用していた無認可の小規模作業所について、2006年施行の障害者自立支援法に基づく法定施設への移行が、政令市17市と東京23区で5割にとどまっていることが、読売新聞の調査でわかった。

 未移行の施設は自治体からの補助金が打ち切られる恐れもある。
小規模作業所には市町村などが補助金を交付しているが、同法に基づき、地域活動支援(地活)センターなどの法定施設に移行すると国が財政的支援を行う。移行には法人格の取得が必要で、地活センターは10人以上が利用できる規模、などの条件がある。

 小規模作業所は同法施行前に全国に約5800か所あったが、調査では、政令市と23区にあった1541か所のうち、10月1日現在(23区は4月現在)で地活センターに移行したのが464か所、自立支援給付事業の施設への移行は313か所で計777か所。

 規模の小さい施設が多いためだが、「利用者数に応じた定額支給」の補助金が、移行によって「利用日数に基づく支給」となる場合もあり、収入減を懸念して移行できない施設もある。移行しない場合、今後の補助金交付は自治体の判断にゆだねられる。』
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2008.12.19 ☆障害者福祉、事業者報酬5.1%上げへ 初改定で方針
  19日、朝日新聞→

  『政府は18日、障害者自立支援法で障害福祉サービスを提供する事業者への報酬を、来年4月から5.1%引き上げる方針を固めた。06年の同法施行後、初の改定。介護保険の報酬改定はすでに3%引き上げが決まっている。障害福祉サービスの人材確保も深刻なため、介護報酬を上回る引き上げに踏み切る。

  報酬改定は介護保険と同様、原則3年ごとに実施される。原則1割の利用者負担のほかは、国が半分、都道府県と市町村で残り半分を負担。国の今年度の予算規模は約5千億円。

  障害福祉の現場では、介護現場と同様に人材不足が深刻で、処遇改善などが急務となっている。厚生労働省が11月に発表した初の経営実態調査(07年度)では、障害福祉のホームヘルパー(常勤)の年収は258万3千円で介護のヘルパーより11万円以上低かった。』
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2008.12.18 ☆障害福祉サービス報酬引き上げへ 人手不足深刻で4%台
  17日夜、時事通信→

  『政府は17日、就労訓練やホームヘルプなどの障害福祉サービスを提供する事業所に支払う報酬を来年4月から引き上げる方針を固めた。引き上げ幅は平均4%台で調整し、財務、厚生労働両省の来年度予算の折衝で近く確定させる。引き上げに必要な財源は200億円強。

  報酬は3年ごとに改定することになっており、2006年度の障害者自立支援法施行後、今回が初めての改定。高齢者介護と同様、障害福祉の現場でも低賃金による人手不足が深刻化していることから、報酬アップが必要と判断した。ただ、サービス利用に伴う障害者の自己負担も微増することになる。

  介護保険サービスの報酬では、来年4月から平均3%の引き上げ方針が既に決まっている。厚労省は「障害福祉では、より高い専門性が求められる」として、3%以上の引き上げを求めていた。

  個別サービスの報酬改定では、平均で赤字経営となっている訪問サービスなどへの上乗せを検討。このほか、サービスの種類を簡素化した新しい体系への移行が進むよう、報酬改定で誘導する方針。』
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2008.12.17 ☆障害者自立支援法見直し、原案は原則「全額公費負担」
  17日午後、讀賣新聞→

  『与党が検討している障害者自立支援法の見直しの原案が17日、明らかになった。

  介護など福祉サービスを利用する際の負担に関する原則を、「1割の自己負担」から「全額公費負担」に改める内容だ。一方で、所得のある人には能力に応じた負担を求めると明記する。来年の通常国会に改正案を提出し、来年度中に実施することを目指す。

  原案は与党の「障害者自立支援に関するプロジェクトチーム」(座長・木村義雄自民党衆院議員)がまとめたもので、17日午後の会合で検討する予定だ。

  2006年4月に施行された同法は、サービスの利用量に応じてかかった費用の原則1割を自己負担させる「応益負担」の立場をとっている。これに対し、低所得者からは「負担が重い」と不満が出ており、10月には各地の障害者29人が、同法が憲法の保障する生存権を侵害しているなどとして全国一斉訴訟を起こした。与党の見直しはこうした動きを踏まえ、同法の理念を、所得などに応じて自己負担させる「応能負担」に改めるものだ。

  政府は現在、所得ごとに負担額を定めることにより、平均の自己負担割合を3%程度に引き下げる負担軽減措置をとっており、公費支出は年間100億円の増加となっている。与党は法改正後もこの枠組みを維持し、支払い能力のある人に応分の負担を求める方針だ。

  また、原案には、福祉サービスのうち、障害者が福祉施設で作業して賃金を得る就労支援サービスでは当分の間、自己負担を求めない方針も盛り込まれた。全国的に賃金が少ないため、負担を求めるのは適切でないと判断した。

  同法については、民主党も「応益負担」を「応能負担」に変更する内容の改正案を国会に提出している。』
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2008.12.11 ☆障害者雇用促進法改正案が衆院通過
  11日夜、時事通信→

  『中小企業の障害者雇用てこ入れを目的とした障害者雇用促進法改正案は11日の衆院本会議で全会一致で可決、参院へ送付された。今国会で成立する見通しだ。

 同法は、企業に従業員数の1.8%以上に当たる障害者の雇用を義務付け、これを達成していない企業から納付金を徴収している。改正案は、納付金を負担させる企業の規模を、現在の「301人以上」から段階的に「101人以上」に引き下げる。また、パートタイムの障害者を雇用義務対象に追加する。』
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2008.12.11 ☆障害者支援法:「区分」見直し提示 発達障害も対象--厚労省案
  11日、毎日新聞→

  『厚生労働省は10日、障害者自立支援法の施行後初の見直し(09年度)に向け、社会保障審議会障害者部会に報告案を提示した。支援サービスの必要度を示す「障害程度区分」の見直しや、発達障害、高次脳機能障害を対象に含めることなどを盛り込んだ。厚労省は年内に報告をまとめ、与党との調整を経て、法改正案を来年の通常国会に提出する方針。

  報告案は現行の障害程度区分について「知的障害、精神障害が1次判定で低く判定される傾向にあり、抜本的な見直しが必要」とした。▽人材確保と事業者の経営安定のため09年4月に障害福祉サービス報酬を改定▽障害者の相談支援充実--なども盛り込んだ。

  また、障害者が受けるサービス料の1割を原則自己負担する応益負担(定率負担)に関しては、軽減措置を09年度以降も継続するよう言及し、応益負担自体は維持する姿勢を示した。』
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2008.12.03 ☆自立支援法:障害者1割負担軽減を制度化へ 与党PT
  3日昼、毎日新聞→

  『与党の障害者自立支援に関するプロジェクトチーム(PT)は3日、障害者自立支援法の抜本的見直しの一環として、障害者が受けるサービス料の1割を原則自己負担する応益負担(定率負担)の軽減措置を制度化する方針を固めた。制度化で支援法施行前の応能負担(所得に応じた利用者負担)に近づけたい意向。軽減措置は、低所得の障害者に向けた今年度までの緊急措置で、平均的な負担は約3%になっている。

  応益負担は、将来的に障害者福祉を介護保険へ統合させることを前提に導入したとされる。障害者が作業所で働く際などにも負担が生じることから、障害者や家族、障害者団体などが批判。違憲として負担廃止を国などに求める訴訟も今年10月に提訴された。

  与党PTは昨年12月、障害者福祉と介護保険との統合を前提としないことや、障害基礎年金引き上げの検討などを盛り込んだ支援法の抜本的見直しの報告書をまとめた。介護保険と統合しない点は、法改正で盛り込むことを含めて調整を進める。』
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2008.12.01 ☆障害者支援で新法制定を=共産
  1日夜、時事通信→

  『共産党は1日、現行の障害者自立支援法を廃止し、福祉サービス利用者の1割負担の廃止や事業者に対する報酬引き上げなど7項目を盛り込んだ新法を制定すべきだとする提言を発表した。

  同党の市田忠義書記局長は記者会見で、「(現行法の)単なる部分的な手直しでは済まされない事態に直面している。明確に現行法を廃止して、新たに総合的な法制度を確立することが必要だ」と強調した。』
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2008.11.27 ☆障害者給付金の運用改善を=厚労省にあっせん-総務省
  27日夜、時事通信→

  『総務省は27日、心身障害者が扶養共済制度に基づく月額2万円の給付金受給を「収入増」とみなされ、支援入居施設の利用負担額も増える現行制度について、運用方法を見直すよう厚生労働省にあっせんすると発表した。

  給付金は、低所得の障害者が安定した生活を送れるための制度で、現在約3万9000人が受給している。しかし、厚労省は給付金を「収入」とみなしており、支援施設に支払う利用負担額が増加。結局、受給者の手元に残る金額は給付金を受け取っていない人とほぼ同額となる不合理が生じていた。』
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2008.11.27 ☆【連載 】自立の現場 揺れる障害者福祉<7完>就労 発想の転換が機会生む
  27日、西日本新聞→

  『「おはようございます」。知的障害のある清永政利(33)と荒津孝志(22)が車両基地・JR九州南福岡電車区(福岡市博多区)で働き始めて2カ月。元気の良いあいさつは職場ですっかり有名だ。「『あいさつが大事』っていつも言われていますから」と口をそろえる。

  2人は「ジェイアール九州メンテナンス」に3カ月の試行雇用で採用され、ゴミの分別などを担当している。「2人とも元気が良いし、まじめで素直」と職場の評価も上々で、同社は試行雇用期間後も契約社員として採用する予定という。

  2人が通うNPO法人「福岡ジョブサポート」(同市東区)は「ジョブコーチ(職場適応援助者)付き就労」を事業の柱に据えている。就労意欲の強い障害者が職員(ジョブコーチ)とともに連携先の菓子店で一般の従業員と一緒に軽作業を行い、終業後にコーチから助言を受ける。2人もこのプログラムを経て、試行雇用に出た。

  理事長の松本玲子(61)は「必要なのは作業の技術よりもあいさつとかまじめさなど基本的なこと。施設ではそれがなかなか身に付きにくい」と語る。これまでに26人を一般企業に送り出し、うち21人が離職せずに定着している。

  1999年に作業所として始まった福岡ジョブサポートは昨年2月、障害者自立支援法の新体系に移行した。就労支援策強化を掲げる同法について松本は「当事者も私たちも『就職する』という目的意識がより明確になり、トレーニングに臨む姿勢も積極的になった」と好影響を指摘する。

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  落ち着いた照明がおしゃれなカフェ「オリジナルスマイル」(同市東区若宮)は、社会福祉法人「福岡たちばな福祉会」が運営する知的障害者が働くための「就労移行支援」の事業所だ。

  同福祉会は障害者自立支援法施行後、少しずつ事業を広げてきた。法施行で賃貸物件でも施設運営が可能になったことを受け、菓子工房を賃貸ビルに移転し拡大、カフェも料亭だった建物を借りて改装した。

  事業拡大により利用者数は増え、補助金も年約4000万円から約7000万円に増えた。職員数は12人から倍増。収益も上がり、利用者の平均工賃も約1万円から約2万円にアップした。同会管理者の末松忠弘(36)は、「応益負担を除けば」という前提ならば、支援法を評価するという。

  「法律を活用すれば就労や工賃増につなげることもできる。補助金に頼るだけの施設運営から、就労支援の事業経営に転換できるか。それが問われている」

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  今秋、福岡市であった県中小企業経営者フォーラムで、末松は企業経営者たちを前に講演した。「福祉の人間に『商売』は難しい。企業にはボランティアではなく、ビジネス(仕事)として(障害者福祉に)かかわっていただきたい」。対して、経営者からは「欲しい人材を施設側は安定的にそろえられるのか」といった質問が上がった。

  末松は講演後、「企業や地域の協力は不可欠。接点はあるはず。議論を重ねたい」と表情を引き締めた。施設から地域へ。支援法の理念は、福祉施設側の努力だけでは実現できない。 (敬称略)
=おわり(この連載は江藤俊哉が担当しました。読者の声を踏まえた記者ノートを後日掲載します)

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●障害者自立支援法メモ
  ▼就労と工賃 障害者雇用促進法は民間企業(従業員56人以上)に障害者雇用を義務付けている。2008年6月現在、民間企業に雇用されている障害者は前年比7.6%増の約32万6000人で、雇用率は1.59%。法定雇用率1.8%を達成している企業は44.9%だった。障害者自立支援法の就労移行支援事業を経て一般就労に移行した障害者は同年4月現在、利用者の14.4%にすぎず、移行者が1人もいない事業所が全体の4割を占めている。

  一方、07年度の全国の施設の月平均工賃は就労継続支援(雇用型)8万5000円▽同(非雇用型)1万3000円▽福祉工場12万8000円▽入所・通所授産1万3000円▽小規模通所授産9000円。』
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2008.11.26 ☆障害者雇用 企業6割 法定雇用率達成 全国4位 就労支援策 後押し/島根
  26日、讀賣新聞(島根)→

  『2008年6月1日現在、県内の民間企業の約6割で、法定雇用率以上の障害者を雇用していることが島根労働局の調査でわかった。雇用率自体も前年から0・08ポイント増の1・78%とわずかながらアップしており、県内の各機関が連携して障害者の就労を支える仕組みが少しずつ機能してきたといえそうだ。
  同局は毎年、障害者の雇用を義務づけられている、従業員56人以上の民間企業407社と、県や自治体、島根大など39機関を対象に、6月1日現在の障害者雇用状況を調べている。

  今年の調査では、雇用率の上昇はわずかだったが、法定雇用率を達成した民間企業の割合が、前年に比べ3・4ポイント増の62・4%になり、全国都道府県でも4番目に高い達成率になった。

  企業の中では、山陰合同銀行(本店・松江市)が今年初めて法定雇用率をクリア。また未達成の企業の75%も、あと1人雇用すれば基準を超えるという。

  県では、06年に障害者自立支援法が施行されたのを機に、県内7圏域に障害者の生活や就労の相談に乗ったり、企業にアドバイスしたりする障害者就業・生活支援センターを設置。ハローワークや医療機関などと連携して、その人に合った仕事や働き方を提案しており、そうしたチームで個別対応する方式が、雇用率を押し上げたとみられる。

  とはいえ、県内ハローワークに就業希望を登録する障害者は年間約2000人おり、そのうち就職できたのは5分の1程度。特に精神障害者に対する企業の偏見が根強く、雇用拡大の壁になっている。

  同局の佐々木信哉・地方障害者雇用担当官は「3か月の試行雇用や短時間勤務など、まず実際に働く様子を知ってもらう取り組みを進めている。時間はかかるが、少しずつでも雇用を増やしたい」と話している。』
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2008.11.26 ☆企業の障害者雇用率1・54% 全国平均下回る/茨城
  25日、讀賣新聞(茨城)→

  『茨城労働局は、6月1日現在の障害者雇用状況を発表した。県内の民間企業の障害者雇用率は、昨年と同じ1・54%で、全国平均(1・59%)を下回った。全国順位は昨年より三つ上がって33位。一方、公的機関では、全市町村が、障害者雇用促進法で定められた法定雇用率を達成する見込みになるなど、一定の改善が見られた。

  調査は、県内にある従業員56人以上の企業1108社と84の公的機関を対象に行った。

  民間企業で雇用されている障害者の数は、昨年比2・8%増の3301人。法定雇用率(企業1・8%)を達成している企業の割合は、昨年より0・8ポイント上昇したものの、51・8%にとどまった。未達成企業のうち、7割近い364社が1人不足の企業だった。

  公的機関のうち、県教委は、法定雇用率(県教委2・0%)を大きく下回る1・34%だったが、昨年比では0・17ポイント増とわずかに改善した。

  市町村では、土浦市、かすみがうら市、龍ヶ崎市、鹿嶋市、利根町が、6月1日現在で、法定雇用率(市町村2・1%)を下回ったが、その後、各市町とも採用者を増やし、来年1月には県内全市町村で法定雇用率が達成される見通しとなった。また、18の独立行政法人のうち、法定雇率未達成の法人は3機関で、昨年の8機関から減った。』
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2008.11.24 ☆【連載】自立の現場 揺れる障害者福祉<5>児童福祉 契約では子ども守れぬ
  23日、西日本新聞→

   『「今が一番、夢見る時期よ」。福岡市の主婦谷川小百合(43)は先輩ママからよく言われる。ダウン症のある二男(4つ)はゆっくりだが、確かに成長している。昨年5月、福岡タワーであった「階段のぼり大会」では自分の意思と足で577段を登り切った。何よりメロメロになるほどかわいい。「きっとこの子にしかできないやり方で多くの人を幸せにしてくれるだろう」と信じている。そんな小百合も最近、不安に思うことがある。二男が通う私立の知的障害児施設の先生が先月、退職した。4月に新卒で入ったばかりの男性の非常勤職員だった。

  施設によると、退職の理由は「家庭の事情で、もっと収入が必要」。非常勤職員の給料は手取りで約12万円。その先生はその後、福祉とは無縁の仕事に就いたという。

  2006年の障害者自立支援法施行に伴い、児童福祉法の障害児に関する部分が改正された。障害児施設も「応益負担」が導入され、施設収入は「日割り」で計算されて、多くの施設が減収に見舞われた。小百合の二男の施設も約1000万円減り、職員の賞与カットなどで対応せざるを得なかった。自立支援法施行とそれに連動した児童福祉法改正について、小百合は「複雑すぎてよく分からない」と話す。ただ、信頼する施設が四苦八苦する姿に疑問は募る。「どうして現場で頑張っている先生方が報われないのでしょうか」

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  弥生の入所する知的障害児施設の夕食。皆とテーブルを囲む、何より楽しいひとときだ
  やっぱり母は来なかった。10月、鹿児島市の知的障害児入所施設の運動会。日ごろ、お笑いタレントのまねをして皆を笑わせる河本弥生(17)はさすがに寂しそうだった。「お母さんは夜、仕事だから。昼間は疲れて眠ってるもん…」

  弥生は2000年、行政措置により、8歳で施設に来た。当時、母親は結婚と離婚を三度繰り返し、弥生を託児所に預けて別の男性と同居していた。措置を決めた児童相談所の所見には母親について「話を理解する能力に劣る」と記されている。託児所も「虚言が多い」と証言していた。

  児童福祉法改正の影響は弥生の境遇にも、別の形で見て取れる。障害児施設の利用は原則、行政による「措置」から、施設と保護者の「契約」に切り替えられることになった。弥生の施設は入所児約40人のうち弥生を含む12人について養育環境に問題があるとして「措置」の継続を児童相談所に訴えた。結果、措置が維持されたのは2人。後は契約に切り替えられた。弥生もその1人。契約になると、施設利用料や食費などの一部が「応益負担」となる。しかし、弥生の母親からの入金は当初から滞りがちで昨年7月から途絶えた。滞納は17万円に上る。

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  弥生の母親は1年間まったく連絡が取れなくなったかと思うと、突然迎えに来て1週間ほど連れて帰る。弥生の話では、帰るたびに違う男性が同居していて、母親は毎日、朝帰りするという。その間、弥生は知らない男と2人、市販の弁当を食べて夜を過ごすのだ。

  年ごろになった知的障害のある少女をそんな環境に戻すわけにはいかない。措置のころなら、施設側も「帰せません」と断れたが、契約になった今は無理を言えない。母親に「解約する」と言い出されたら元も子もないからだ。職員は「1泊だけにしてください」と懇願するしかない。「もともと環境に問題があって入所した子ばかり。それを保護者の意思に任せる『契約』制度は国の責任放棄だ」。施設の職員は訴える。

  鹿児島県内の知的障害児施設には4月現在、236人が入所している。うち措置はわずか8人。同県障害福祉課は「国が示した基準を適用した結果」としている。 (文中仮名)

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●障害者自立支援法メモ
  ▼障害児施設の契約制度 障害児入所施設の契約制度について、厚生労働省は「措置」とする場合の基準を(1)保護者が不在(2)保護者が精神疾患など(3)保護者の虐待などにより、入所が必要であるにもかかわらず契約締結が困難─の3点とする見解を示している。だが、実際の判断は各都道府県に委ねられており、大きな格差がある=表参照。また児童福祉法上の他の施設(児童養護施設など)は従来通り「措置制度」が維持されており、関係者からは「施設格差と地域格差の二重の差別」として批判が強い。厚労省の「障害児支援の見直しに関する検討会」は7月の報告書で、地域格差について「ガイドラインで判断基準を明確化すべき」と指摘したが、制度自体は「現行を基本にする」とした。』
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2008.11.23 ☆【連載】自立の現場 揺れる障害者福祉<4>過疎地の作業所 唯一の居場所守りたい
  22日、西日本新聞→

  『ダイコンやハクサイなどが植えられた後藤崇さんの家の畑。無農薬のため草取りなどの手間は掛かるが「野良仕事は好き。苦にならない」と言う
  棚田の頂きに立つと、山並みの稜線(りょうせん)が視界に広がる。見下ろせば、田畑が続く先のくぼ地に、数軒の民家が寄り添っている。紅葉は盛りを過ぎ、山には冬の気配が漂う。

  後藤崇(42)=仮名=はこの集落で72歳の両親とともに暮らしている。小さな田畑を耕す傍ら、福岡県黒木町の作業所「茶の実」に通う。作業所まで車で約一時間。毎朝、険しい谷沿いの道をうねうねと下る。

  高校卒業後、県外の工場に就職したが、軽度の精神障害を患い、1年で帰郷した。町内のパチンコ店に住み込みで働いたこともあるが、うまくいかなかった。

  現在の収入は障害基礎年金と作業所の工賃約4000円だけ。山の暮らしに車は欠かせない。月2回通う八女市の病院は、作業所からさらに30分かかる。ガソリンが高騰した今夏は燃料代が月1万数千円も掛かった。コメも野菜も自給自足とはいえ、それだけでは暮らせない。父母は土木作業や農産品加工場で働きやりくりしてきた。

  「仕事に就かんと食べていけんしねえ。お嫁さんも来てほしいけど…。この子のことを考えたら、死ぬに死ねんですよ」。そう語る母の目がにわかにぬれた。隣で崇は黙って聞いていた。

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  「茶の実」は黒木、星野、矢部、上陽(現八女市)4町村の精神障害者家族会が1999年に設立した。この地域では唯一の作業所だ。

  10人前後の利用者全員がマイカーで通う。「車がないと通所は無理」と所長の向剛毅(77)は言う。路線バスは便が少なく、片道三100-400円かかるところもある。身体障害者や知的障害者と違い、運賃割引がない精神障害者には大きな負担だ。

  主な作業は町内の商店から受けた線香の箱詰め作業やちょうちん張りなどだが、収益は年間100万円足らずだ。「田舎はただでさえ仕事がないですもん」と向は話す。

  昨年、「茶の実」は障害者自立支援法の新体系に移行し、「地域活動支援センター」に位置付けられた。移行は法人化が条件で、基本金1000万円が必要。地元の支援団体の寄付を取り付け、隣の八女市の作業所と運営を一体化することで、社会福祉法人格を取ることができた。

  国、県、市町村から年約500万円あった補助金は激減した。新体系では市町村の財政規模に左右されるようになり、昨年度はわずか約350万円。本年度は交渉で50万円の増額を得たが、これ以上は「財政難で無理」という。

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  向の父は1941年に統合失調症を発症し、入退院を繰り返した。障害への偏見がまだ根強い時代。苦労する母の背を見て育った。救いは晩年の父の姿だ。地域のゲートボールに通うようになり、94年に亡くなるまでの最後の十数年を自宅で穏やかに過ごした。

  「父にゲートボールがあったように、障害者には受け入れてくれる場所が必要なんです」。「茶の実」は向のそんな思いの結実だ。

  当時、この地域の精神障害者は病院のほかは行き場がなく、自宅にこもるしかなかったという。「安心できる居場所を作りたい」と家族が行政と掛け合い、設立にこぎつけた。入所者が増えると自腹で増築資金150万円を出し、必死で「居場所」を守ってきた。

  だが、向も他の家族も年を取った。後継者がいなければ、利用者は行き場を失う。崇のように山間地の利用者は遠い街の作業所まで通わねばならず、自宅に閉じこもる日々に逆戻りしかねない。「後を継いでくれる人はおらんですかねえ」。向は役場に行くたびに職員に相談するが、はかばかしい答えは返ってこない。 (敬称略)

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●障害者自立支援法メモ
  ▼小規模作業所 全国に約6000カ所を数え、障害者の地域生活や就労を支援する「地域に根差した福祉事業」として多様な機能を果たしてきた小規模作業所は、障害者自立支援法施行後、機能や規模に応じて新体系への移行が進んでいる。

  移行先として最も多い地域活動支援センターは障害者に創作・生産活動の機会を提供したり、社会との交流を促したりする市町村の委託事業。国は同センターへの補助金の目安として、交付税措置による基礎部分(600万円)に加え、規模に応じて600万─150万円の国庫補助を実施するとしているが、実際の補助金額は市町村に委ねている。

  小規模作業所として存続することも可能だが、各都道府県が実施していた運営費の補助金制度が相次ぎ廃止される一方、国が移行準備資金の助成制度を設けるなど新体系への移行を強く促す施策が取られている。』
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2008.11.21 ☆障害者自立支援法、発達障害者も対象に 社会保障審部会
  21日夕、朝日新聞→

  『社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の障害者部会は21日、来年度の障害者自立支援法見直しで、発達障害者がサービスを利用できることを明確にする方針を打ち出した。所得が一定以下の場合などの自己負担軽減措置は継続すべきだとした。12月にまとめる最終報告に盛り込み、厚労省は方針に沿った見直しを実施する見通しだ。

 身体、知的、精神各障害に分かれていたサービスをひとまとめにした同法は06年度の施行以来、初めての見直し。この日の部会で、最終報告に向けた論点整理が示された。発達障害と高次脳機能障害については、サービスを受けやすくするため、支援法上の障害者にあたることを明確にすることを盛り込んだ。一方、難病については、慎重な検討を求めるにとどめた。

 また、サービス利用者が費用の原則1割を負担するしくみについて批判があがっていたが、低所得者を中心に自己負担の上限額を4分の1に下げるなど、今年度末が期限の現行の負担軽減措置を来年度以降も「継続実施すべきだ」とした。1割負担のしくみを維持するか廃止するかは、両論併記にとどめた。
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2008.11.21 ☆障害福祉事業者経営実態調査:常勤職員1人当たりの年収、大半が400万円未満
  21日、毎日新聞→

  『厚生労働省は20日、身体障害者の入所施設など障害福祉事業者の経営実態調査結果を発表した。それによると、常勤職員1人当たりの年収は約225万〜415万円で、大半は400万円未満。このうちホームヘルパーは平均約258万円、障害者支援施設の生活支援員は同約339万円、相談支援専門員は同約415万円。調査は無作為抽出した約1万7000施設・事業所を対象とし、約5000カ所から有効回答を得た。』
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2008.11.20 ☆事業者全体で黒字確保=初の障害福祉サービス経営調査-厚労省
  20日夕、時事通信→

  『厚生労働省は20日、2008年障害福祉サービス等経営実態調査の結果をまとめ、自民党障害者福祉委員会に報告した。06年10月に障害者自立支援法の全面施行をして以降、初めての全国調査で、事業者全体での利益率はプラス6.1%と黒字を確保したことなどが分かった。09年度の報酬改定の基礎資料とする。

 調査は今年4月、無作為に抽出した全国の約1万7000事業者を対象に、原則として07年度の収支状況や従業者数などを聞いた。』
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2008.11.18 ☆自立の現場 揺れる障害者福祉<2>施設から地域へ ずっとここにいたいのに
  18日、西日本新聞→

  『福岡県古賀市の障害者支援施設「なのみの里」に入所している溝口健(47)は時々、人が変わる。険しい顔で仁王立ちの彼はその時、テレビドラマ「西部警察」の大門団長なのだ。両手に抱えた想像のショットガンを凶悪犯に向け、引き金を引く-。

  知的障害のある健は8年前の施設開所時に入所した最古参。施設では「さをり織り」の作業に就き、食事も入浴も1人でできる。玉にきずは「変身」と「お金」が理解できないことだ。父(80)と母(77)によると「10円玉5枚と50円玉1枚が同じということが分からない。だから買い物がまったくできない」という。

  今春、施設は障害者自立支援法に基づいて新体系に移行した。入所者全員の障害程度区分が判定された。重度障害を想定した施設入所サービスは7段階の区分の「4」以上でないと受けられない。健の区分は「2」だった。法に従えば健は退所となる。

  両親は慌てて施設に飛んでいった。「経過措置で入所中の方は継続入所できます。今後もお世話させていただきます」という職員の説明に、2人はほっとして「よろしくお願いします」と深々と頭を下げた。しかし、経過措置は2011年度末までで、その後は不透明という。再び心が曇った。「私たちも先は長くない。施設を出されたら、息子はどうなるのか」。老いた父母の苦悩が続く。

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  「施設から地域へ」。障害者自立支援法が掲げる理念は、施設に頼りがちの障害者福祉に変更を迫り、施設を軸に将来設計を描く当事者を大きく揺さぶっている。

  重度の知的障害のある潮田孝子(19)はこの春から、近くの授産施設に通っている。母の静子(46)は10年も前から、福岡市西区にあるこの施設に心を決めていた。特別支援学校小学部のころに見学し、年齢も障害もさまざまな通所者が一緒に活動する、明るく開放的な雰囲気が気に入った。通所のため、早良区から園に近い今の家に引っ越した。「にぎやかな場所が好きな孝子にぴったり。いろんな仲間から刺激を受けながらゆっくり成長できたら良いなって」

  しかし、念願の通所が決まった後の説明会で、静子は職員の話に言葉を失った。「継続した支援ができるか分かりません」と言うのだ。この4月、新体系移行に伴い、孝子たち新通園者5人は「生活訓練事業」を受けることになった。しかし2年間限定。その後は「生活介護事業」に移れるが、そこは従来の通園者で既に定員いっぱい。2年後に「空き」がなければ、行き場はない。

  「障害者を施設にいたずらに滞留させないという法の理念は分かるし、施設側も反省すべき点は多い。だがあまりに性急だ。理念と現実のはざまで行き場を失う方もいる」と園の職員は漏らす。戸惑っているのは当事者だけではない。

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  「ゆっくり、焦らず」。孝子と向き合うとき、静子はいつもそう自分に言い聞かせてきた。

  特別支援学校のころ、母子の目標は「自力通学」だった。地下鉄を使い、通学路を歩いた。目標は達成できず、高等部卒業までの5年半、2人で行き来した。地下鉄の車内で声を上げたり、動き回ったりする孝子を思わずしかったこともある。その度に「ゆっくり、焦らず」と自分に言い聞かせた。

  今の目標は「自力通園」。ようやく、正門で別れるようになったが、道のりは遠い。「たった2年の『生活訓練』でどんな結果を出せというんですか…。私は娘の成長をもっとゆっくり見守りたいんです」

  1年半後、母子は園を去らねばならないかもしれない。もう次の施設を探した方がいいのかもしれない、とも静子は思う。しかし、まだ動き出せないでいる。 (文中仮名)

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●障害者自立支援法メモ

▼事業の再編 障害者自立支援法は障害種別にばらばらだった障害福祉サービスを一元化し、「施設から地域へ」の理念を軸に、必要な自律訓練や就労移行支援などの機能強化を図るため、事業体形を抜本的に再編した。

  特に変わったのは施設サービス。入所施設の機能は日中の「生活介護」や夜間の「施設入所支援」に分割され、障害程度区分による制限が設けられた。授産施設の機能を引き継ぐ「就労継続支援」には「就労移行支援」(2年間)を経るか一般企業での就労経験が必要とされるなど、地域生活や就労を促す仕組みが随所に施されている。各事業者は2011年度末までに新体系に移行しなければならない。』
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2008.11.17 ☆自動車不況、障害者の雇用直撃 下請け受注大幅減
  17日、朝日新聞→

  『自動車の売り上げ不振が、部品の下請け作業をしてきた作業所や就労支援施設など障害者の働き場所を直撃している。相次ぐ受注カットに「これほどの影響は初めて」の声もあがる。

  マツダ本社がある広島県。その山あいの安芸高田市で地元のNPOが運営する作業所「貴船ハウス」では、主に精神障害がある20〜60代の約10人が働いている。約5年間、マツダの下請け業者から車のサスペンション周辺に使うゴム製部品の加工を受注してきたが、その数が10月28日以降、週に約5千個から約2千個にまで減った。

  その2日後、マツダは減産方針を発表。「生産調整が始まった。うちも在庫は抱えられんから仕事を持って来れんのよ」。下請け業者の担当者からそう言われた。

  マツダ関連の仕事が約4割を占める。施設長の新田義明さん(53)は「収入が減れば、ただでさえ低い工賃を減らさざるを得ず、運営にも深刻な影響がでてくる」。

  不安は、作業所の利用者にも広がる。発達障害の症状に悩む30代の女性は、60代の母親と暮らしながら自閉症の男児(5)を育てている。

  「働くだけではなく、ここは悩みから少し解放される場所。工賃がさらに減らされたり、最悪の場合、施設がなくなったりしないか不安です」

  トヨタの高級車向けスピーカー部品の検品、箱詰め作業を請け負っている就労支援施設「なでしこの里」(神戸市)。夏までは週約4千個あった受注が9月に1千個と落ち込み、10月半ばにゼロになった。作業ミスがあったのかと思ってメーカーに確かめると、「車が売れないから」と説明された。

  作業単価は1個4円。月6、7万円の売り上げがあった。平均工賃にして数人分が消えた。

  自動車部品の内職は売り上げ全体の約1割だが、障害者自立支援法の施行で補助金も減るなかで、受注減は痛手だ。11月に入って1千個の注文が入ったが先行きは見えない。

  施設を運営する社会福祉法人かがやき神戸の池山美代子副理事長は「経済情勢の変動がこれほど障害者雇用の現場を直撃するのを感じたのは初めて」と話している。(山内深紗子、清川卓史) 』
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2008.11.17 ☆自立の現場 揺れる障害者福祉<1>施設利用料 働くにも金がいるのか
  16日、西日本新聞→

  『平島龍磨(40)は分厚い板のようなウールの塊から、猛烈な勢いで繊維をむしり取り、ベルトコンベヤーに流し続ける。突然、ブザー音とともにコンベヤーが止まった。センサーが金属片の混入をキャッチしたのだ。平島はその部分を手際良く腑(ふ)分けして捨て、すぐに元の作業に戻った。前かがみのきつい姿勢が続き、滝のような汗が終始したたり続けた。

  福岡県田川市の障害者授産施設「第2つくしの里」に通う平島は9月から2日に一度、施設が契約する寝具製造会社の工場に実習生として通っている。輸入原料に混入している鉄粉などの金属片を取り除くのが仕事だ。午前10時から午後3時まで働き、1日約300キロの繊維を処理する。

  35歳、平島は進行性の脳障害を発症した。「受信状態の悪いテレビ画面のように視界が常に上下に揺れる」。それまで金属加工工場などで働いていたが、就業は困難になった。車の運転免許も失効した。「何とか働きたい」と昨春から通い始めたのが「つくしの里」だった。

  寝具工場に行かない日は朝から施設でクッキーの生地をこね、型を抜き、焼き上がりを袋に詰める。最初は戸惑ったが、今では慣れ、「楽しいと思えるようになった」とほほえむ。

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  平島が受け取る月収の内訳を教えてもらった。

  クッキーなどの売り上げを原資に施設が支払う工賃が月7600円。100円の時間外手当を得るため、約40分掛けて自転車で通い、始業より一時間早く仕事を始めるが、それでも工賃は9000円を少し超える程度という。もう1つは寝具工場から受け取る日給2100円。月収総額は3万円余りで、家族と同居しなければ暮らせない。

  逆に平島が施設側に支払う金には給食費などのほか、「施設利用料」がある。2006年の障害者自立支援法施行で新たに設けられた「応益負担」である。

  施設を利用することで障害者が利益を受けているとみなし、その費用の一部負担を障害者に求めるようになった。平島の場合、通い始めた当初は月に7500円。段階的に減額され、今夏から1500円になったが、「働くのに何でお金を払うのか」という割り切れない思いはくすぶり続けた。

  今年9月、障害者や施設関係者と県との懇談会が県庁であり、平島も出席した。障害者サイドから「応益負担」への批判が続出する中、「施設は訓練の場。利用すれば利用料が生じる」という県担当者の言葉に、会場は騒然となった。平島も怒りが込み上げた。「県の言い分はどうしても納得いかない。僕たちは働いているんですから」

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  10月31日、障害者自立支援法が掲げる応益負担を違憲とする全国一斉提訴が行われた。平島は九州では唯一の原告として名を連ねた。

  裁判で原告側は(1)障害者が福祉施策を受けるのは憲法が規定する生存権(健康で文化的な生活を営む権利)、不平等の是正、幸福追求権に基づく権利(2)福祉施策は障害者が他に比べて失っているものを補完するものであり、利益ではない-と法律の違憲性を指摘。さらにこう訴える。

  「障害者が障害を負っているのは自己に責任があるからではない。ある障害が1%の確率で生じるならば、他の99%は障害者とならなかった利益を受けている」。裁判を通して問われるのは、障害者福祉の理念そのものといえる。

  福岡地裁で記者会見に臨んだ平島は、「仲間のためにも全力で闘う」と誓った。会見を終えると、障害者の仲間が平島に歩み寄り、色紙を手渡した。寄せ書きにあったメッセージの1つ-。
<心は1つ。一緒に頑張ろう> (敬称略)

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  障害者自立支援法の本格施行から約2年がたった。「応能負担から応益負担へ」「施設から地域へ」「障害者施策の一元化」といった目的を掲げた新法は、障害者福祉の流れをどのように変え、障害者に何をもたらしたのか。「自立」の現場を歩く。 (江藤俊哉)

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●障害者自立支援法メモ

  ▼応益負担 障害福祉サービス費の利用者負担は以前もあったが、所得に応じて金額が決まる「応能負担」で、実際は多くの障害者が免除されていた。

障害者自立支援法は費用の9割を国と地方自治体が負担すると規定。残りの1割を利用者が受けたサービス量に応じて負担する「応益負担」となった。施設の給食費なども実費を利用者が別途負担する。結果、利用者の9割に負担が生じている。

低所得者層に配慮して、所得に応じた負担上限額が法施行令で定められた。だが、負担を理由にサービス利用を中止したり、控えたりする人が続出、国は負担上限額を引き下げる措置を相次ぎ打ち出した=図参照。ただし本年度末までの時限措置。国は09年度以降も継続見込みとしているが、不透明だ。』
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2008.11.12 ☆(下)自立支援法の1割負担で応酬 障害者「包みこみ」テーマに討論会
  12日、讀賣新聞→

  『助け合う社会の未来を探る「福祉のトップセミナー」(社会福祉法人南高愛隣会、読売新聞社共催)が8、9日、長崎県島原市で開かれた。今回のテーマは「『包みこむ社会』の可能性を探る」。障害者自立支援法のあり方を中心に議論が行われた後、長崎アピールが採択された。(安田武晴)

理念と傷跡
  自立支援法は、障害者へ介護や就労支援などを公的に提供するための法律で、2006年に施行され、来春、見直される予定だ。討論ではまず、同法への評価が話し合われた。
  法制定にかかわった前自民党衆院議員、八代英太さんは、「地方自治体を中心に、向こう三軒両隣の精神で、障害者の自立を支えるという理念はすばらしい」と強調。一方、民主党衆院議員の山井和則さんは、「理念は良いし、福祉が前進した部分もあるが、多くの障害者が自己負担で苦しみ、ヘルパーなど支える人たちの待遇も悪くなった。傷跡は大きい」と反論した。

  南高愛隣会理事長の田島良昭さんは、「いろいろ問題はあるが、障害者福祉の向かうべき方向が見えてきた。60点ぐらいではないか」と分析。慶応大学教授の浅野史郎さんも、「『悪いところは指摘してくれ』というメッセージ付きの法律。施行は時期尚早という意見もあるが、じっくり考えていては、いつまでたっても走り出せない。小さく生んで大きく育てるべきだ」と話した。

財源確保
  自立支援法では、介護などを利用する際、費用の原則1割を自己負担(応益負担)しなければならない。山井さんは、「障害者の尊厳を守るという福祉の理念に反する仕組み。民主党は昨年、応益負担廃止法案を国会に提出した。所得に応じた『応能負担』を軸とした仕組みに変える」と力を込めた。

 これに対し、浅野さんは、「応益負担を導入したからこそ、在宅支援への公費支出を国と自治体に義務づけることができた」と指摘。「介護保険の受給年齢を引き下げ、若い障害者にも介護保険から介護を提供する案が実現していれば、もっと財源が確保できたはずだ」と話した。

 田島さんは、民主党の応益負担廃止法案について、「介護保険の利用者も高齢の障害者なのに、こちらは応益負担のままでいいのか。自立支援法で介護を受ける64歳と、介護保険を使う65歳とは、どこが違うのか。介護保険の対象拡大など、もっと大枠の議論をすべきではないか」と持論を展開した。

 八代さんは、「自立支援法を検討していた頃、介護を受ける障害者を対象に1人月3万円の支給を提案したが、議論は中途半端に終わってしまった。所得保障がしっかりしていないと自己負担は難しい」と話した。』
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2008.11.02 ☆障害者雇用の中小企業に奨励金、今年度中にも創設…厚労省(続報)
  2日、讀賣新聞→

  『厚生労働省は1日、障害者の就労を促進するため、障害者を初めて雇用する中小企業に奨励金を支給する制度を創設する方針を固めた。

  支給対象は、従業員56人以上から300人以下の中小企業とし、雇用保険から1企業あたり数十万円から100万円程度支給する方向で調整している。早ければ今年度中に実施したい考えだ。

 障害者雇用促進法は、企業が従業員数の1・8%に当たる障害者を雇用することを義務付けている。未達成の場合、不足人数あたり月5万円を国に納付する必要があるが、従業員300人以下の企業は納付を猶予してきた。

 厚労省は今後、納付対象を拡大する方針で、奨励金支給により障害者の雇用に弾みを付けたい考えだ。』
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2008.11.02 ☆障害者29人が一斉提訴=「自立支援法は違憲」-地裁
  31日夜、時事通信→

  『障害者自立支援法に基づき福祉サービスの利用料に原則1割の自己負担を課すのは「法の下の平等」を定めた憲法に違反するなどとして、障害者らが31日、負担料の全額免除申請を棄却した処分の取り消しなどを求めて8地裁に一斉提訴した。原告側は「障害者を家庭に押し込める事態を招く」とし、同法の廃止を求めている。

 訴えたのは、埼玉、東京、京都、滋賀、大阪、兵庫、広島、福岡各都府県に住む29人の知的、身体、視覚障害者(10-71歳)と保護者。今後、岩手などで2次提訴を予定しているという。』
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2008.10.27 ☆障害者自立支援法訴訟提訴を前に 勝利をめざす会発足
  27日夜、朝日新聞→

  『福祉サービスの量に応じて原則1割の自己負担を求める障害者自立支援法は憲法に反するなどとして、今月末に国などを相手に一斉提訴する障害者らを支援しようと、「障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会」が27日、発足した。

  参議院議員会館であった発足集会には、各地から原告予定者やその家族ら約160人が参加。「食事や入浴などひとが生きるための最低限の支援にまで自己負担を課す制度は絶対許せない」「石にかじりついても勝訴する決意。大きな支援を」などと訴えた。

  「めざす会」の呼びかけ人には、作家の落合恵子さん、精神科医の香山リカさん、経済評論家の内橋克人さん、慶応大教授の金子勝さんら10人が名を連ねており、支援者や寄付金を募っている。詳しくは同会のホームページ(http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/)。 』
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2008.10.26 ☆物価高、作業所経営を圧迫=売り上げ、給料ダウン-障害者施設団体調査(続報)
  26日午後、時事通信→

  『燃料費や原材料費の高騰で、障害者作業所の売り上げが減少したり、給料がカットされるなどの影響が出ていることが26日、全国の作業所でつくる「きょうされん」(事務局・東京)の調査で分かった。

  調査は8-9月に実施。食品加工やクリーニングなどの作業に必要な燃料費は、119施設のうち96施設(81%)が1年前に比べ増加したと回答。小麦粉や大豆などの原材料費では、124施設のうち87施設(70%)が増えたとしている。』
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2008.10.23 ☆障害者を初めて雇う中小企業に100万円 厚労省方針
 23日、朝日新聞→

  『厚生労働省は22日、障害者を初めて雇った中小企業に、100万円の奨励金を出す制度を作る方針を固めた。政府が今月中にまとめる新総合経済対策に盛り込む意向だ。事業費は09年度予算で7億5千万円程度を見込む。大企業に比べて障害者雇用が遅れている中小企業の「最初の一歩」を後押しするのが狙いだ。

  奨励金の対象は、障害者を雇った経験のない、従業員56〜300人の中小企業。

  中小企業の障害者雇用率は1.3〜1.4%程度で、従業員1千人以上の大企業の1.74%に比べて低い。特に、法定雇用率(1.8%)未達成の中小企業の8割近くが、障害者を1人も雇っていない。

  また、企業が障害者を雇う目的でつくる「特例子会社」を新設し、障害者を新たに10人以上雇った場合、初年度は2千万円、2、3年目は各1千万円を助成する制度も作る方針。3年間の時限措置で、事業費は09年度予算で4億5千万円程度を見込んでいる。 』
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2008.10.22 ☆原油高騰:障害者作業所にも影響深刻 給料、食事の質低下…
  22日、東京新聞→

  『原油高騰の影響で障害者作業所の8割以上でガソリン代や燃料費が上がり、働く障害者の給料が下がったり食事の質が落ちるなどの影響が出ていることが障害者施設団体「きょうされん」の調査で分かった。きょうされんは21日、厚生労働省に燃料費助成などの支援を申し入れた。

  8〜9月、1年前との比較を聞き、全国371カ所の作業所・事業所から回答があった。送迎費などのガソリン代は89%、クリーニングや食品加工などにかかる燃料代は81%が「1年前より増額した」と回答。生産品の原材料費も70%、食材費も67%で高くなっていた。その結果▽送迎回数が減った(12施設)▽給料が減った(23施設)▽食材を安い物に変えた(87施設)--など利用する障害者にも影響が及んでいた。』
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2008.10.13 ☆専門弁護士:知的障害者に対応 養成へ大阪で初の取り組み
  13日、毎日新聞→

  『大阪弁護士会が知的障害者ら心身に障害がある人の特性を理解し、弁護できる専門弁護士養成に乗り出す。全国初の取り組みで、11月にもプロジェクトチーム(PT)を設立し、具体的な検討を始める。新規受刑者の約2割は知的障害の疑いがあるが、十分な弁護をされていない可能性がある。そのため、来年5月の裁判員制度施行を控え、知的障害者らへの誤解や偏見を取り除き、正当な権利の保障を目指す方針だ。

  知的障害がある人の特徴として、見たり聞いたりしたことを整理、表現することが苦手なケースが多いとされる。また、相手に迎合し、誘導に乗りやすい面がある。強盗容疑で逮捕された知的障害の男性が警察官の誘導で自白調書を作られたとされ、公判中に真犯人が見つかり、05年3月、宇都宮地裁で無罪判決が出たケースもある。この事件を含め、弁護士が障害の特性に気づいていない場合が多いとみられている。

  法務省の矯正統計年報によると、知的障害の疑いがある「知能指数70未満」の新規受刑者は07年で約6700人に上り、全体の約2割を占めている。

   こうした背景を踏まえ、大阪弁護士会は06年4月、全国の弁護士会に先駆けて「知的障害者刑事弁護マニュアル」を作成した。知的障害がある場合は、具体的な事実を問う▽短い文章で質問する▽仮定の質問をしない▽時間の順を追って質問する--など具体的な弁護方法を紹介している。

   今回のPTは、このマニュアルを活用し、刑事裁判の当番弁護士に登録している人を中心に研修を実施。研修を受けた人を専門弁護士として名簿化し、障害のある人から依頼があった場合に派遣に応じるための仕組み作りを検討する。

   マニュアル作成時の座長で、PTのメンバーにも入る辻川圭乃(たまの)弁護士は「知的障害のある人は冤罪(えんざい)に巻き込まれやすい。また、罪を反省していても、裁判でうまくそれを伝えられず、厳罰化されやすい。目や耳が不自由な身体障害者も視野にいれ、対応できる専門弁護士を来年中にも養成したい」と話している。』
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2008.09.06 ☆障害者の創作活動が後退? 「自立支援法」で変化/長野
  6日、信濃毎日新聞→

  『(長野)県内の障害者福祉施設で、絵を描いたり陶芸をしたりする創作活動に取り組む余裕がなくなってきている。2006年に障害者自立支援法が施行され、施設サービスの重心が賃金作業に移ってきたためだ。創作活動は、自分をうまく表現できない障害者にとって、コミュニケーションの手段を習得できる大切な機会にもなっていただけに、関係者は苦慮している。

  8月下旬、須坂市で障害者アートを支援する人材の養成講座があった。市内の4施設からスタッフ7人が参加し、障害者とともに絵画の指導法を学んだ。この講座は、芸術・創作活動を充実させようとする4施設の思いが発端。会場となった「須坂ひだまり作業所」施設長の堀川照子さん(51)は「サービス利用の1割負担を求められる利用者の工賃確保で、創作活動の機会が減っている」とこぼす。

  自立支援法以前は「利用者全員が半日は賃金仕事で、あと半日は絵を描いたりする自由な創作活動などに充てられた」という。同作業所の利用者は昨年度から、介護中心と就労継続支援に分かれたが、施設利用料の負担が増えた分を障害者が稼ぐため、介護が中心の利用者でさえも、週5日のうち1日は終日、賃金仕事に充てるようになった。

  障害者の文化・芸術活動は、長野冬季五輪後に開かれた1998年の「アートパラリンピック長野」を機に、障害者の自己実現や社会参加の機会として理解され、広まるようになった。

  しかし、飯田市のNPO法人「くれよん」が運営する多機能型事業所で今、創作活動ができる余裕があるのは障害の程度が重い人だけ。障害の比較的軽い人は一日中作業だ。スタッフが介助に時間を取られることも多い。同法人理事長の前島光明さん(51)は「創作活動に時間を割ける人は限られるようになった。創作活動は充実させたいが、就労重視の法の中では困難」と訴える。

  県障害者福祉センター(長野市)などが毎年開く「夢・アートフェスタ」への出品も減っている。06年度に612点だったのが、07年度は557点。この20、21日に開く本年度は477点の見込みという。

  06年に障害者芸術の支援団体「エイブルアートながの」を立ち上げ、創作活動支援に取り組む関孝之さん(54)=上田市=は「言葉や文字でうまく表現できない人にとってアートは大切なコミュニケーション手段」と指摘。「創作を通じて、社会参加を促す態勢を整えることも必要ではないか」と話している。』
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2008.09.02 ☆重度身体障害者の支援…「自立」に介護不足の壁
  2日、讀賣新聞→

  『重い障害を持った人が、自宅で生活しながら社会参加を目指すケースが増えている。2006年度に施行された障害者自立支援法でも、必要な支援を行うことがうたわれているが、理念通りには進んでいない。(社会保障部 安田武晴)

介護移住
  高校時代、柔道のけいこで頸髄(けいずい)を損傷した木下昌(あきら)さん(21)は、今年4月、東京・目黒区のアパートで母親と暮らし始めた。首から下が動かず、人工呼吸器を付けている。ヘルパーによる訪問介護と母親の介護を受けながら、大学進学を目指して勉強している。
受験勉強は、静岡県掛川市内の実家でするつもりだった。だが、夜間の介護を家族が引き受けることにして、昼間の介護に1日12時間の訪問介護を市に打診したものの、6時間程度しか認められそうにない。たとえ認められても、市内に必要なサービスを提供できる事業所がないことも分かった。

  自宅で自立した生活を送るには、長時間の介護が認められやすく、サービス事業所が多い都市部に行くしかないと思った。東京都内への引っ越しを決意し、最終的に、支援団体の拠点に近い目黒区を選んだ。
引っ越しに先立ち、昨年秋ごろ、同区に対して24時間の訪問介護を打診したが、認められたのは17時間だけ。これだけでは自立は無理なことから、母親も一緒に上京し、毎夜、呼吸器の管理や尿のチェックなどをすることになった。
その後も、脊髄(せきずい)損傷者の支援団体「日本せきずい基金」の支援を受けながら区側と交渉を続け、24時間の支給の実現を目指している。

  木下さんは、「こんなに時間がかかるようでは、障害者にとって負担が大きい」と話す。
和歌山市の石田雅俊さん(40)は、ヘルパーの介護を受けながら一人暮らしをしている。生まれつきの脳性まひで首から下が動かず、生活全般に介護が必要だ。昨年10月、訪問介護が月約100時間も減らされ、377時間に。市との交渉が決裂し、今年5月、訴訟を起こした石田さんは「地域社会で暮らすという当たり前の権利を認めてほしい」と訴える。

地域格差

  自立支援法は、障害者が自ら選択した場所に住み、自立した社会生活を営めるよう、市町村は必要な介護などを給付する責務があると明記している。
介護の必要度には全国基準があるが、実際の給付は、市町村によってばらつきがある。特に、入浴やトイレ、外出時の介助など、ヘルパーから3時間以上の支援が受けられる「重度訪問介護」は、多額の費用がかかり、給付に消極的になりがちだ。
サービス提供費用は、原則、9割が公費で賄われ、国が2分の1、都道府県と市町村は4分の1ずつの負担。24時間介護の場合、外出・夜間などの加算も含め、公費だけで1人年間約1800万円が必要で、市町村の負担は約450万円、国の負担は、本来ならば2分の1の約900万円になる。

  だが、介護の必要度によって基準額があり、実際に国から支給されるのは、最重度で一律約355万円。1日6時間分に過ぎず、これを超える長時間の利用者が多いと、市町村の持ち出しになることもある。
重度訪問介護の利用者は、全国で約7000人に上る。日本せきずい基金によると、1日20時間以上の利用者がいる自治体は、基金が把握しているだけで88市区町にとどまっている。
全国脊髄損傷者連合会など関係団体は、小さな自治体で24時間の利用者が現れても困らないよう、都道府県単位で費用負担を調整する仕組みを厚労省に提案している。大浜真副理事長は「今の仕組みだと、長時間介護を必要とする人は住みたい所に住めない」と話す。

サービス不在

  サービスが見つかりにくい状況も全国に広がっている。事業所が多いとされる都内ですら、ヘルパー派遣を80事業所に依頼し、すべて断られたケースもあった。
  多くの事業所が、厚労省が設定する重度訪問介護の報酬単価が安いことを理由に挙げる。利用者が最重度でも、日中で1時間平均1665円。介護保険の訪問介護(身体介護中心で4020円)に比べてかなり安い。

  事業者団体である全国自立生活センター協議会の中西正司代表は、「今の利用者にヘルパーを派遣するので精いっぱい。社会参加する重度障害者は、ほとんど増えていない」と明かすが、報酬単価の引き上げは、費用の増額につながるという問題もある。
必要な介護が給付されず、当然の社会参加ができないのは、障害者本人だけでなく、社会にとってもマイナスだ。国は費用の確保に責任を持つべきだ。

欧米 専属ケアで権利保障

  欧米では、障害者が自立生活を送る権利を保障する制度が整備されており、参考になる点が多い。
スウェーデンでは、障害者一人ひとりの心身の状態に応じたパーソナルアシスタントと呼ばれる専属の介護者が付く。費用は原則として市が賄うが、週20時間を超える場合は国が支出。市に過度な財政負担がかからないよう配慮されている。
米カリフォルニア州では、重度の障害者は、専属介護者を1日最大9時間利用できるほか、必要に応じて追加的な介護・看護、夜間の緊急訪問などもあり、自立生活が送れるようになっている。専属の介護者制度は、英国やカナダにもある。
このほか、米国には「障害のあるアメリカ人法(ADA)」という障害者差別禁止法があり、バリアフリー(障壁除去)が行き届いている。このため、介助なしでも車いすなどで移動できる場合が多い。同様の法律は、英国などにもある。

[プラスα] 社会参加の権利 条約にも
  重い障害があっても、地域で暮らし、社会参加する権利があることは、国連の障害者権利条約にもうたわれている。
同条約は、障害者の基本的人権や尊厳の保護、促進を目的に、06年12月に国連総会で採択され、今年5月3日に発効した。前文と50条からなり、「教育」「労働・雇用」など項目別に、障害者への差別禁止を定めている。
差別する気はなくても、「合理的な配慮」に欠け、実質的に権利を侵害する場合も差別と見なす。例えば、店の入り口に階段があり、車いすで入店できない場合、店主が入店を拒んでいなくても差別とみなされる。店はスロープを設置するなどの配慮をしなければならない。

  条約の批准国は、国内の法制度を整備し、差別を撤廃することが求められる。既に三十数か国が批准しており、日本政府も現在、批准に向け、障害者団体と協議を進めている。』
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2008.08.26 ☆障害児施設契約制度:千葉県が第三者機関 判断の妥当性検証設置方針
 26日、毎日新聞→

  『千葉県は、障害のある子どもの施設利用料について、保護者に原則1割負担させる障害者自立支援法の「契約制度」を適用する際、判断が妥当か検証する第三者機関を設置する方針を決めた。「育成責任を親や施設に委ねるもの」との批判がある契約制度の改善を図るもので、注目される。

  県の設置した研究会が25日、09年度からの障害者支援の施策計画づくりを進める作業部会に提言した。提言書は、障害児を「子どもとしての権利」と「障害特性に応じた配慮」が尊重される存在と定義。自立支援法は「(18歳以上の)障害者支援策が中心」で、児童への視点が不十分と指摘した。

  そのうえで契約制度か、子どもの生活を公費で保障する「措置制度」のいずれを適用しても、第三者の意見を聴き児童相談所による決定の客観性・透明性を確保するよう提案。契約適用後も、児相や市町村が親子を継続的に支援する体制づくりを求めた。

  国は保護者が不在か虐待、精神疾患なら措置にすると定めるが、精神疾患を認めるのは成年後見人がいる保護者に限るなど、適用範囲を制限している。

  千葉県はこれまでも「保護者が療養中」など独自に国基準を緩和する5項目の措置要件を設定してきた。日本知的障害者福祉協会の調査によると、知的障害児施設に入所する子のうち契約を適用した子の割合は08年1月現在、全国平均の65%に対し千葉県は44%と低かった。

   県障害福祉課は「県としては従来も子どもの実情に即した対応を心がけてきた。判断基準を明確にすることで、今後は子どもにとってより適切な決定を行えるようにしたい」と話している。』
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2008.08.13 ☆障害者自立支援法は「違憲」 (今度は)11人が不服審査申し立て
  13日、朝日新聞→

  『障害者自立支援法が定めるサービス利用料の原則1割自己負担は憲法や障害者基本法に反するとして、東京、埼玉、大阪、兵庫の計11人が13日までに、負担の免除を求めて各知事と神戸市長に行政不服審査を申し立てた。

 7月には東京、埼玉、大阪、滋賀、京都、広島の17人が申し立てており、1割負担の撤廃を求める「障害者自立支援法訴訟」を視野に入れた不服審査請求は計29人となった。
神戸市北区の吉田淳治さん(67)は13日、兵庫県と市に不服審査を申し立てた。全盲のため食事や掃除などの家事援助と外出時の移動支援のサービスを受け、1カ月に計6千円の利用料を払っている。妻しず子さん(71)も全盲で、移動支援サービスに月3千円を払っており、13日、市に不服審査を申し立てた。

 県庁で記者会見した吉田さんは「ひと月の主な収入は私と妻の障害基礎年金計16万円余り。このなかから9千円を出すのは、負担が非常に重い。(障害者という理由で)掃除をしたり道を歩いたりするのに利用料を払わなければならないのは、健康で文化的な最低限度の生活とはいえない」と話した。 』
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2008.08.11 ☆取り押さえ後に障害者死亡、遺族を支援する会が全国フォーラム
  11日、讀賣新聞(九州)→

  『佐賀市で昨年9月、警察官5人に取り押さえられた直後に死亡した、知的障害者の安永健太さん(当時25歳)の遺族を支援する「安永健太さんの死亡事件を考える会」は9日、佐賀市のアバンセで障害者の権利などを語り合う全国フォーラムを開いた。

  会場には、障害者支援団体の職員ら約300人が集まった。自閉症の長男を持つ、「千葉県障害者差別をなくす研究会」の座長で新聞記者の野沢和弘さんは、千葉県警に呼びかけ、警察官を対象にした講習を開いたことや、支援団体などと連携し、障害者を理解するためのハンドブック2万6000部を全国の警察に配ったことを紹介した。

   その上で、最近、長男が暴力団風の男に絡まれた際、通報を受けて駆けつけた警察官が、長男を見てすぐに障害者と認識。男に「お前は障害者のことも知らないのか」と厳しく注意したエピソードを披露し、活動の成果が上がっていることを説明。「皆さんも警察官の心を揺り動かしてほしい」と訴えた。

  このほか、藤井克徳・日本障害者協議会常務理事ら2人が、安永さんの問題を風化させないことなどを求めた。』
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2008.07.28 ☆障害者自立支援法施行で4割が「生活に変化」/香川
  28日、四国新聞→

  『障害者自立支援法の施行に伴い、4割を超す障害者が「生活に変化」を感じ、その大半が福祉サービスの利用料などが増え、経済的な負担感を抱いていることが、香川県の障害者生活ニーズ調査で分かった。就労面では、周囲とうまく付き合えずに職場を去るなど、収入確保も困難なのが現状。同法の目指す障害者の自立には、多くの課題が残っている実態が浮かび上がった。

  障害者の生活実態や求めるサービスなどを把握する目的で初めて実施。通所施設や特別支援学校に通う2498人を対象にアンケートを行い、2170人から回答を得た(回収率86・9%)。質問は身体、知的、精神に分けて実施した。

  共通質問として同法の施行後、「生活に変化があった」としたのは、身体で42・1%、知的で34・6%、精神で47・0%。その大半が「経済的負担の増加」などマイナス点を挙げ、外出を控えたり、支援を受ける回数を減らすなど、生活に制約が生じていることを訴えていた。

  一方、国の負担軽減措置もあり、従来の画一的なサービスに比べ、「ニーズにあったサービスが選べる」、「生活の幅が広がった」との声も寄せられた。

  一度は職に就きながら辞めた理由では、身体は「体調悪化」や「解雇」、知的では「解雇」や「人付き合い」がそれぞれ高い割合を占めた。いじめや周囲の理解不足を挙げる人も多く、職場で孤立を感じている実態が浮かび上がった。

  希望する生活の場は、自宅や障害者同士で集団生活するグループホーム・ケアホーム、アパートといった地域で暮らすことを望んでいる人が、知的で90・9%、精神で84・7%に達し、必要なサービスでは「経済的支援」や「食事の提供」が上位を占めた。

  このほか、今後利用を希望する福祉サービス(身体)は、「外出時の付き添い、介助」や「ショートステイ」が多かった。

  香川県は現在、障害者施策の新たな指針「かがわ障害者プラン」(2009―11年度)の策定を進めており、障害福祉課は「自立を考える障害者は増えている。ニーズを分析し、施策に反映したい」としている。』
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2008.07.26 ☆障害者支援制度「見直す」…首相表明 利用者負担を軽減
  25日、讀賣新聞→

  『福田首相は24日の中央障害者施策推進協議会で、障害者自立支援法について、「今後、これまでの施行状況を踏まえ、制度全般にわたる見直しを進めたい」と述べた。福祉施設の利用者負担の軽減や福祉関連事業者の経営基盤強化などに向け、法改正も視野に入れながら制度見直しを進める考えを示したものだ。

 福祉サービスに原則1割の自己負担を求める障害者自立支援法については、障害者や関連団体などから「負担が重すぎる」という批判が強い。首相は昨年9月の自民党総裁選で同法の抜本的見直しを公約に掲げており、政府・与党は今年7月から利用者の負担軽減策を柱とした緊急措置を実施している。

 首相はまた、障害者の差別禁止と社会参加実現を目的とする障害者権利条約について、「可能な限り早期の締結を目指し、国内法を整備する」と語った。』
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2008.07.24 ☆権利条約を早期締結 障害者施策協で首相
   24日昼、共同通信→

  『福田康夫首相は24日午前、官邸で開かれた「中央障害者施策推進協議会」であいさつし、障害者権利条約について「可能な限り早期の締結(批准)を目指し、国内法を整備していく」と表明した。同条約は障害者に対する差別を禁止し健常者と同様の権利を保障する内容。日本は締結の前段である署名手続きを昨年9月に行っている。

  首相は、障害者への福祉サービス利用料を原則1割負担とした障害者自立支援法への批判があることから「これまでの施行状況を踏まえ、(サービス)制度全般にわたる見直しを進めたい」と強調した。

 協議会は2005年5月、障害者の意見を施策づくりに反映させるため内閣府に設置された。』
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2008.07.15 ☆自立支援法廃止求め提訴へ 「生存権侵害、憲法違反」 全国で
  15日夜、NHK→
 
  『障害者に、ヘルパーなどの費用の10%の負担を義務づける障害者自立支援法は憲法に違反するとして、東京などの障害者18人が、法律の廃止を求める裁判を全国で初めて起こすことになりました。

 障害者自立支援法がおととし施行され、障害者がヘルパーを頼んだり福祉施設を利用したりすると原則として費用の10%の負担が義務づけられました。

 この影響で生活が苦しくなったとして、東京や大阪などの障害者18人が、法律は生きる権利を保障した憲法に違反するとして、廃止を求める全国で初めての裁判を、ことしの10月にも起こすことになりました。
このうち、東京に住む発達障害の10歳の男の子は、外出する際のヘルパーの費用などで毎月4600円の負担を強いられるようになり、親の収入だけでは生活するのが難しくなったということです。障害者を支援している竹下義樹弁護士によりますと、負担が増えたことで少なくとも1000人を超す全国の障害者が、福祉施設の利用などをやめたということです。

 裁判について竹下弁護士は「自立支援法が施行され、外出を控える障害者も増えた。障害者の生きる権利が侵害されているので、司法の場で法律の是非を問いたい」と訴えていました。』
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☆負担撤廃求め審査請求 「生存権の侵害」3府県の障害者6人
  15日夜、共同通信→

  『障害者自立支援法で福祉サービス利用料の原則1割を障害者に負担させているのは生存権を侵害するとして、大阪、京都、滋賀3府県の障害者6人が15日、負担撤廃を求めて各府県知事に行政不服審査法に基づく審査を請求した。
東京都でも14日に1人が審査請求。全国弁護団によると、この7人を含め7月中に7都府県で計18人が請求する見通し。
審査請求が棄却、却下された場合は10月末までに、市町村の負担決定取り消しや、国への損害賠償を求める訴訟を各地裁に起こす構えだ。

  15日に審査請求したのは大阪府吹田市在住で身体障害1級の金沢☆子(ゆうこ)さん(67)ら。
  金沢さんは重度障害者対象の介護施設に通所。吹田市に負担免除を申請したが、市は6月16日、月上限1500円を自己負担するよう決定した。

  審査請求書では「食事、入浴といった生きていくための基本行為の援助に1500円といえど利用料がかかることが納得できない」と主張。』
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(注)☆はノギヘンに由
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2008.07.06 ☆障害者自立支援法施行から2年 給付金大幅減で現場悲鳴
  6日、東京新聞(神奈川)→

  『障害がある人たちが自宅から通い、作業などに携わる横浜市内の通所施設で、重度の障害がある人を受け入れる所を中心に、大幅減収に追い込まれる施設が相次いでいる。二〇〇六年の障害者自立支援法施行に伴い、利用日数に関係なく安定支給されていた給付金が、日割り計算方式へと変更されたことが最大の原因。現場からは「このままではやっていけない」と悲鳴が上がっている。 (中山高志)

  「日割り計算方式は施設の経営基盤を危うくするものです」。横浜市栄区で重度障害者通所施設「朋」を運営する社会福祉法人「訪問の家」理事長の日浦美智江さん(70)は、厳しい表情で訴える。
「朋」には、知的障害と身体障害が重複する計四十八人が通う。職員のサポートを受けながら体を精いっぱい動かし、クッキーやジャムづくり、アルミ缶回収などさまざまな作業に挑戦している。
しかし、メンバーはいずれも障害が重く、体調悪化や長期入院などで休むことも少なくない。このため利用は平均すると週三日程度で、人によっては一カ月に二日しか通えない場合もある。

  自立支援法施行以前は、市から県国民健康保険団体連合会経由で施設に払われる給付金は、通所日数ではなく利用者数に応じた定額だった。
ところが法施行により、実際に通所した日数分しか給付金を支払わない日割り方式に変更され、「朋」のように通所日数が安定しない施設はもろに影響を受けた。〇七年度上半期の給付金は約三千万円だったが、日割り方式導入後の同下半期では約千五百万円と半減した。

  「朋」では、メンバーが休む場合でも、職員が自宅や病院を訪問するなどして本人や家族のケアに努めているが、現行の仕組みではこうしたサービスは給付金に反映されない。この制度に対し、市の福祉関係者からも「『来てなんぼ』という日割り計算の考え方は実態にそぐわない」との批判がある。
横浜市障害支援課によると、市内の障害者通所施設約八十カ所の大半が、日割り計算方式の影響で減収に追い込まれた。中でも「朋」のように、重度障害者が多く通う施設ほど影響は大きい。施設からは「毎月の収入が読めず、まるで『ギャンブル経営』だ」という声まで出ている。

  厚生労働省障害福祉課によると、日割り計算方式は「利用者がサービスを組み合わせ、自分にあったサービス利用ができるようにする」という目的から導入したという。

  一方、障害が重い人の給付金単価を引き上げたり、〇八年度に限っては前年度の施設給付金の九割を保障したりするなど施設側にも配慮したといい、「制度変更は考えていない」(同課)という。
しかし、日浦さんはこう訴えた。「給付金を日割りにしても職員の給料を日割りにすることはできない。元の制度に戻してほしい」』。
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2008.07.02 ☆障害者施設の火災通報装置、設置率わずか23% 富山
  2日、讀賣新聞(富山)→

  『県内の知的・精神障害者施設で、来年度施行の改正消防法施行令により義務づけられる火災通報装置の設置率が、23%にとどまっていることが県の調べでわかった。また、認知症高齢者の施設では、同様に義務化されるスプリンクラーの設置率が21%にとどまった。
調査は、神奈川県内の障害者施設で3人が死亡した6月2日の火災を受け、県が初めて実施。それによると、知的・精神障害者のグループホームなど全66か所のうち、消防機関と直接つながる「火災通報装置」のある施設は15か所で23%。一方、施設内で火災を知らせる「自動火災報知設備」は73%だった。

  認知症高齢者のグループホームでは、スプリンクラーの設置義務化対象となる56か所のうち、実際に設置していたのは12か所、21%。自動火災報知設備と火災通報装置はそれぞれ88%、78%だった。

  防火設備の設置が遅れている理由について、県は高額なためとみる。火災通報装置は1台数十万円、スプリンクラーは数百万円程度。既存施設で防火設備を購入する場合、国や県などの助成制度はないという。県は「調査結果は各消防署や市町村などに伝えた。それぞれの点検や指導の中で普及を呼びかけてもらう」としている。』
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2008.07.01 ☆障害者 広範囲で発生 対策遅れ家庭で、職場で…介護放棄や暴力
  1日、讀賣新聞→

 『障害者施設の利用者から相談を受ける「広島人権擁護センターほっと」のメンバー(右)。「細かな要望にも真剣に向き合う姿勢が大事」という(広島県東広島市で)
児童や高齢者、女性などに向けられる虐待の問題が深刻化している。中でも、対策が進んでいないのが、障害者に対する虐待だ。最近になって、実態調査が行われるなど、課題が明らかになり始めた。(中館聡子)

全戦全敗
  「残念ながら、全戦全敗でした」
障害者の人権侵害や虐待について相談に応じる市民団体「広島人権擁護センターほっと」(広島市)の寺尾文尚代表は、そう苦笑いした。

  同センターは2001年、広島県内で障害者施設を運営する寺尾代表が、「障害のある人や家族が、自由に思いを語ることができる環境を作りたい」と、知り合いの福祉関係者や司法書士らに呼びかけて創設した。1996年、滋賀県の肩パッド製造会社で、社長が従業員の障害者に対して日常的な暴力、障害年金の横領などを行っていたことがわかった「サン・グループ事件」など、各地で発生する深刻な虐待に、「身近でもありうる事件」と危機感を募らせたことがきっかけだった。
これまで、十数例の虐待が疑われる相談にかかわった。
自閉症の男性従業員の家族から、男性が工場長に「言うことを聞かない」と、たばこの火を手に押しつけられたとの相談があった。就職をあっせんしたハローワークと連絡をとり、社長に事実を認めさせた。だが、謝罪しながらも、「息子さんを預かるのは大変なんですよ」と言う社長に、家族は結局、「これからも面倒をおかけしますが、よろしくお願いします」と頭を下げたという。
このように、少なからず解決に向かった例もある。しかし、「障害者が何らかの我慢を強いられ、環境を変えられなかった」と寺尾代表は“全戦全敗”に込めた思いをそう説明する。「障害者の中には表現が苦手な人もいて、うまく被害を訴えられないことも多い。また、障害者を支える社会資源が少ない中では、次の行き場所を確保できない限り、不当な扱いを受けても、苦情を言うことさえできない」と現状を憂えた。

実態調査
  障害者自立支援法では、「障害者の虐待の防止、早期発見のために関係機関と連絡調整を行うこと」が市町村の責務とされたが、高齢者や児童のような虐待防止法はなく、具体的な対策は定められていないのが実情。そんな中、「有効な予防、支援方法を考えるには、まずは、虐待の構造を把握することが不可欠」と、さいたま市などで実態調査が行われた。
昨年、埼玉大学の宗沢忠雄・准教授が、同市内にある障害者支援事業所239か所などを対象に、把握している虐待事例について調査した。その結果、発生場所は「家庭」が全体の約4分の3を占めた一方、福祉サービス関連や就労先など、多岐にわたっていることもわかった。
  虐待の種類として最も多かったのは「ネグレクト(介護放棄)」の44%。障害年金搾取などの「経済的虐待」も39%と割合が高かった。2種類以上の虐待を受けていた事例が全体の4割に上り、「生命にかかわる深刻な状態」に至ったケースが1割を超えた。
虐待が発生する要因として、虐待者側の問題では、「障害に対する無理解」や「障害者本人とのこれまでの人間関係のこじれなど」、障害者側では、「周囲との意思疎通・コミュニケーション上の困難」が多かった。

認識不足
  家庭内の虐待では、障害者が40歳以下の場合、虐待者はほとんどが親で、特に母親が目立った。40歳を超えると、兄弟や息子が多く、「40歳までは児童虐待、40歳からは高齢者虐待と似た様相を示す。また、児童、高齢のように限られた期間ではなく、長期にわたって虐待を受け続ける可能性もある」と、宗沢准教授は心配する。
事業所の職員の虐待に対する認識が思いのほか、低かったことにも驚いたという。「少額のお金なら管理ができる障害者にも、それをさせない」という、専門家から見れば明らかに自由権の侵害にあたる行為について、「虐待にあたると思う」と明言した職員は、6割を切った。
  「障害者の虐待は対象年齢や発生場所などが幅広いだけに、支援にも広範囲な連携を要する。行政、医療・福祉、労働、法曹関係者、地域住民などのネットワークの構築が求められる」と宗沢准教授は指摘する。』
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2008.06.23 ☆障害者支援 民主が法案作りへ
  23日朝、NHK→

  『民主党は、障害者が支援サービスを利用する際に、費用の1割を負担することを定めた「障害者自立支援法」について、「負担が重すぎる」などとして、障害者が収入に応じて費用を支払う仕組みに改めることなどを柱とした、新たな法案をまとめることになりました。

  おととし4月に施行された「障害者自立支援法」では、障害者が支援サービスを利用する際に、原則として、かかった費用の1割を自己負担することが定められています。これについて、民主党は「障害者にとって負担が重すぎる」として、障害者の支援策を抜本的に見直すことになりました。具体的には、1割負担の制度を廃止して、代わりに収入に応じて費用を支払う仕組みに改めるとしています。

  また、国が障害の度合いを認定し、それによって受けられる支援サービスが決まる現行制度についても、「きめ細やかな対応ができていない」として抜本的に見直し、民間の調査員が、ひとりひとりの実情を調べ、支援サービスの内容を決める制度に改めるとしています。民主党は、条文化の作業を急ぎ、できるだけ早く法案として取りまとめたいとしています。』
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2008.06.18 ☆障害者の就職が最多 07年/広島
  18日、中國新聞→

  『広島県内のハローワークを通じた2007年度の障害者の就職件数は、1290件で前年度より2.6%増え、過去最多を更新したことが広島労働局のまとめで分かった。労働局は「06年4月の改正障害者雇用促進法施行で、精神障害者を法定雇用率に算定できるようになり、企業が採用に前向きになった」とみている。

  件数は6年連続で増えた。新規求職は2611件で3.0%減ったものの、求職に対する就職者の割合を示す就職率は2.7ポイント上昇し、49.4%になった。内訳は、精神障害者が17.0%増の310件と大幅に増加。身体障害者は2.0%増の701件。知的障害者は10.5%減の263件だった。

  就職先は、製造が21.4%増の68件、卸・小売りが1.5%増の68件、サービスが6.6%増の65件。3業種で総数の約65%を占めた。医療・福祉は41件で86.4%増え「福祉施設でヘルパーとして採用されるケースが目立つ」(労働局)という。

  障害者の法定雇用率(1.8%)を達成した県内企業(従業員56人以上)の割合は、07年6月1日現在で45.2%(779社)。雇用率の平均は1.6%となっている。』
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2008.06.15 ☆南丹の障害者施設トイレ減額:ルールの運用不適切 検証委が廃止求める答申 /京都
  14日、毎日新聞(京都)→

  『南丹市美山町の障害者就労支援施設「ワークセンターびび」で作業時間中トイレに行くとその時間分の工賃を減額していた問題で、施設を運営する同市社会福祉協議会が諮問していた「工賃減額問題検証特別委員会」(西山幸伸委員長)は13日、「作業場を離脱した場合、即、工賃対象時間に加えない運用は廃止すべきだ」などと答申をした。

  トイレによる減額は問題が発覚した4月で中止されたが、他の理由で離れたと認められる場合にはその時間分の工賃を支払わないルールは続いている。同社協は「答申は尊重されるべきもの」、同施設も「答申内容について利用者、保護者と話し合う」としている。
同委員会は減額が決まった経緯などを検証するため専門家による第三者委員会として同社協が設置。施設利用者や保護者などから聞き取りなどして検証を進めた。答申では「ノーワーク・ノーペイの考え方を障がい者の共同作業現場にストレートに持ち込むのは原則的に適切でない」とし、「広い見地からチェック、検証する仕組みがあれば少なくとも今回のような『非常識』と思われる運用はなかったのではないか」などと指摘した。』

■へ? 非常識というより人権無視じゃないか。
>ノーワーク・ノーペイの考え方を障がい者の共同作業現場にストレートに持ち込むのは原則的に適切でない のは当然としても、我々だって就業時間中にトイレ行って減給されるってことでしょ。たばこなんて論外だわな。ありえん・・・。
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2008.06.05 ☆障害者共同住宅を調査へ=神奈川の火災受け-総務省消防庁
  5日昼、時事通信→

  『総務省消防庁は5日までに、神奈川県綾瀬市の知的障害者施設で3人が死亡した火災を受け、障害者施設の防火安全対策について実態調査するよう都道府県などに通知した。障害者らの共同住宅として届けられながらも、障害者福祉施設として運営されている施設の実態も調べる。』
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2008.06.01 ☆政府、「障害者白書」決定 自立支援などの進展を評価
  31日、日本経済新聞→

  『政府は30日の持ち回り閣議で、2008年版の「障害者白書」を決定した。障害者の自立や社会参加の促進策を盛り込んだ「障害者基本計画」(03―12年度)について過去5年間の法整備や進ちょく状況などを検証し、障害者と健常者の共生社会の実現に向けた施策が着実に進んでいると評価した。
  白書は05年に制定した障害者自立支援法について「利用者負担の見直しや国の財政責任の強化を通じて安定的な制度の構築が図られた」と指摘。06年のバリアフリー新法は公共』交通機関や道路などのバリアフリー化を促したと結論づけた。』
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■同一白書でこの報道。WEBサイト活用で分かるメディアの姿勢、かな?
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☆サービス利用者32%が不満 08年版障害者白書
  30日夜、共同通信→

  『政府は30日午後の持ち回り閣議で、2008年版「障害者施策の概況」(障害者白書)を了承した。

  介護など福祉サービスに関する意識調査で、過去3カ月間にサービスを利用した障害者(50・2%)のうち、計32・7%が「不満」「やや不満」と回答。理由(複数回答)は「費用負担」「サービス内容の制限」「サービスの量」がいずれも30%を超えて上位を占めた。06年の障害者自立支援法の施行で利用料が原則1割負担となり、負担感を増したことが背景にあるとみられる。

  一方、「満足」「やや満足」と回答したのは計62・2%。白書は、利用者の約半数が利用量を増やすことを希望しているとして「サービスへの潜在的なニーズがある」と強調している。

  サービスの「質」に関しては、同法施行以前と比較して「変わらない」が37・9%、「良くなった」と「悪くなった」はともに16%台だった。
調査は、内閣府が今年2-3月に全国の障害者5124人を対象に郵送で実施し、回答率は50%だった。』
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☆不満の理由は「費用」=身障者サービス-08年白書
  30日夜、時事通信→

  『政府は30日の持ち回り閣議で、2008年版障害者白書を決定した。障害者サービスの満足度について聞いたアンケートでは、保健・医療の不満な点に費用の高さを挙げた人が45.7%で最も多かった。06年に施行された障害者自立支援法で、障害者サービスが原則1割負担となったことなどが影響したとみられる。

   アンケートは5124人を対象に、今年2、3月に実施(回答率50%)。保健・医療サービスについて「満足」「やや満足」と答えた人は計67.9%、「やや不満」「不満」は計25.0%だった。不満の理由は「費用負担」に次いで、「サービスの量」(22.0%)、「サービス内容が制限されている」(19.4%)の順に多かった。』
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☆障害者白書:福祉サービス、4割が「3年前と変わらず」
  30日夜、毎日新聞→

  『政府は30日、08年版障害者白書を閣議決定した。今年2〜3月に障害者を対象に実施した「障害者施策総合調査」の結果を盛り込んでいるが、障害福祉サービスの質は3年前と比べて「変わらない」と答えた人が最も多い37.9%だった。06年10月の障害者自立支援法施行の前後で、4割弱の障害者のサービスに対する意識に大きな変化がないことが浮かんだ。

  「良くなった」は16.5%で、「悪くなった」は16.1%。サービスの量に関する回答も「変わらない」が39.7%で最多だった。』
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2008.05.29 ☆障害者差別禁止条例:解釈指針修正へ 「差別者」定義に異論調整委/千葉
  29日、毎日新聞(千葉)→

  『県障害者差別禁止条例に関し、重要事項を審議する調整委員会(20人)が28日、県庁で開かれた。障害のある子供に特別支援教育を受けさせない保護者ら関係者を不利益取扱者(差別者)とする条例の解釈指針に対し、障害児を普通学級に通わせている保護者が見直しを求めた要望書が取り上げられた。委員からは「何らかの修正が必要」との意見が出され、8月に予定されている次回の会合で修正案が提示される見通し。

  条例は障害者への差別禁止を目的に全国の都道府県で初めて成立、07年7月に施行された。解釈指針は条例に関する運用や判断の基準で、県障害福祉課が策定した。
  見直しを求める声が出ているのは、条例第2条第2項第5号(教育における不利益取り扱いの定義)の「本人に必要と認められる適切な指導及び支援を受ける機会を与えないこと」という条文の解釈指針。「機会を与えない」とは「障害のある幼児児童生徒にかかわる関係者が『特別支援教育』を受ける機会を与えないこと」と定義している。

  この指針について、普通学級の障害児受け入れを求める保護者らでつくる市民団体「共に育つ教育を進める千葉県連絡会」などが2月に見直しを求める要望書を県に提出。要望書では「県の見解は普通学校から排除される障害児の苦しみを理解していない」として削除などを求めた。

  調整委では「混乱を引き起こしているのなら何らかの修正が必要」「聴覚障害者が普通学校に進学し、手話教育を受けられなかったケースもある。指針がおかしいとは言い切れない」などの意見が出た。県障害福祉課の横山正博副参事は「特別支援教育や進学先を巡り、保護者と教育委員会の意見が違っても、片方が差別者とならないよう、修正案を提出したい」としている。』
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2008.05.20 ☆障害児施設:契約制度で厚労省通知「利用料滞納で退所)
  20日、毎日新聞→

  『障害児施設に入所した子供の保護者に施設利用料などを課す「契約制度」を巡り、厚生労働省が家族の経済的事情を考慮する必要性を否定し「保護者が支払いを滞納した場合は、子供を退所させることも可能」とする通知を出していたことが分かった。通知は公費負担で養う「措置制度」の対象児童を限定する見解も示しており、障害児への公的責任を著しく狭める国の姿勢が浮き彫りになった。

  厚労省は障害者自立支援法の本格施行を控えた06年6月、障害児に措置制度を適用する要件として、保護者が(1)不在(2)精神疾患(3)虐待--のいずれかに該当することを定めた。さらに7月、全国児童相談所長会に措置を適用する場合の具体例を通知した。
通知は「不在」の判断について、保護者が入院中や施設入所中でも病院・施設名が分かれば措置対象にならないことを明示。「精神疾患」に該当するのは「家裁に成年後見人の利用申請中」の保護者に限った。
虐待に走る恐れがある故意に支払わない保護者についても「(虐待に当たる)養育拒否とは認められない」と定義。滞納世帯の児童は「(施設が)契約を解除することも可能」との見解を示した。
日本知的障害者福祉協会の調査では、24都道県で契約と判定された児童の割合が7割を超えた。厚労省の通知を厳格に運用しているとみられる。

  厚生労働省障害福祉課は「一つの指標で『文言通りに従え』という意味ではない。子供の状況を勘案し、総合的な判断をするのは児童相談所の役割」と話している。
  ▽岡田喜篤・川崎医療福祉大学長の話 児童は自己選択権も、不適切な境遇から自力で逃れる手だてもない存在で、公的責任の措置制度が重要だ。「公権力に基づく措置は自由がない」との指摘があるが、措置でも保護者の意向を尊重する手続きがある。措置に問題があるならその改善を検討すべきで、契約の導入が解決策にはならない。障害児だけ措置を制限するのは児童間の不公平で、国の責任逃れだ。』
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2008.05.19 ☆障害者施設へ仕事を優先発注 議員立法へ 官公庁に努力義務
  19日、讀賣新聞→

  『与党は、国や自治体などが、障害者の就労支援施設へ優先的に仕事を発注することを促す法律「ハート購入法」(仮称)を、議員立法で策定する方針を決めた。今国会に法案を提出し、来年度の施行を目指す。

 障害者の就労促進と所得向上が目的。法案骨子によると、国、自治体、独立行政法人などの公的機関に、就労支援施設の製品やサービスを優先的に購入、利用するよう努力義務を課す。

  対象となる施設は、授産施設、福祉工場、地域活動支援センターなど計約5000か所。民間企業などでの一般的な就労が難しいとされる障害者計約20万人が働いている。重度障害者を多数雇用している民間企業も対象とする。
優先購入が認められるのは、多くの施設が取り組んでいる名刺や封筒などの製品、施設や公園の清掃、売店やレストラン運営のサービスなど、約70種類。各省庁や自治体は毎年度、年間計画を立て、随意契約などでこれらの商品やサービスを購入する。
現行制度では、公的機関による製品の購入やサービス業務の委託は、競争入札で契約先を決めるのが原則。就労支援施設は企業ではないため競争力が弱く、一般に受注が難しい。

  随意契約は例外的に認められているが、中央省庁の場合でも、契約金額が160万円以下の製品購入に限られている。ハート購入法では、契約金額が1件あたり1700万円程度までは、随意契約でも適正な契約と見なす。
就労支援施設で働く障害者の賃金は、月平均1万5000円程度。このため、政府は昨年2月、「成長力底上げ戦略」の基本構想に、施設の工賃倍増計画を盛り込んだ。

  法案作成にかかわっている自民党の坂本由紀子参院議員は、「ハート購入法は、工賃倍増を実現する具体的な手段。国や自治体は、特別な予算を計上しなくても、障害者の所得アップを支援できる」と話している。』
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2008.05.17 ☆障害者の就職が過去最多に 求職も増
  16日夜、産経新聞→

  『厚生労働省は16日、全国のハローワークを通じて平成19年度に就職した障害者が、前年度比3.6%増の4万5565人で、過去最高だったと発表した。
  新規求職の申し込みも4.1%増の10万7906人で過去最多となったが、新規求職者に対する就職者の割合を示す就職率は42.2%と、前年度を0.2ポイント下回った。

 厚労省は「昨年後半から景気の影響で求人の動きが鈍っており、企業の理解を促したい」としている。
就職者の内訳をみると、早い段階から雇用が進んでいた身体障害者の伸びが落ち着き、前年度から1000人近く減り約2万4500人に。一方、2年前の法改正で企業の法定雇用率の対象となった精神障害者が3割弱アップし約8500人となった。知的障害者は約1万2000人。』
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2008.05.10 ☆知的障害児施設:「契約」未収金5700万円 負担増で退所108人 毎日新聞調査
  10日、毎日新聞(夕刊)→

  『障害者自立支援法に基づき、知的障害児施設の入所児に原則1割の利用料などを課す「契約制度」を巡り、保護者が施設への負担金を払えず、総額5700万円が未収になっていることが毎日新聞の調べで分かった。負担増を理由に退所した子どもも108人に上る。厚生労働省は「経済的事情は考慮しない」としており、負担能力を超えた契約制度の適用が背景にあるとみられる。新制度によって施設が不安定な運営を強いられている実態が浮かんだ。【夫彰子】

  全国260カ所の知的障害児施設に4月1日現在の未収金などをアンケートし、10日までに195カ所(75%)から回答があった。

  回答のあった施設の54%に当たる105カ所で未収金があった。100万円以上が16カ所、50万円以上~100万円未満が25カ所あった。滞納している入所児は427人で、全入所児の16人に1人の割合だった。1施設当たりの未収金平均は約54万円。入所児のうち契約制度を適用された18歳未満の子どもの割合が5割以上の施設では、未収金額は平均63万円と多くなった。

  大半の施設は「安易に子どもを退所させるわけにはいかない」と、滞納分を事実上肩代わりし養育を続けている。しかし、契約制度に伴う負担増を理由に、保護者が退所させた入所児は、56施設で108人に上った。
  児童福祉法は従来、すべての子どもを公費負担する「措置制度」にしていたが、06年10月施行の自立支援法で、障害児だけは都道府県が措置か契約かを決める制度になった。

  厚労省は「親の経済的事情は措置の条件にはならない。滞納世帯の子は施設から契約を解除されても仕方がない」と説明。これに対し、施設からは「家庭での養育が困難だから入所している子どもを、親の都合で退所させるのか」との批判が上がっている。

◇千葉の施設長「お金か子供か、究極の選択」
  「施設は金の取り立て屋じゃない。私たちに子どもを守るという本来の仕事をさせてほしい」。契約制度により膨らむ一方の未収金に、障害児施設職員たちの訴えは悲痛だ。滞納する親の子どもを契約解除するか、保護し続けるか。施設は経営と児童福祉の間で苦しい選択を強いられる。 千葉県のある施設長は今春、「お金をあきらめるか、子どもを退所させるか、究極の選択を迫られた」という。入所する男児(8)の父親は、月約3万円の支払いを1年以上滞納し、未収金は約50万円に上った。
「過去の滞納分として約5000円ずつ上乗せして払う」と約束したのは4月初め。今後順調に支払われても、未収金の解消には10年近くかかる。施設長は「契約制度を作った国、適用した自治体が『民民契約だから』と責任を負わないのは納得できない」と憤る。

  アンケートでは「行事参加費を低所得の親に代わり職員がカンパした」「滞納したまま子どもを退所させた親がいる。未収金は施設が負担した」などの回答があった。契約制度の場合は医療・教育費も自費で「子どもが病気になっても病院へは連れて行かないでほしい」と親に言われた施設もあった。』
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2008.05.04 ☆障害者の権利条約が発効 128カ国署名、批准25カ国
  4日夜、朝日新聞→

  『【ニューヨーク=松下佳世】障害者への差別をなくし、社会参加を促す「障害者の権利条約」が3日、発効した。締約国は、差別をなくし、教育や雇用などあらゆる分野で障害者に健常者と同じ権利を保障する義務を負う。
同条約は06年末に国連総会で採択。これまでに128カ国が署名、25カ国が批准した。障害者は世界に約6億5千万人いるとされる。
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は「すべての人の普遍的人権の実現における歴史的な瞬間だ」と発効を歓迎した。

  同条約は、障害者のための新しい権利を定めるのではなく、差別をなくすことで、障害者が人権や基本的自由を完全に享受できるようにすることを目指している。建物や交通機関のバリアフリー化、公共サービスや施設の利用、情報の入手などの「アクセシビリティー(利用しやすさ)」を重視しているのが特徴だ。

  日本は昨年9月に署名したが、関連法の改正などが必要で、批准にはしばらくかかる見込み。 』
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2008.04.26 ☆自民、障害年金の上乗せ制度を見直し
  25日午後、日本経済新聞→

  『自民党の社会保障制度調査会年金委員会は25日午前、障害年金の受給者に配偶者や子どもがいる場合に年金額を上乗せする加算制度を見直す方針を決めた。現行制度では年金を受け取り始めた時点で配偶者や子どもがいれば年金額が上乗せされるが、受給開始後に結婚したり、子どもを得たりしても加算の対象とならず、不公平との指摘があった。議員立法で早ければ今国会に厚生年金保険法などの改正案の提出をめざす。』
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2008.04.24 ☆障害者支援は地方裁量検討を 全国知事会、厚労相へ要望
  24日、新潟日報→

  『舛添要一厚生労働相と全国知事会との社会保障施策に関する意見交換会が23日、厚労省で開かれ、障害者の負担が増えたとの指摘もある障害者自立支援法について、泉田裕彦知事らが改善を要望した。舛添厚労相は「理念はいいけど運用が悪いのは後期高齢者医療制度と同じ。現場の声を施策の企画・立案段階から入れていきたい」と述べ、都道府県との事務レベルでの定期協議や地方担当ポストの新設を検討する意向を示した。

  意見交換会は、地方の実情を国の施策に反映させようと昨年9月に始まり、今回で3回目。泉田知事ら5県の知事が出席し、障害者の負担軽減措置の恒久化や発達障害者への支援などを求めた。

  会合で泉田知事は、両親の定年で障害者の経済的負担が増えた例を挙げ、「自治体にまとまった額を交付して工夫できるようにするなど地方に裁量を与える方法を検討してほしい」と提案した。

  一方、厚労省は殺人など重大な加害行為をした精神障害者を治療する指定入院医療機関の整備を進めるため、都道府県の協力を要請した。』
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2008.04.20 ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/6 支援を限定する障害程度区分/和歌山
  20日、毎日新聞(和歌山)→

『◇「不透明」「信用できない」戸惑う保護者ら
  「一人で歩けますか?」。知的障害の女性利用者(33)についての調査員の質問に、和歌山市の「くろしお作業所」の鈴木栄作施設長(40)は疑問を感じた。「できるできないを聞くだけで、どういう介助が必要なのかを聞く項目がない」
  障害者自立支援法の施行で、福祉サービスの利用に、障害程度区分の認定が必要になった。106の質問項目のうち、体の不自由さなどを問う要介護認定基準が8割近く。このため、知的、精神障害者の場合、障害程度が正しく反映されないケースが生じている。

  女性は中程度の区分3に認定。重度の自閉症で、感情の変化に応じた介助を必要とする。鈴木所長は「あまりに軽い。障害の程度は介護基準で測れない。根拠のない不透明な区分だ」と憤る。不服申し立てにも、複雑な手続きが必要なため、できないままだ。

  認定区分は利用できるサービスを決める指標となり、低く判定された場合は支援も制限される。例えば、ケアホームは区分2以上、重度訪問介護は区分4以上が対象。また、利用者1人当たりの報酬単価を決める基準にもなり、事業所にとっては収入にかかわる。

  認定は調査状況にも左右される。知的障害のある和歌山市の明渡哲人さん(28)は06年10月に区分4と判定されたが、3カ月後の再調査で5になった。2回目は、利用するケアホームの世話人が立ち会い、別の調査員が行った。母美津子さん(53)は「ころころ変わる区分は信用できない」と戸惑う。

  県の10障害者団体は07年10月、個々の障害者の生活ニーズに基づく支給決定の仕組み作りなどを国に求めるよう県に要望。厚生労働省障害福祉課は「より正確に障害特性を判定できるよう、区分の見直しに向けた実態調査の準備を進めている」と説明する。

  金川めぐみ・和歌山大准教授(社会保障法)は「最大の問題は認定の判断で支援が限られること。本人が自由に意思決定できる『自律』こそ障害者の自立であり、逆行している。生活における支援の必要度を反映する認定の見直しが必要だ」と話している。=おわり(この連載は清水有香が担当しました)

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■ことば
◇障害程度区分
   障害者自立支援法で、サービス利用の際に必要となる認定。障害程度別に6段階に分け、数が多い程重い。認定調査員による106項目の聞き取り調査を基に、コンピューターで1次判定。特記事項や医師の意見書などを考慮して学識経験者らでつくる審査会が2次判定し、市町村が区分を認定する。認定調査員は市町村職員や市町村が委託する相談支援事業者などが担当する。』
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2008.04.19 ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/5 就労強化と工賃アップ /和歌山
  19日、毎日新聞(和歌山)→

『 ◇両立困難で事業断念--元作業所長
  午前10時。和歌山市の「くじら共同作業所」に、焼きたてのパンの香りが広がる。聴覚障害のある泰地哲夫さん(53)が毎朝7時に来て、生地作りから成形までこなす。「パンが売れるのはうれしいけど作業は大変。給料もなかなか上がらない」と表情を曇らせる。

  07年4月、障害者自立支援法に基づく新体系のうち、「就労継続支援」などを行う事業所に移行し、パン作りを開始。菓子作りが主だった移行前に比べ、売り上げは月約5万円伸びた。だが、利用者が2倍に増えたため、1人当たりの工賃は変わらない。白藤令所長(59)は「障害の程度によって、仕事の内容や量に差があるのは当たり前。工賃を上げようとすれば、負担が偏る」と言う。

  就労支援は同法の柱の一つ。一般企業への就労率の高い事業所や目標工賃を達成した事業所に対し、報酬を加算するなどして就労促進を図る。県は「障害者就労支援5か年計画」(07〜11年)を策定。求職活動の支援や施設職員の指導力向上などに取り組むが、作業所からは「無理な労働で利用者に負担をかけるのが心配」といった声が上がっている。

  別の課題もある。すさみ町の「いなづみ作業所」は07年5月、移行から半年で「就労移行支援」事業を断念。能力の高い3人が就職で退所し、仕事が回らなくなった。利用者減で施設報酬も月約50万円減り、他のサービスを提供する事業所として再スタートした。
当時、所長だった石神慎太郎さん(36)は「仕事のできるエース的存在を次々と外に出せば、作業所の労働力は落ちる。就労の強化と工賃アップは両立しない。就労に力を入れるほど、自分の首を絞めることになる」と指摘する。

  県障害福祉課は「事業所には、仕事のできる人材を育てる努力が必要。職員の意識改革を図り、支援体制を整えたい」とする。「障害者就業・生活支援センターつれもて」の加藤直人所長(51)は「障害の程度には個人差がある。労働量が限られる利用者にこそ支援が必要」と訴える。
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■ことば
◇障害者の就労支援事業
   障害者自立支援法施行に伴い、就労支援事業を、就職を目指す「就労移行支援」と、一般企業で働くことが難しい人を対象にした「就労継続支援」に再編。「就労移行支援」は利用期限2年で、作業訓練や職場実習、職場探しを行う。「就労継続支援」は雇用契約を結ぶA型と結ばないB型の2種類あり、働く場を提供しながら訓練する。利用期限はない。』
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☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/4 日割り化で収入確保に苦慮 /和歌山
  18日、毎日新聞(和歌山)→

『◇「商売じゃないのに」作業所管理者
  「利用者の顔色をうかがいながら、実績を上げないといけない。福祉は商売じゃないのに」。和歌山市の「いこいの家共同作業所」管理者の上田朋行さん(38)はため息をつく。障害者自立支援法が始まった06年4月から施設報酬(補助金)の算定が月額から日額になったため、収入確保に苦しむ。

  同作業所は07年4月、新体系に移行。定員30人を40人に増やし、土日に仲間が集まりやすいイベントを開くなどして収入増を図る。支援計画の作成や目標達成の評価など事務作業も増えた。07年度の収入は前年度を維持したが、「職員の負担がこれ以上大きくなれば、支援の充実が図れない」と上田さんは言う。
  報酬の日割り化は、施設の運営に深刻な影響を与えた。利用者が1日休めば、その分の施設報酬が減る。また、施設報酬の1割はサービス利用料として利用者負担となるため、来てもらう回数が増えれば、利用者の支払いも増えるという板挟みにも苦しむ。

  岩出市の「きのかわ共同作業所」では、収入が05年度約5600万円から06年度約4700万円に激減した。同年から職員の昇給を凍結し、ボーナスもカット。小畑和江施設長(55)は「新しく人を雇う余裕もない。利用者が単価に見えてくる現実がつらい」と漏らす。

  国は06年12月、事業所の経営基盤の強化のため、08年度までに限り、前年度収入の9割保障を打ち出した。さらに、今月から通所サービス事業の報酬単価を4・6%引き上げ、定員を超す受け入れも可能人数を拡大した。しかし、いずれも時限的で、今後の見通しは立っていない。

  経営難でしわ寄せを受ける福祉の現場。山崎由可里・和歌山大准教授(障害者教育史)は「仕事に見合った給料が保障されず、福祉職をとりまく労働環境は悪化しており、福祉の先細りが懸念される。安定した施設経営ができるよう、根本から法を見直すべきだ」と指摘している。
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■ことば
◇施設報酬の日割り化
  国や自治体は施設定員に応じた定額の月払いで施設に補助したが、障害者自立支援法施行で、利用日数に応じた日割り計算に変更。利用者1人当たりの報酬単価は、利用するサービス内容や障害程度区分などで決める。事業所は定員以上の利用者を登録できるが、一定の基準を超えると報酬単価が減らされる。』
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2008.04.17 ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/3 存続を模索する小規模作業所/和歌山
  17日、毎日新聞(和歌山)→

『◇生き残りに選択肢ない--5人通所副理事長
  5人の知的障害者が通う和歌山市の小規模作業所「ひぃふぅみぃ共同作業所」。06年に長屋の一室で開所し、地域の障害者の交流の場となっていたが、今月、別の地区に引っ越した。従来の約3倍の広さで、家賃は20倍以上。安定した運営を求め、新体系移行を目指す第一歩だった。
開所当時は利用者3人。公的補助はなく、保護者の寄付などで月5000円の工賃を賄った。利用者5人となった昨年から年約350万円の市の補助を受けるが、運営は厳しい。障害者自立支援法に基づく「地域活動支援センター」になれば、年間600万円程度の補助が見込める。

  定員20人以下の小規模作業所は、地域の重度障害者の受け皿として80年代に全国に広がり、現在、6000カ所近くある。法定外のため、多くは経営が不安定だ。全国の作業所でつくる「きょうされん」(東京都)によると、小規模作業所への公的補助の全国平均(05年)は年間で、都道府県約400万円、国110万円だった。

  しかし同法施行に伴い、国は06年4月、補助を打ち切った。新たに補助を得るには移行が原則だが、5年以上の実績や10人以上の利用者など条件がある。ひぃふぅみぃ共同作業所の尾崎直加副理事長(52)は「新しい場所で、なんとか利用者を増やしたい」と話す。
条件を満たせず、移行の見通しが立たない施設もある。岩出市の「共同作業所ぷちこすもす」は利用者1人。すべてを自主財源で賄う。井原啓子理事長(54)は「1人でも利用者がいる限り、存在理由がある。資金の無い小さな作業所にこそ補助が必要」と訴える。

  県は07年度から2年間の期限付きで、移行を考える小規模作業所に上限250万円を補助。県障害福祉課は「経営安定のため、補助を活用して早めに移行してほしい」とするが、この補助を受けるにも、実績や定員数などの条件がある。
尾崎副理事長は言う。「移行して、今までのように仲間の居場所であり続けられるか不安はある。それでも、生き残るために、私たちに選べる選択肢はない」。地域の障害者福祉を支えてきた小規模作業所は、存続の道を模索している。
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■ことば
◇新体系移行
  障害者自立支援法の施行で、障害種別に33あった従来の施設・事業体系を、各サービスの機能や目的に合わせて「六つの日中活動」に再編。療養介護、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、地域活動支援センターがある。06年度から5年間の経過措置が設けられ、国や自治体から補助金を受けるためには、その間に移行先を決めなければならない。複数の事業選択も可能。』
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2008.04.16 ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/2 移動支援の自治体格差/和歌山
  16日、毎日新聞(和歌山)→

『 ◇楽しみ奪われる、悔しい--36歳の女性
  「住所が違うだけで受けられるサービスが違うのは不公平」。下肢障害のある和歌山市の女性(36)は憤る。障害者自立支援法の施行で、ヘルパー利用時間が大幅に減った。障害程度は変わらないのに、同じ作業所に通う紀の川市の仲間は3倍支給されている。
女性は車椅子生活で、外出にはヘルパーの付き添いが必要だ。同法施行前、ヘルパー利用は月35時間。料理教室への送迎など自由に使えたが、06年4月の同法施行を境に、私的な理由で使える時間が月10時間に制限。それ以上は全額自己負担となる。外出は減り、家にいる時間が増えた。

  同法で、障害者の社会生活に不可欠な「移動支援」は市町村事業になった。このため、支給時間や利用条件など自治体の対応に格差がある。例えば、和歌山市が18歳以上の私的理由による利用を月10時間としているのに対し、紀の川市は制限がない。「友達の家にも気軽に行けない。楽しみまで奪われるのが悔しい」と女性は言う。
和歌山市は利用者の声を受け、今月から移動支援などの支給決定基準を緩和。18歳以上の場合、単身世帯や障害者のみの世帯などは月10時間を20時間に増やした。

  一方、ヘルパーを派遣する事業所では収入減も起きている。和歌山市社会福祉協議会は、障害者へのヘルパー派遣利用時間が799時間(05年5月)から637・5時間(07年5月)に激減。07年5月の収入は約129万円で、05年同期比3割減となった。
同市障害福祉課は「私的理由でのヘルパー利用は個人差がある。特別な事情を除き、過去の平均利用時間に基づいて、公平公正なように一律10時間とした。今後も利用者の声には耳を傾けたい」と説明する。
趣味を持ち生活の幅を広げようとするヘルパー利用は、そうした人たちにとって著しく制限されている。和歌山市障害児者父母の会事務局長の岩橋秀樹さん(49)は「当事者であるはずの障害者が置き去りにされている。利用者の立場にたった制度を考えて」と訴える。
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■ことば
◇移動支援
  社会生活上、必要不可欠な外出や、余暇活動など社会参加のための外出時の移動を支援する事業。厚生労働省は「全国一律でなく、地域の実情に応じ柔軟に提供すべきサービス」として、障害者自立支援法で市町村主体の「地域生活支援事業」に位置づけた。利用料や利用範囲は、各市町村が独自に定める。』
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2008.04.15 ☆自立支援法:生活苦でも施設利用料1割負担 東京
  15日、毎日新聞→

  『東京都内の知的障害児施設に入所する少女(14)について、父親(64)が施設と正式な利用契約をしていないのに、都が障害者自立支援法に基づき、利用料の1割などを負担させる「契約制度」を適用していたことが分かった。父親は生活苦で利用料などが払えないため、施設が経費負担を余儀なくされている。施設側は、契約制度の適用をやめて事実上入所者の負担が減る「措置制度」の対象にするよう求めているが、都は応じていない。

  施設によると、少女は父子家庭。04年4月、児童相談所が父親の養育困難を理由に少女と妹を一時保護し、都内の児童養護施設に入所させたが、05年11月に障害のある少女だけが知的障害児施設に移された。

  06年10月に障害者自立支援法が本格施行され、施設利用料の原則1割などを保護者に負担させる契約制度の適用が可能になった。都は父親に契約能力があると判定し契約制度を適用した。

  しかし、日雇い労働者だった父親は腰痛で働けなくなり、生活保護の申請も却下された。施設は「親の養育能力が不安」として措置制度の適用を再三要請したが、都は「親の経済事情と契約能力は別問題」と退けた。父親は月約1万5000円の施設利用料などを1年余り滞納し、今は連絡も取れないという。

  契約制度の適用には施設と保護者との間で利用契約書など3種類の書類を取り交わすことが必要だが、法施行に向けた国の準備が遅れ、契約書だけで仮契約していた。

  施設側は「正式契約を結んでいないのに一方的に契約制度を適用するのはおかしい」と都を批判。厚生労働省障害福祉課は「都は契約そのものが適切かどうか再確認すべきだ」と指摘している。【夫彰子】

▽措置と契約 児童福祉法に基づく措置制度は、児童の入所に要する費用(措置費)を国と都道府県が2分の1ずつ負担。保護者は自治体に「徴収金」を支払うが、応能負担のため低所得層はほとんど出費の必要がない。一方、障害者自立支援法に伴う契約制度は、低所得の保護者も施設利用料の原則1割に加え、医療費や食費を施設に直接支払う必要がある。児童施設はすべてが措置制度だったが、06年の同法施行で障害児施設に限って「措置」か「契約」かを都道府県が個別に審査して決めることになった。』
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2008.04.15 ☆揺れる障害者福祉:自立支援法2年/1 授産施設利用にお金がなぜいるの?/和歌山
  15日、毎日新聞(和歌山)→

『◇何が自立、不安だらけ--42歳の岡田さん
  「一生懸命働いているのに、なぜお金を払わないといけないの?」。和歌山市の知的障害者通所授産施設「はぐるま共同作業所」を利用する岡田正雄さん(42)はこの2年間、思い続けている。

  ほぼ毎日、朝5時に出勤して約6時間、パンを焼いて販売する。「仲間に会えるし、仕事も楽しい」と言うが、施設の利用料を払うことが強い疑問だ。
  収入は月6万6000円の障害基礎年金と、月3万5000円の工賃(賃金)。支出はケアホームの家賃や生活費計約7万円のほかに、作業所利用料や給食費など計約1万3000円の負担が重くのしかかる。頼れる肉親はいない。「将来のための貯金もできず、1人の生活になるのが怖い」と不安を抱える。

  県障害福祉課によると、県内の認可施設で障害者が受け取る平均工賃は月額1万2045円(06年度)。中には時給6円の施設もある。別の作業所に通う男性(23)は「利用料を取る前に、賃金保障をして」と訴える。

  障害者自立支援法は、福祉サービス利用者に自己負担1割を求め、給食費などの実費負担を課した。低所得者には負担上限額があったものの、すぐに「生活していけない」と困窮の声が続出。国は上限額を4分の1に見直し、年収80万円以下の人の上限額は3750円になった。今年7月からは、さらにそこから2分の1に引き下げる。
だが、収入の少ない障害者にとっては1円の支出も深刻だ。岡田さんは言う。「お金だけとられて、その分の支援は何一つ受けられない。一体、何が自立なのか。不安だらけの毎日はもうたくさん。1日でも早く施行前の生活に戻してほしい」
× ×
  障害者自立支援法施行から2年。「障害者の社会参加」の理念とは裏腹に、「自立」が見えない現状と将来に不安が広がっている。揺れる障害者福祉の今を現場から報告する。(この連載は清水有香が担当します)

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■ことば
◇障害者自立支援法

  「施設から地域へ、福祉から就労へ」を理念に、障害者の地域社会での自立を目指す。身体、知的、精神に分かれていた障害者施策を一元化。福祉サービスの従来の利用者負担は収入に応じて決めたが、施設利用やヘルパー派遣などあらゆるサービス利用者に、利用料の1割の自己負担を原則とした。サービス支給決定の指標として、6段階で判定する「障害程度区分」を導入した。06年4月に利用料負担など一部施行、10月から完全施行。』
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2008.04.14 ☆精神障害者の退院支援策など策定へ
 14日夜、キャリアブレイン→

  『厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」は4月11日、初会合を開き、精神保健・医療・福祉の再構築に向けた今後5年間の施策をめぐる議論に着手した。当面は、精神科病院に入院する障害者の地域生活支援策などについて話し合い、来年の障害者自立支援法の見直しに反映させる。新しい施策は、来年9月からの実施を目指す。

  同省は、精神病床に入院する障害者約32万人(2005年度)のうち、7万人程度は受け入れ条件が整えば地域で生活できるとみており、今後、精神障害者の退院を促すことで精神病床の削減につなげたい考えだ。

  このため検討会では、退院後の受け皿の整備や、入院せずに必要なサービスを受けられる体制の在り方などについて検討し、年内に中間報告をまとめる。

  同省が2004年に公表した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」では、ビジョン策定後の10年間を5年ごとの一期と二期とに区分。来年9月から始まる二期の具体的な施策は、一期で実施した改革の成果を踏まえて決めることになっている。

  これを受け、検討会では当面、精神障害者の退院支援策を議論。その後、精神保健・医療・福祉の施策全般についても順次、話し合う。

  それぞれの施策には具体的な数値目標を盛り込み、達成状況を評価できるようにする。』
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2008.04.13 ☆知的障害児施設:入所児6割で自己負担 自立支援法に伴い
  11日、毎日新聞→

  『全国の知的障害児施設の入所児の6割以上が、公費負担で施設を利用できる措置制度の対象外とされていることが、「日本知的障害者福祉協会」(小板孫次会長)の調査で分かった。障害者自立支援法施行で、都道府県の審査で保護者に負担を求めることが可能になったためだが、負担を嫌う親が、子どもを独断で退所させるケースも出ている。他の児童施設は措置制度だけで運用されており、障害児施設の子どもだけが不安定な状況に置かれている実態が浮かんだ。

 児童施設は従来、すべてが措置制度の対象だった。06年10月の自立支援法の本格施行で、障害児施設だけが、措置か「契約」かを都道府県が審査して決める制度になった。契約と判定されれば、施設利用料の原則1割のほか、子どもの医療費や学校教材費も保護者負担となる。入所児や親への児童相談所のケアも義務でないとされ、対応が手薄になる。
調査は1月、全国255カ所の知的障害児施設に調査用紙を送付し、180施設(入所児計6789人、一部18歳以上も含む)から回答があった。

 その結果、契約と判定された入所児は、65%に当たる4421人に達した。都道府県によって契約の割合が大きく違うことも判明。山形、愛媛両県が100%の一方、愛知県が1割台、岡山、静岡両県も2割台だった。

  厚生労働省は、障害児の保護者が(1)不在(2)精神疾患等(3)虐待等--のいずれかに該当すれば、措置になるとの見解を示しているが、判断はあくまで都道府県任せ。東京都は「障害児は原則契約。措置は例外」としている。
  同協会児童施設分科会の田中斎(ひとし)座長は「障害の有無で分けるのは障害児への差別」と批判している。』
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2008.04.07 ☆障害者の交通費削減に反発/札幌
 7日夜、STV札幌テレビ放送→

  『「病院に行く回数も減ってしまう」ー。障害者の悲痛な訴えです。
  財政難を理由に札幌市が、障害者の交通費の助成額を削減する方針を打ち出していますが、障害者は、生活の実態を理解していないとして反発しています。

  (参加者の声)「今度の案はあまりにも恥ずかしい」「ぼくたちは生きています。その喜びを消さないでほしい」
  障害者の交通費助成制度の見直しについて開かれた意見交換会ー。助成額の大幅削減を打ち出した札幌市に対し、厳しい意見が出されました。
  (小谷さん)「障害者も高齢者も我慢して生活してくださいと言われているようで身が縮まる思いです」
車いすで生活している札幌市の小谷晴子さんです。タクシーの利用が多い小谷さんは、札幌市から年間3万9000円のタクシー券の助成を受けていますが、実際には、それを上回る交通費がかかっています。
  札幌市は、今回の見直し案でタクシー券、乗車券、ガソリン券の助成額を一部を除いて、年間2万4000円に引き下げ、利用上限のなかった福祉券と定期券を廃止する方針です。

  (障害者)「(助成は)本当に助かっている。これが削られると厳しいです」
  (小谷さん)「障害者の生活実態をキチンと把握しないままでできた案」「ぜほ(助成額が)低くなるような見直し案は撤廃していただきたい」

  一方、札幌市は・・・
(札幌市保健福祉局・森下課長)「将来に渡って制度を維持していかなければならない」「財政的な状況を見ながら何ができるのかの中で提示した案」
  財政難を理由に助成額を減らしたい札幌市に対し、社会参加の機会を大幅に奪うとして反発する障害者ー。今後の話し合いも難航が予想されます。』
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2008.03.30 ☆駐車禁止除外指定車標章:聴覚障害者は歩行困難者? 県公安委、表記改め交換 /滋賀
  29日、毎日新聞(滋賀)→

 『◇県公安委、駐禁除外車標章に記載--県ろうあ協会「歩けるのに誤解招く」
  昨年9月から聴覚障害者に交付された「駐車禁止除外指定車標章」に「歩行困難者使用中」と表記された問題で、県公安委は希望者に「身体障害者」か具体的な障害の部位・内容を記す標章を交付できるよう規則を改正する。今月14日付の県公報で発表した。この問題を巡っては、県ろうあ協会(辻久孝会長)が「歩けるのに誤解を招く」などと変更を求めていた。新標章は4月1日から受け付ける。【蒔田備憲】
身体障害者に対する駐禁除外標章はこれまで、本人か、本人や家族が使う車を対象に、各都道府県公安委が発行。標章には「身体障害者等使用車両」などと記され、聴覚障害者は対象外だった。

  しかし、06年6月の道交法改正で駐車禁止の取り締まりが強化される中、聴覚障害者は筆談などでコミュニケーションに時間がかかり、緊急連絡も難しいことから、警察庁は「短時間の取り締まりは厳し過ぎる」などと判断。聴覚障害者を標章の対象者に加えるよう検討し、昨年2月、都道府県公安委に制度の見直しを通達した。
県内でも昨年9月から交付が始まっていたが、「歩行困難者使用中」の表記に聴覚障害者が反発。12月には「聞こえなくても歩ける。誤解を招く表現だ」として、表記を「身体障害者使用中」にするよう要望書を県警交通規制課に提出していた。

  今回の規則改正について同課は「当事者の要望もあり、弾力的に運用できる部分と考えた」と説明。既に現標章を交付済みの人にも、希望があれば新しい標章に交換する。
辻会長は「変更を認めてくれて良かった。今後、聴覚障害者だけでなく、利用する際にはマナーを守ってほしい」とコメントした。』
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2008.03.30 ☆地域ホーム:揺れる知的障害者 法人運営へ転換迫る県 /群馬
  29日、毎日新聞(群馬)→

  『知的障害者が家庭に近い環境で暮らす「地域ホーム」が揺れている。個人運営もできた地域ホームを「運営が安定する」との理由から、県が期限付きで法人運営への転換を迫ったためだ。県は条件の緩和など柔軟姿勢も見せるが、方針に変更はなく、決着までしばらく曲折がありそうだ。【塩崎崇】

◇個人運営有志が存続求め陳情
  地域ホームは79年度に始まった県単独制度(当初は「通勤ホーム」)。多くの都道府県にもあるが、県の制度は市町村を運営主体に個人やNPO法人、社会福祉法人が受託、県と利用者の出身自治体で費用分担している。焦点の個人運営は県内47施設中16に上る。
「転換方針」のきっかけは06年10月に完全施行された障害者自立支援法だった。グループホームの運営をNPOにも認め、定員要件を緩和するなど「敷居」を低くした。これを受け、県は昨年1月、説明会を開催。「運営者が高齢化などで面倒を見られなくなれば、入所者は路頭に迷う」として、個人運営者も10年3月までにNPO法人格を取得し、グループホームに転換するよう促した。

  だが、昨年暮れ、個人運営者の有志(加藤〓(さとる)代表)が「きめ細かな世話をするには、さまざまな運営形態が認められるべきだ」と陳情、転換を拒否する姿勢を示した。こうした動きに県は年明け「要望や課題を聞く」と個別訪問。毎日新聞の取材にも「10年3月までの期限は強制しない」と軟化に転じた。

  県障害政策課は個人運営者が転換に応じられない理由を、NPO法人格取得の手間▽運営上求められる文書作業の煩雑さ▽定員増に伴う改修などの経済的負担--などと見る。高崎市内で地域ホームを運営する加藤さんは「かつてはグループホームにしたくても数の制限が厳しく認められなかった。法律が変わったから転換しろと言われても」と首をかしげる。その上で「我々にも理解不足の部分があった。期限まで3年もあったので切羽詰まっていなかったが、NPO化が難しいことも分かり動揺が出た」と陳情に及んだ理由を説明する。
小出省司・県健康福祉部長は「昨年1月の説明会で了解してくれていると思っていた」と意思疎通の不足を認め、同課もこの点を反省し「お互いに理解し合い、利用者本位の方向で考えていきたい」という。

◇女性4人暮らす、家庭に近く楽しい生活--高崎「赤いやね」
  地域ホームを訪ねてみた。04年10月に開所した個人運営の「赤いやね」(高崎市西国分町)は、敷地内に住む東野裕貴子さん(53)が運営する。
入居者は37〜49歳の女性4人。いずれも県内の障害者施設から移ってきた。小林孝子さん(37)は渋川市の電機部品会社に、ほかの3人は榛東村のクリーニング工場に勤めている。それぞれ個室を持ち、食事の準備や洗濯をこなす。小林さんは「みんな一緒で楽しい」と笑顔で話す。
  東野さんは若いころ障害者施設で働き、夫の幸一さん(56)と結婚時は、夫婦でホームをするのが夢だった。子育ての負担も減ったころ幸一さんから地域ホーム制度を聞いて決心した。
「私は4人にとってわずわらしい存在かもしれないが、家庭に近い生活をしてもらいたい」と話し、「県の事情が許すなら、地域ホームでもグループホームでも、こういう場所を増やしてほしい」と訴えた。』
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2007.03.27 ☆障害者医療費助成 命切り詰めるしかない 撤回の訴え届かず 28日県議会 見直し案可決の公算/福岡
  27日、西日本新聞→

  『重度障害者の医療費に一定の自己負担を求める県の「医療費助成制度見直し案」は、28日の福岡県議会本会議で採決される。苦しい生活を送る重度障害者は複数の医療機関を受診することが多く、医療費の負担増は「死活問題」。支援者とともに見直し案の撤回を求めてきたが、議会では無修正のまま可決される公算が大きい。

  障害者らが県庁前で最初の座り込みをしたのは今月5日。約50人で「このままでは命そのものを切り詰めなければならなくなる」と訴えた。12日は約150人が県庁一周のデモ行進。18日には約20人が知事秘書室前に詰め掛け、麻生渡知事に直接抗議文を手渡したいと求めた。

  「当事者から一度も意見を聞いていない。障害者をないがしろにするのか」。県社会保障推進協議会の北園敏光事務局長(55)は語気を荒らげた。約2時間にわたって押し問答したが県側は応じず、抗議文は職員に預けるしかなかった。

  抗議に参加した福岡市早良区の石松周さん(58)は生まれつき脳性まひで就労は困難。車いすで自宅療養を続けながら、リハビリなど4医療機関に通う。見直し案が可決されれば月2000円程度の負担増。「仕事ができない私たちにとって、医療費負担は『死ね』というのと同じです」

  負担増は障害者の家族も苦しめる。「金銭管理費」「散髪付添費」。同市博多区の八木トミエさん(81)は数々の請求書を見せながら撤回を訴える。長男信彦さん(50)は2歳のころ統合失調症と診断され、現在は柳川市の療養施設に入所する。

  夫(79)と年金暮らし。交通費もかさむため月1回程度しか施設に通えない。「医療のためにお金がかかるのを役人は分かっていない…」。トミエさんは声を震わせた。

  問題は議会でも度々取り上げられたが、麻生知事は「障害者間の格差是正と、限られた予算で持続可能な制度維持のためにも一定の負担をお願いする」と繰り返した。

  制度見直しで県は年間4億8000万円の支出削減を見込む。その効果と重度障害者たちの訴えの重さを、私たちはどう考えればいいのだろうか。』
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2008.03.24 ☆在宅身体障害者、全国で348万人=高齢化で23万人増-厚労省調査
  24日、時事通信→

  『18歳以上の在宅身体障害者が2006年7月1日現在、全国に推計で348万3000人いることが24日、厚生労働省の調査で分かった。01年6月の前回調査と比べて23万8000人増。同省は「増加したのは60歳以上が中心で、高齢化が要因」とみている。
  同調査は、障害者施策の基礎資料を得るため、5年に1度実施。無作為抽出した地区の状況を基に、全国の在宅身体障害児・者数などを推計した。』
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2008.03.24 ☆障害者の実態理解を 支援法見直し訴え行進 仙台
  24日、河北新報→

  『2006年4月施行の障害者自立支援法の見直しを求める集会が23日、仙台市青葉区のせんだいメディアテークで開かれ、約300人が参加した。

「 3.23 みやぎアピール大行動2008」と題し、県内の障害者支援団体などでつくる実行委が主催した。

  実行委代表の鷲見俊雄さん(48)=若林区=が「障害者が安心して暮らせる社会にするために、みんなで団結することが大切だ」とあいさつ。

  参加者の代表5人が、普段の生活や現在の支援法に対する不満を語り、「ヘルパーなどのサービスを受けるたびに負担が増す」「障害者の生活、気持ちは行政に理解されていない」などと訴えた。

  集会の後、参加者は「福祉サービスを下げるな」「所得を保障せよ」などと声を合わせながら、勾当台公園市民広場から東北大片平キャンパスまで約1.8キロを行進した。

  脳性まひがある井上朝子さん(22)=太白区=は「毎日の暮らしが大変で、ヘルパーやボランティアの手助けがなければ生活できない。国や県は障害者の生活実態をもっと理解すべきだ」と話した。

  実行委は昨年、村井嘉浩知事と梅原克彦仙台市長に、支援法の見直しを求めるアピール文を提出している。』
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2008.03.23 ☆支援法施行2年 障害者悲鳴 負担 もっと軽減を
  23日、讀賣新聞(埼玉)→

   『福祉施設の利用に原則1割の自己負担を強いる障害者自立支援法★の施行から2年。度重なる見直しにもかかわらず、障害者と家族の間には「負担が重すぎる」との不満がくすぶる。受け入れ側の施設は収入が減り、職員の労働意欲の低下を懸念する声もある。障害者の自立を促すはずの法施行だが、2年を経て現場には疲弊感が漂っている。(森洋一郎)

■募る不信感
  知的障害のある30歳代の女性は土日を除く週5日、県南部の障害者施設に通う。気の合う仲間や親身な職員に恵まれ、施設通いは最大の楽しみ。でも、母親は「月3万円の負担は正直言ってきつい。やめさせようかと何度も考えた」と打ち明ける。

  支援法の施行前は自己負担ゼロだった。施行後は施設利用料として月約1万8300円のほか、昼食代が月1万4300円(1食650円)かかり、月額約3万2600円。対する女性の1か月の収入は、約8万3000円の障害基礎年金と施設での作業工賃3000円ほど。3000円を稼ぐのに、その10倍を支払う計算だ。
  障害者団体などの批判を受け、2007年4月から施設利用料の上限額は4分の1となり、女性の利用料負担額も9300円に軽減されたが、食費は変わらない。
  母親は請求書を見るたびに、腹立たしさがこみ上げる。今年7月に再び支援法が見直され、負担の算定の基礎が「世帯の収入」から「障害者の個人収入」となる。
  女性の利用料負担額は当初の10分の1以下の1500円になる見通しだが、母親は「私たちはいつも法に振り回されてばかり」と不満そう。国への不信感は逆に募った。

■施設を退所
  全身マヒの障害があるさいたま市の男性(60)は「本音を言えば、やめたくなかった」と、授産施設に通っていたころを懐かしむ。
男性は施行直前の06年3月、11年間通った施設を退所した。それまでゼロだった自己負担額が4万円近くに跳ね上がったためだ。当時の1か月の収入は障害基礎年金約8万3000円と施設での印刷作業で得られる約1万5000円の工賃だけ。80歳を過ぎた母親との2人暮らしで、毎月4万円を工面できるはずはなかった。
  2年たった今、男性は知人の紹介で福祉施設の事務を手伝っている。「あの時は生きることを否定された気がした」と悔しそうに振り返る男性は、7月の法改正について「国はこちらの顔色を見ながら、小出しに負担上限を下げているだけ。抜本的な解決にはなっていない」と憤る。

■生活保護回避へ 月2万8000円まで補助
  県内の障害者関連5団体が法施行直後の06年6月、421施設を対象に実施した調査がある。対象者の総数は不明だが、250施設から回答があり、「退所した」「通所しなくなった」人が計43人、「退所希望」「迷っている」人が計40人、「通所日数を減らした」人が109人に上った。その後の調査はないが、法施行の影響の大きさを裏付ける数字と言える。
  県南部にある施設の担当者は「施設利用料の自己負担は減額されても、昼食は実費負担のまま。今も障害者の不満が大きいことに変わりはない」と訴える。
  07年の上限額の減額は、こうした実情を踏まえた措置。実費徴収の食費や光熱水費に対しては、収入の少ない人には月2万8000円まで補助を出す。自己負担することで生活保護の対象にならないよう、最低2万5000円を障害者の手元に残す仕組みだ。
食事やトイレ、風呂の介助など1割負担に含まれる基本サービス以外のサービスは、施設が独自に内容や単価を決められる。職員に買い物を頼んだり、病院に付き添ってもらったりすることが、これに当たる。
県南東部の身体障害者施設では、利用者が「100円のパンを買ってきて」と職員に頼んだら、200円加算されて300円になったという。障害者の間にも、持つ者と持たない者との格差が広がっている。

★障害者自立支援法 身体、知的、精神の障害ごとに別々だった法律を一本化し、障害者福祉制度の内容を総合的に定めた。2006年4月施行。障害別に異なっていたサービス利用の仕組みや制度も統一した。福祉施設などを利用する場合、収入(能力)に応じて自己負担額が決められていた従来の「応能負担」から、サービス(利益)にかかった費用の原則1割を負担する「応益負担」に変わった。

■施設は減収、人材難
  支援法は、施設側にも波紋を広げた。
  蓮田市の障害者支援施設「大地」は今年度、約1割の減収になりそうだ。市などから施設への報酬の支払いが「月決め」から「日割り」になったためだ。つまり障害者が施設を利用した日数分しか報酬が出ない。
  入所者30人に通所者8人、職員は45人。穴埋めするには、運営費の約9割を占める職員人件費を削るか、稼働日数を増やすかだ。施設長の高橋孝雄さん(53)は「どこの施設も財政的にぎりぎり。職員の労働意欲に影響し、募集しても人が来ない」と憂える。

  厚生労働省の07年調査によると、福祉施設介護員(平均36歳)の年収は286万円。全職種(同41歳)の年収452万円の6割にとどまる。
さいたま市内の心身障害者デイケア施設では昨年秋、30歳代半ばの男性施設長が「結婚」を理由に退職した。男性の年収は約300万円。施設を運営する法人の幹部は「家族を養うため、結婚を機に退職し、別の仕事に就く人は少なくない。この業界で“結婚”はおめでたい話ではない」と自嘲(じちょう)気味に話した。